音を艶やかに受容し、 甘味に温度を感知する。
時に感覚は、 自身の範疇を飛び越える事が、 在るのだけれど。
豊かな繋がりが、 徐々に、 徐々に、 精査され。
遮断された後で。
其の感覚を残存させる手段は、 無いのだろうか。
嘗ての文字に宿った、 艶やかな色彩や、 明暗を。
必死に想い返して。
眼前の文字の内に、 其の、 息吹を伺う。
送り手の想いが必須なのか。
其れとも、 受け手の内から付加されるのか。
在る筈も無い色を、 必死に探し。
「そういう阿呆なメールを送るなよ。」
友人に窘めらた声で、 初めて、 我に返った。
返らぬと想いながらも。
「誕生日おめでとう。」
坂の街へ放った、 其の色に。
「ありがとう。」
殆ど濃淡すら無い、 無機質な文字が木霊する。
---------- References Dec.16 2007, 「祝いの想いは遠いでしょうか」 Aug.18 2008, 「統べる腕を獲られるでしょうか」
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