先日、夫の従兄から立派な柿が届いた。
夫の従兄は和歌山で柿を作っている。彼は自分の父と祖父母、そして自分達家族を養うお父さん。兼業農家で農業の繁忙期以外はタクシーの運転手をして生計を立てている
柿はとても大きくて、甘く、瑞々しく、美味しかった。夫の従兄の作る柿は、柿の中でも高級な物とのこと。きっと、飛びきり出来の良いものを送ってくれたのだと思う。ありがたいなぁ……と思いつつ、美味しい柿を堪能した。
私は結婚するまで身内に農業をしている人がいなかった。しかし夫と結婚してからはスーパーへ行っても、ふと従兄のことを思ったりする。スーパーで売っている柿はとても安い。(大阪は柿の産地が近いので運送料の分、他の地域よりも安いのかも知れない)
従兄は自分の仕事に誇りを持って、丹精込めて柿を作っている訳だけど、柿農家は決して実入りの良い仕事ではない。従兄の作る柿はスーパーで安売りされている柿よりも高い値段が付いているようだけど、それでも柿の値段なんて知れたものだ。そうでなければ従兄とてタクシーの運転手などせず、農業だけで暮らしているだろうと思う。
今「食の安全」とか「食糧の自給率」についての問題がニュース等で取り上げられることが多い。食糧は自分の国で作るのが理想だとは思うのだけど、従兄の苦労を思うと、農業を離れる人が多いのも仕方のないことのように思える。従兄の子供は農業を継がないだろうと思う。素晴らしい仕事だと思うけれど、世の中には農業よりも楽をしてお金を稼げる仕事が沢山あるのだ。
自分が食糧を買う時は「値段の安さ」を重視してしまうのに、従兄が柿を作っているからと言って、柿を見て「柿の値段って安過ぎるなぁ」と思うのは身勝手な話だと思う。それだけに、食糧の自給率を上げる事の難しさを実感せずにはいられない。
食糧問題について私自身は何が出来ると言う訳ではないので、せめて食べる物に対して感謝の気持ちを忘れないようにしたいなぁ…と思う。誠実に柿や野菜を作っている従兄と、日本で農業に従事している人達に敬意を抱きつつ、今日の日記はこれにてオシマイ。