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JIROの独断的日記
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2003年03月12日(水) 嫌いな人間には自分の抑圧している欲望が現れている。心理学用語、「投影」

 ある人間のことが大嫌いだ、という場合、心理学でいうところの「投影」という心理防御機制(自我を安定させるために無意識に作動する心的な反応)が作用していることがある。自分が「重要と思うのだが、抑圧している」欲望、感情がある場合に、これをおおっぴらに前面に出している人間を見たときに、強い反発を覚え、その人間を非難することによって、心の安定を図ろうとするのである。

 教科書風にいえば「投影とは」、「主体が個人として受け入れる事が出来ない欲動を外へ棄却したり、他人に限局する、心的操作。そのことにより主体は自分自身の欲動に気がつかないでいることが出来る」

 例えばある男性は性的衝動がとても強い人なのだが、その衝動のままに生きると、現実社会ではさまざまな問題を起こすので、自分でも気がつかないうちに(無意識に)性的衝動を抑圧している。この人が、所謂、プレーボーイというか、女関係が派手な男を見ると折角抑圧している自分の衝動を刺激される。そこで、その相手を非難することによって自我の安定を図ろうとする。

 また、別の例で言えば、ある女性は、「仕事が生きがいだ」といい、キャリアを持ってバリバリ働いている。ところが彼女は心の奥底では結婚して子供を産んで、和やかな家族関係を持つことが重要だと思っている。しかし、それは無意識に抑圧し、表面の意識の上では仕事をする女性が偉いのだ、と考えている。彼女が、学生時代の友達で今は幸せな家庭の主婦になっている女性をみると、反発を覚えるかもしれない。そして、相手を心の中で蔑む事により心の安定を図ろうとする可能性がある。

 このように、自分がある人を嫌いだ、という感情を抱いた場合、全てに当てはまるわけではないが、自分が「一番重要だと考えているが抑圧している」、欲望や感情を、相手が象徴している場合がある。そう考えると、学校や職場で嫌いな人をヒントにして、自分は本当は無意識に何を抑圧しているのか知ることができる。

 抑圧は社会生活を営むに当たり、必要な心理的反応だが、抑圧ばかりしていても自分が可哀想である。そういうときは、自分にそういう欲望があることを認めてやる(実行に移すかどうかは別として)ことが大切である。

 一番目の男性の例なら、「ああ、いろいろな女性と関係したいと思うこと自体は別に悪い事ではないのだ(実行に移すのでなければ)」と認めてやることにより、自我を救う事ができる。随分楽になるはずである。


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