刻む歳月の嵩に、 意義や、 価値が、 在るのか。
其れは、 未だ、 分からないけれど。
刻んだ歳月の、 所々に。
一応は、 水準点が穿って在る。
其れ故に。
想いを、 其処へ至らしめれば。
一応は、 互いの歳月の道標を、 想い返せるのかも知れない。
例え。
何れ程、 覚える気が無くとも。
俺と姫と、 そして娘と。
「今日。」 「彼の誕生日じゃん。」
「あ。」 「忘れてた。」
「たんじょうびなの?」 「なんさい?」
黒猫の生誕を、 想い、 祝いながら。
立ち位置が、 違ったとしても。
「なんさい?」
「ええと七歳?」 「俺達が出逢って何年だっけ?」
「8年前のワールドカップでしょ?」 「忘れたの?」
「そうたそうだ八歳だ。」 「八年前に初めて逢ったんだよ。」
「逢いたく無かったわよ。」
根付いた水準点が、 同一で無くとも。
互いの記憶を、 順に、 繋ぎ逢わせれば。
案外、 語り戻せるのかな。
---------- References Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」 May.13 2006, 「共通項には値しないのでしょうか」
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