DiaryINDEX|past|will
2009年03月12日(木) |
<川崎の医師>講演会で「どんどん吸って早く死んで」←人の発言は文脈全体を知らないと、真意を知ることは出来ない。 |
◆記事:<川崎の医師>講演会で「どんどん吸って早く死んで」(3月12日2時35分配信 毎日新聞)
川崎市立井田病院(中原区、関田恒二郎院長)の男性医師(55)が、7日に富山市で開かれた講演会の質疑応答で
「禁煙が進むと医療費がかさむことは明らか。どんどん吸って早く死んでもらった方がいい」と発言していたことが分かった。
禁煙推進団体は「人の命と健康を守る医師の発言とは思えない暴論」と抗議した。
医師は取材に対し「真意が伝わらず誤解を生んだ」と釈明している。
病院などによると、講演会は富山県医師会主催で参加は関係者約30人。男性医師は医療と介護をテーマに講演した。
質疑応答で、神奈川県が制定を目指す公共的施設受動喫煙防止条例について問われ、回答した際に発言したという。
医師は「私もたばこを吸うので、(喫煙は)自己責任だと言ったつもりだったが、誤解されてしまった」と説明。
さらに「禁煙よりも、医療や介護を受けられない人たちへの対応に力を入れるべきだという思いがあった」と話した。
市民団体「たばこ問題情報センター」(東京都千代田区、渡辺文学代表)は10日、
関田院長と医師に発言の真意などについての公開質問状を提出した。
◆コメント:発言の一部だけを切り取って、誇大に報ずるのも、それを鵜呑みにするのも正しくない。
新聞はしばしば恣意的に部分的な引用をするが、人の発言の真意は、その発言の前後の文脈の中で無ければ正確には理解出来ない。
約2年前、2007年1月に当時の厚労相・柳沢伯夫氏が「女性は産む機械」と発言した、といって、
ボコボコにマスコミや野党や世論から叩かれたことがある(そういうの、皆すぐ忘れるね)。
その時、私は日記・ブログで、報道の問題について書いた。
柳沢発言は確かに不注意だが、直後、「機械といってごめんなさいね」とある。文脈を読むことだ。(ココログはこちら)。
リンク先を読むのが面倒くさい人も多いだろうから、当時、柳澤発言を報じた記事を載せる。
◆資料:柳沢発言を伝える各紙の第一報(抜粋)
【日経】女性は「産む機械」、すぐ言い直し謝罪・柳沢厚労相が講演で
柳沢伯夫厚生労働相は27日、島根県松江市での講演で少子化の解消策として
「産む機械、装置の数は決まっちゃった。あとは1人頭で(たくさん産むように)頑張ってもらうしかない」と述べ、
女性を“子供を産む機械”とみているかのような発言をした。厚労相はその場ですぐに「機械と言ってごめんなさい」などと謝罪。
「産む役目の人」と言い直した。(1月28日 01:01)
【産経新聞】女性は「産む機械」柳沢厚労相
柳沢伯夫厚生労働相は27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で、
「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と女性を機械に例えて少子化問題を解説した。
柳沢氏は「これからの年金・福祉・医療の展望について」と題し約30分間講演。出生率の低下に言及し
「機械って言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」との言葉を挟みながら、
「15−50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べた。
厚労省は昨年12月、人口推計を下方修正。この時、柳沢氏は「子供を持ちたいという若い人たちは多い。
その希望に応えられるよう、できる限りの努力をしていきたい」と話していた。(2007/01/28 03:40)
【毎日新聞】柳沢厚労相:講演で「女性は産む機械」
柳沢伯夫厚生労働相=写真=は27日、松江市で開かれた自民党県議の集会で講演した。
講演は年金・福祉・医療問題に関するもので、出席者によると、柳沢厚労相は少子化対策に言及する中で
「15から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、
機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」などと述べたという。
少子化対策にかかわる閣僚による、女性を「出産する機械」とも例える発言だけに、今後、批判を強く受けそうだ。[2007.01.28 東京朝刊]
この発言及び報道に関する私の考えは、リンク先を読んで頂きたい。
この時も今日も似たような印象を受ける。
各紙の報道をよく読むと分かるとおり、柳澤氏は「女性は産む機械」という言葉そのものは発していない。
ただ、発言全体から単語を拾って、意図的に悪い印象となるように組み立て直すと、
「女性は産む機械だ」という文言(もんごん)が発言に含まれていたように読者は感じてしまう。
こういうところが、マスコミの不見識である。この場合の「不見識」とは、騒ぎにしなくても良いことを、
恣意的に(恣意とは「悪意」とほぼ同義である)騒ぎにしてやろう、という目論見(もくろみ)のことである。
本件における「男性医師」(55)の発言においても同じように恣意的な引用が為されている可能性は十分にある。
従ってこの記事のみから医師の発言の真意を読み取ったと思いこみ、それに対して論評を加えること自体、早まった行為である。
以上が本報道に関する最も客観的、論理的で公平な所見である、と思料する。
【読者の皆様にお願い】
是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
【お詫び】
普段はメールを受け付けているのですが、最近、海外からのスパムメールがやたらと多いので、メールフォーム非表示にしてあります。
ココログからも、メールが送れますので、よろしければご利用下さい。
2008年03月12日(水) 医療従事者は言葉を選んで患者にものを言って頂きたい。
2007年03月12日(月) 「東証、日興コーデの上場を維持」←有価証券報告書虚偽記載企業を上場廃止にしない株式市場の「信頼性」
2006年03月12日(日) <パラリンピック>苦難を乗り越え金メダル 小林深雪選手←障害者を特別扱いする必要は無いが、軽視するのは不公平だ。
2005年03月12日(土) 中西一善、里谷多英、中村七之助・・・。皆、「はた迷惑な酒飲み」だ。
2004年03月12日(金) 「死者192人、負傷1400人に=スペイン各地で抗議集会−列車爆破テロ」テロリストは頭が悪い連中だ。
2003年03月12日(水) 嫌いな人間には自分の抑圧している欲望が現れている。心理学用語、「投影」