想う相手の、 記念と成る日付は。
飽く迄、 相手の記念日だけれど。
其の記念日を。
真っ先に、 或いは間近で、 祝えるなら。
其れは、 自身の記念日とも成り得るのだ。
其れ故に。
想う相手の、 其の記念日を。
毎年、 毎年、 育て行く筈なのに。
何故に。
時は、 其の想いを薄め行くのだろうか。
其れとも。
より想いの深い方へ、 顔を向けて居るだけだろうか。
「誕生日だね。」
そわそわと、 浮き足だった姫の姿に。
未だ、 月末迄は間が在ると、 言い掛けて。
言葉を飲み込んだ。
姫は。
「誕生日だね。」 「猫、元気かな?」 「三歳だよ!」
俺より付き合いの長い、 其の猫の方が。
俺より大切なのだ。
---------- References May.03 2005, 「猫程度だと言い張る気でしょうか」 Apr.04 2005, 「安心では無く後悔なのですか」 |