JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:ロシア旅客機墜落、原因は機長の飲酒(3月17日8時24分配信 日本テレビ) 08年9月にロシアの旅客機が墜落し、88人が死亡した事故について、16日付のロシアの新聞は、機長の飲酒が原因だったと報じた。 ◆コメント:アエロフロートは怖いのです。 日本テレビは何故か航空会社名を出しませんが、2008年9月に死者を出した航空機墜落事故は一件しかない。 127件の人身死亡事故を起こしており、6875名の犠牲者を出している。 単純に平均すると、この38年間に、ロシアはその国営航空会社の墜落事故で、毎年平均、180人の犠牲者を出している、というわけです。 日本テレビのニュース原稿には「ロシアの旅客機」としか書いてありませんが、「ロシア→飛行機→墜落」という文字を見たら、 アエロフロートしかありませんから、調べました。 Air Safe.comには、当然記録されています。 また、日本語のウィキペディアの中に、独立した項目があります。アエロフロート821便墜落事故です。そこには 事故原因は調査中だが、右翼エンジンの技術的欠陥によって爆発したとの報道がある と記述されていますが、日テレの報道の通り、ボイス・レコーダーが回収されていたなら、 事故原因はとっくに分かっていたはずですから、何故、昨日急に公にしたのかは、不明です。 しかし、それは本題では、ありません。 2008年9月、アエロフロート821便墜落事故の原因が、機長の「酔っ払い操縦」らしいというので、今日のブログで この事故の事をかいておられる方が多く、大変尤もだと思います。私もさすがに呆れましたが、一方で、 さも、ありなん。 とおもいました。アエロ・フロートは更にとんでもない原因で、墜落したことがあるのです。 1994年3月22日、アエロ・フロートのエアバスA310-308が高度10,000メートルから、失速し、制御不能なスピン状態に陥り、 シベリアの標高400メートルの山に墜落し、乗員・乗客75名全員が死亡しました。 この事故は、なんと、機長が自分の息子と娘をコクピットに座らせ、操縦桿を握らせたことが原因でした。 ウィキペディア(日本語)にアエロフロート航空593便墜落事故として詳細な解説が載っています。 ごく簡単に言うと、子供が操縦桿を30秒以上継続的に動かしてしまったので、エアバスの仕様で、自動操縦装置が解除され、 機体が右に傾き始め、ドジな機長がその原因に気付かず放置したため、次第に右傾斜が大きくなり、失速したのです。 その上、失速し、急降下した機体が、高度を回復しようと機首を上げ始めたときに、焦った副操縦士が更に操縦桿を引いたため、 機首が上がりすぎ(仰角が大きくなりすぎたということです)再度失速し、墜落した、という、目も当てられないほどの悲劇です。 旅客機の機長が、パイロットの資格を持たない素人、しかも15歳の息子をコクピットに入れ、操縦席に座らせ、操縦桿を握らせる という空前絶後の超弩級大不祥事でした。 この事故が起きた当時、私はたまたまロンドン駐在員でした。ヨーロッパでは大きくこのニュースが取りあげられたのですが、 その直後、日本からロンドンにやってきた知人にこの事故の話をしたら全く知らなかったのですが、日本ではニュースにならなかったのでしょうか。 要するに運航管理体制もへったくれもない、キャリア(航空会社)なのです。 今日のニュースを読んで、1994年にあれほどのとんでもない事故を起こしながら、 アエロフロートのいい加減な体制は、その後も全然変わっていなかったのだな、と思いました。 ◆国際線も飛ばしていますが、利用するのは止めておいた方がいいですね。 ロシアの国内線だけではなく、国際線も運航しています。日本語のサイトがあります。
2009年03月17日(火) 「日銀 銀行の資本増強支援決定」←やることも、発表のタイミングも、ものすごく異例です。
JIRO
|HomePage
|