此の、 刃の数々は。
確かに、 自身を傷付けるけれど。
同時に、 自身を奮い立たせる、 最高の武器。
そして此の、 鋭利な言葉の数々は。
確かに、 相手をも傷付ける、 刃だけれど。
きっと。
相手を奮い立たせる、 最高の武器に、 還る事の出来る鋭さでも、 あるんだ。
其れ故。
幾ら鋭く、 此の身を切り裂かれようと。
其れ程、 痛くは無いのだろう。
何れ程、 此の身を抉られようと。
最大の欠点は、 最大の魅力なのだと、 感じるのだろう。
友人の目の前で、 泥酔しながら、 吐き続ける姫の言葉に。
耐え切れず、 気を遣う友人。
「良く耐えてるね・・・」
「好きだからね。」
精一杯、 強がって魅せたけれど。
本当は、 致命傷を負わされたんだ。
俺の、 目の前で。
「二つ前に戻ろうかな。」 「片想いだったけど、幸せだったもん。」
今夜も姫は、 鋭利な刃物を振り翳す。
---------- References May.09 2004, 「前科を繰り返したのでしょうか」 |