入院生活について少しずつ書いていると言うのに、そう言えば最大のイベントとも言える出産については、ほとんど触れていなかった……ってことに、今さらながら気が付いた。
あの時のことを思い返すと今でも感動が押し寄せてくる……と書きたいところなのだけど、実はそうでも無かったりする。大変だったし辛かったけど、ものすごい勢いで記憶が薄れているのだ。出産前まで体調がイマイチだったり、早産だのなんだのといったプレッシャーがあったりしたので「出産」よりも「それまでの日々」の方が大変だったように思えてならないのだ。
記録として書いておくなら、こんな感じ。
娘の出産は陣痛からのスタートではなく破水からはじまった。スタートは10月10日の午前中。それも破水とは分かりにくい高位破水だったので「これって破水かな?」と様子を見つつ、いちおう玄関に入院セットを準備して待機。「たぶん破水だ」と核心して病院に連絡したところに、タイミング良く乙女な母が覗きにやって来た。乙女な母と2人、タクシーを呼んで病院へ。破水と診断されたのでそのまま入院。入院したのは正午頃。乙女な母には午後3時頃に帰宅してもらう。
抗生剤の投薬と点滴を受けつつ陣痛を待つが気配無し。夕方、主治医から「明日の朝までに陣痛がはじまらなければ促進剤を使います」との説明を受ける。夕方からやっと「陣痛かな?」という痛みが来るが、本格的な陣痛には至らず。夜、仕事を終えた夫が来てくれた頃にやっと痛みが本格化。
しかし、痛みに規則性はなく、出産前からの腰痛が痛いのか、お腹が痛いのか判別がつかず、しかも我慢出来ないほどの痛みでは無かった。状態を説明すると「これは陣痛じゃないですね。前駆陣痛だと思います」とガッカリな診断。「前駆陣痛でこんなに痛いなら、本当の陣痛は、どんだけ〜」と少しびびる。「念のため機械で測ってみましょうか」と測ってもらったら、どうやら陣痛だということが判明。子宮口もガッツリ開いていて「こりゃ大変。分娩室に行かなくちゃ」となったのが午後11時過ぎ。
病室から分娩室に行く途中、車椅子に乗った私は促進剤を使わずに出産がはじまってホッっとしていた。痛いし大変なはずなのに、心の中で「やれやれ」などと呟いていたのだ。分娩室に行ってからのことは次回に続く……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。