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2005年03月17日(木) |
ライブドア、ニッポン放送、フジテレビの「攻防戦」の問題点。 |
◆法律上、株式会社は株主のものなのだが。
商法上は、確かにそうなのです。
しかし、ライブドアにも、ニッポン放送にも、個人や企業の株主が沢山いるわけです。
つまり株式会社は、筆頭株主だけの私有物ではないのです。
◆ライブドアは、どうやって、ニッポン放送の株を大量に買うことが出来たのでしょう。
ライブドアという会社は、本来インターネットの会社ですね。
本業はポータルサイトの広告費とか、有料コンテンツとか、そういったことで利益を上げる会社なのす。
ところが、Yahoo!とか楽天に比べると本業ではあまり儲かっていないですね。
それで、これまでは、ベンチャー企業の株を買って、あがったところで売って、本業の不振を乗り切ってきたのです。
つまり、自分では何も生産していない。株の投機による利益です。
それでも、ライブドアは、手持ちのおカネだけで、 ニッポン放送の株を大量に買い占めることが出来るほどの資金は持っていなかった。
そこに、リーマンブラザーズが絡んでくるのですね。ライブドアは、リーマンブラザーズ証券という会社だけに、転換社債というのを発行して、資金を作ったのです。
転換社債というのは、保有者が株式に換えることができる社債なのです。
もし、リーマンブラザーズが転換社債を株式にしたら、株式の数が突然、激増するわけです。
仮に、リーマンが社債を全部株式に転換したら、現時点の一株あたりの利益は半分以下になってしまうのです。
◆堀江氏も、ニッポン放送と同じことをしているのですよ。
ニッポン放送は、フジテレビという一つの会社に対してだけ、新株引き受け権を発行しようとしました。
堀江氏はこれをやると、株式の数が急激に増えて、一株あたりの価値が減り、前々からのニッポン放送の株主(と、ニッポン放送の大株主となったライブドア)の利益を害するといって、差し止め請求を裁判所に申し立てて、認められました。
しかしですね。上で書いたように、ライブドアがリーマンブラザーズというただ一つの会社の為だけに発行した、転換社債は、同様に、既存のライブドアの株主が所有している株式の価値を半分以下にしてしまう可能性がある。だから、ニッポン放送のことを批判できる義理ではないのです。
◆マネーゲームは「幻想」ですよ。
はじめに書いたように、堀江氏は、いままで、株の投機で本業の不振を補ってきたといっていいとおもうのですが、会社が本来の商売ではない、そういう金融収支に頼るのは、好ましいことではないのです。
今までは、そういうことが上手くいったけれども、マネーゲームというのは、非常に乱暴にいうと、バクチですから、バクチの利益に頼っている会社というのは、危なっかしい。
つい、10数年前、これは対象が土地でしたが、土地の売買というバクチに、皆が目の色を変えた結果、バブル崩壊という悲劇があったばかりではないですか。
バブルの頃はみんな、永久に地価が上昇するという錯覚にとらわれ、銀行からお金を借りて、土地を買いまくったのです。
しかし、実際の土地には何の付加価値がついたわけではなく、本来の価値よりも、遙かに高い値が付いてしまった。
それで、あるとき、皆が、ふと正気に返って、地価が暴落したんですね。これが、「バブルの崩壊」ですね。
土地の価格が思い切り上がったときに買ったら、どすんと地価が暴落したんです。そうすると、「評価損」を計上しないといけない。
どこの会社も本業の設けでその評価損を埋められない。赤字です。
銀行から借りたお金、返せません。これがバブル崩壊直後の「不良債権」なのです。
◆堀江氏は要するに「株転がし」ですよ。
堀江氏は、「インターネットとテレビを融合させて新しいメディアを何とかかんとか」云っていますが、私は、そんなことはあまり眼中にないと思う。
「新しいメディアの理想」を抱いていたのなら、なんで、野球チームなんかを持とうとしたのでしょう?要するに対象は何でも良いのではないでしょうか。
非常に単純化して云ってしまうと、安いうちに株を買い占めて、価値が上がったとみんなに思わせて、株価が上がったところで、ドスン、と売って差益を儲けることが目的なのでしょう。
◆株式会社には他の株主もいるし、従業員の生活もかかっている。
なんだか、最近テレビに登場するのが、ライブドア、ニッポン放送、フジテレビの3人の経営者ばかりなので、3人の個人的な争いみたいな様相を呈しているけれども、それぞれの会社には、個人株主が大勢いるし、従業員もいるわけでしょう。
会社を「モノ」と見なして、いいように扱っているけれど、多くのひとの人生が影響を受けるわけです。
冒頭に書いたとおり、株式会社は法的には、株主のものですが、最近の3者のやりとりを見ていると、守るとか攻めるとか、まるで囲碁か将棋の対局のようで、あまりにも、「多くのひと」をないがしろにしているように、私には、見えるのです。
ここからは、やや、偏見を伴う独断ですが、もしも、堀江氏がニッポン放送とフジテレビを支配したら、きっと、まず、大規模なリストラを断行すると思うのです。
その危機感があるので、これはこれで驚きなのですが、ニッポン放送には今まで労働組合が無かったのですが、急遽、組合を結成しようという動きがあるそうです。
組合がないと、不当解雇だ、とか一人では云いにくい。しかし、そうなる危険が十分にある、とニッポン放送の社員が感じているのでしょう。
ニッポン放送と、フジテレビの経営に口を出すのなら、いまから、具体的に何をするつもりなのかを詳しく、分かりやすく丁寧に説明して、社員を味方にしないと、堀江氏は必ず、失敗すると思います。
2004年03月17日(水) 「文春に異例の出版禁止命令 田中真紀子氏長女の記事」読みましたけど、出版禁止するほどの内容とは思われないのです。
2003年03月17日(月) 何故、アメリカは他国を侵略する権利があるのか?イラク人から見れば、アメリカこそ「悪の枢軸」だろう。