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2004年03月17日(水) |
「文春に異例の出版禁止命令 田中真紀子氏長女の記事」読みましたけど、出版禁止するほどの内容とは思われないのです。 |
◆記事:文春に異例の出版禁止命令 田中真紀子氏長女の記事
衆院議員田中真紀子氏の長女に関する記事を掲載した「週刊文春」(文芸春秋発行)の17日発売予定号について、東京地裁は16日、出版を禁止する仮処分命令を出した。
発売前の雑誌について出版を禁止する仮処分は極めて異例。文春側は命令を不服として、異議申し立てなどができるが、命令の効力に直ちに影響はない。関係者によると、既に配送済みのため当面の取り扱いは各書店の判断に任すしかないという。
今回の司法判断は、言論の自由との関係で大きな論議を呼びそうだ。
長女の代理人弁護士によると、17日発売の週刊文春(3月25日号)が長女のプライバシーを侵害して取材を行い、記事を掲載しようとしているとして仮処分を申請、認められた。
関係者によると、記事は「独占スクープ」と題し「田中真紀子長女 わずか1年で離婚」などのタイトルで、長女の離婚問題などについて報じているとされる。(共同通信)
◆コメント:あまり簡単に出版禁止するのも、どんなものか。
東京地裁が出版禁止命令を出したのは昨日で、その時点では当の週刊文春のかなりの部数は既に出荷されていたので、私は今朝、簡単に入手することが出来た。
出版差止めの仮処分を申請するぐらいだから、余程、えげつない内容の記事なのかとおもったのだが、冷静に考えてもそれほど、ムキになる内容とは思えないのである。
ようするに、「田中真紀子の長女が、真紀子の猛反対(家柄が違う、という反対理由だったそうだ)を押し切って、昨年2月に、堅気のサラリーマンと結婚して、旦那さんがロスに転勤になったので、当然一緒についていった。
ところが、現地で何があったか分からないが、幸せな結婚生活は続かず、二人は離婚して、田中真紀子の娘さんはすでに、日本に戻っている」というだけの話である。
確かに、田中真紀子さんお嬢さんは政治家でも政治家の妻でもない、単なる一般市民であるから、結婚したり離婚したことを週刊誌で全国に言いふらされたくはないだろうが、これぐらいの離婚はいまどき珍しくも何とも無い。
下司の勘ぐりの域を出ないが、この記事の目玉は、離婚したお嬢さんではなくて、お嬢さんの結婚に対する「異常なまでの」田中真紀子氏の猛反対であり、出版差止めを画策したのは田中真紀子さんではないか、と思われる。
◆法の下の平等
私が、思ったのは、これが、もし、田中真紀子氏のお嬢さんではなくて、例えば女子アナウンサーだったり、タレントだったら、東京地裁は出版禁止の仮処分の命令を出したのか?ということである。多分、却下されたと思う。
秘書給与疑惑で田中真紀子が不起訴処分になったときにも、私は、これは田中真紀子だから、不起訴になったのだ、と思った。今回も同じ思いである。
日本国憲法第14条第1項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
というのは、この国では建前に過ぎないのである。
◆読みたい人間がいるから、週刊誌が書く
しかし、問題は日本国の裏に働く得体の知れない力だけではない。週刊誌が必要以上に個人のプライバシーを踏みにじるケースは、確かに存在する。どうしてそういうことが起きるのか?その種の記事を載せると売れるからである。何故売れるのか?我々が読みたがるからである。
つまり、他人のプライバシー、特に、他人に起きた不幸について知りたい、という大衆の欲求が、出版社に下劣な記事を書かせ、取材対象のプライバシーが侵害されるのである。だから、責任の一端は、我々一般大衆にある。
最近はなんでも、欲望、本音を剥き出しにすることが、美徳であるかのごとき錯角が世の中を席巻しているが、それは、正しくない。欲望をコントロールするのが、人間の品性・教養というものだ。
2003年03月17日(月) 何故、アメリカは他国を侵略する権利があるのか?イラク人から見れば、アメリカこそ「悪の枢軸」だろう。