外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
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2008年03月17日(月) 「ドル3円超の急落、9年ぶりパニック売りでも下値めど見えず」←だからさあ。米国は早く公的資金を使いなさいと言ってるでしょう。

◆記事1:ドル3円超の急落、9年ぶりパニック売りでも下値めど見えず(3月17日20時14分配信 ロイター)

[東京 17日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)によるベアー・スターンズへの緊急融資を受け、

週明け17日の外為市場では早朝からドル売りが殺到した。FRBの公定歩合引き下げにもかかわらず、

わずか数時間で3円を超えるドル安が進み、ドル/円は12年7カ月ぶり円高水準の95.77円まで急落した。

1日の下落幅としては9年ぶりの大きさとなり、多くの参加者が下げの勢いが付いたドルの下値めどを見通せない「パニック状態」(都銀)に陥っている。



<投機筋の売り仕掛けで市場崩壊の危機、100円割れ水準での下落率は12年ぶり>

17日朝の東京市場では投機筋の売り仕掛けが活発化し「市場が壊れかけている。介入でもない限り止まらない」(外銀)と悲鳴にも近い声が上がった。

ロイターデータでドル/円は、午前8時半から11時半までの間に高値から安値まで3.39円下落。

日銀によると、円の取引量が多いアジア時間の取引としては、1999年1月12日の4.20円以来、9年2カ月ぶりの下げ幅となった。

ドル/円の下落率もアジア市場だけで3.42%に達した。

1日(24時間)を通じた下落率を比べると、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題が表面化した昨年8月以来の大きさだが、

当時のドルは115円付近から下落していた円安圏での値動き。心理的な節目となる100円を割り込んだ水準で大きな値動きとなったのは、

95年9月にドルが100円台から反落したとき以来、約12年半ぶりのことだ。

17日午後から夕方にかけてドルは小幅に持ち直しているが、海外市場にかけてドル売りが再び強まれば、1日の下落率は昨年8月を上回り、さらに大きくなる。

(引用者注:以下省略:全文キャッシュはこちらに保存してあります。)


◆記事2:公定歩合0.25%緊急引き下げ=ベアー資産担保に3百億ドル特別融資−米FRB(3月17日11時1分配信 時事通信)

【ワシントン16日時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日夜、

傘下の地区連銀を通じて市中銀行に直接資金を貸し出す公定歩合を緊急に0.25%引き下げて3.25%にすると発表した。

また、ニューヨーク連銀と直接取引ができる内外の有力証券会社20社で構成するプライマリーディーラーに対し、公定歩合枠を使った資金供給枠を緊急設定する。

融資枠の設定期間は少なくとも半年。公定歩合を使った市中銀行への貸し出しについては、期間を3カ月まで延長する。

公定歩合を使った貸し出しでは、住宅ローン担保債(MBS)など幅広い資産が担保に認められる。

MBSは、銀行間やヘッジファンド向けなどの融資に担保として使われており、この値崩れが金融市場の「異常な状況」(FRB当局者)を招いていた。

FRBはさらに、JPモルガン・チェースによるベアー・スターンズの買収を即時承認するとともに、ベアーが持つ「流動性の低い資産」を担保に、

JPモルガンへの300億ドル(約3兆円)の特別融資を決めた。

本社ビルなどが担保になるとみられるが、FRBが債券などの通常の金融資産以外を担保に貸し付けを行うのは極めて異例。

FRB当局者はこの融資について電話会見で、「一回限りのもの」と例外性を強調した。


◆コメント:いよいよ、ヤバくなってきました。

ちょっと、記事が専門的なので面倒くさいでしょうから、かいつまんで説明します。

記事1は東京の外国為替市場でドル売りが止まらず、先週終値比3円以上も円高になったこと。

特に、100円という大台を割り込んだら、一度は買い戻しが出るのに、戻りがなく、ドルが対円で暴落していく様を不気味に描いています。

また、株式市場も先週からずっと下がり続けており、昨年来安値だった、1万2532円13銭を割り込んでも全然下げ止まらず、

それどころか、今日(17日)は先週終値比−454.09円の、11,787.51円でした。1万2千円台もあっさり割ってしまいました。

今のところ、そこまで書いているメディアは見かけませんが、ひょっとしたら、1万円を割るのではないか、という恐怖感を煽っています。


◆ベアスターンズはウォール・ストリートの「ビッグファイブ」の一つなのですが、潰れました。

次に記事2について説明します。

ベア・スターンズは投資銀行です。

少し話がそれます。「投資銀行」というのは日本に無いので馴染みがうすく、新聞はしばしば「証券会社」と訳していますが、ちょっと、違います。

これに関しては、私よりも、ウィキペディアの詳細かつ分かりやすい説明がを読んで頂いた方が良いとおもいます。

アメリカの金融街には投資銀行(=investment bank インベストメント・バンク)がいくつも有りますが、最大手の五社を"Big Five"と呼んでいます。

ベアスターンズは、このビッグ・ファイブの1つだったのです。

尤も、五社の中では最も小さく、その規模の割には金融市場へのエクスポージャー(金融資産のうち、価格変動リスクに晒している資産の割合)が大きかったのです。

昨年夏、傘下のヘッジファンドが大損をしました。その頃から危ないと言われていたのですけれども、

それを考慮しても、なお、兎に角、ビッグ・ファイブの一つに取り付け騒ぎが起きて、

この、個別の金融機関を救済するために、FRB(連邦準備銀行)が、日曜日だというのに、

緊急融資(J.P.モルガンを通じての迂回融資ですが)をすること、

公定歩合を0.25%緊急利下げすることを発表するなど、超例外的なことなのです。


今朝から、日本をはじめとするアジア各国の株式、為替市場では、ベア・スターンズが潰れたなら、

実は、他の四つ(モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズ)も危ないのではないか、

と考えています。

私は、金利を下げて、流動性資金を増やしても仕方がないと考えており、それは何回も書いています。

「日本メガ3行に基金の協力要請 サブプラ問題で米銀など」← 。どこまで図々しいのだココログ

「<米シティ>2兆5000億円の追加損失」←ブッシュさん。公的資金を注入しなさい。ココログ

「米、0.75%の緊急利下げ・FF金利3.5%、景気悪化に歯止め」どうですかねえ。ココログ

いくら利下げをしても、サブプライムローン問題というのは、短期資金の金繰りの問題じゃなくて、信用不安(クレジット・リスク)なんです。

サブプライムローンを証券化した商品を買った。或いは、それが組み込まれた商品に投資したアメリカの金融機関が沢山有るわけですが、

サブプライムローンというのは、焦げ付いているわけです。返して貰えない。つまりローンの貸し手から見れば、丸々損をしている。債権としての価値がない。


だから、それを証券化したものも価格が暴落する。当然です。同時にサブプライムローンを組み込んだ商品の価格も下がり続けます。

このようにして、アメリカの金融機関が持っている資産の価値が下がり、債務超過になって潰れるんじゃないか、

というのが、サブプライムローン問題ですから、Fedが公定歩合を下げたり、FF金利という短期の貸し借りの基準金利を下げてもですね。

日々の財布が空にならないようにしてやるよ、というだけであって、その後に抱えている莫大な借金に付いては「知らん」という態度なのですね。今は。


◆それでも、NYタイムズのコラムは「公的資金を使うのは、バカのやることだ。」と言っている。

ざっと目を通しただけなのですが、ニューヨーク・タイムズのコラム(あっちの新聞には社説を書く論説委員の他に、何人ものコラムニストと契約しています)

を読みました。The B Word というところですが、

このPAUL KRUGMAN(ポール・クラッグマン)というオッサンは、

先週、ルービン・前財務長官と、IMF理事のジョン・リプスキーは、「アメリカの金融危機を救うためには公的資金の導入も考慮せねばならない」

と述べたが、現財務長官が「現在の危機を打開するために納税者の収めたカネを使うのは馬鹿げている」というのが、本当だ。

そして、終わり近くで、
大切なのは金融システムを救うことであり、自ら破綻した会社を救うことではない。

といいながら、
かつてのResolution Trust Corporation(整理信託公社。1989年、アメリカの貯蓄貸付組合=S&Lの清算のために作られた組織)のような組織を作ることが必要だ。

と書いています。



何処の国でも評論家ってのは、書いたらお仕舞いで気楽なものですな。

そんな悠長なことを言っている場合ですか。そんな組織をすぐに作れるのですか?

アメリカのサブプライムローン問題のおかげで世界中の株が暴落して投資家は、実損を被ったか、多額の含み損を抱えています。

アメリカ人には、「世界に迷惑をかけている」という認識を持ち、多いに自省して頂きたいと思います。

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