いつかこの日が来ると、 そう想っていた。
いつか必ずこう言われると、 そう想っていた。
お互いの距離感が、 半年前から微妙に崩れていた事も、 わかっていた。
貴女と関係を持ってから、 この日の為に延々と考えて来た事に、 結論を出せなかった。
他人との境目。 他人との境界線。
一番大切で、 一番難解な、 時と場合で七色に変化を繰り返す、 薄いくせに硬い膜。
「小坊主の接し方ってネットの友達を越えてる印象を受ける・・・」
貴女にとっては友達。 喜怒哀楽を分かち合える親友。
俺にとっても友達。
けれどもそれは、 喜怒哀楽を分かち合えない、 ただの友達未満。
あの人が言う事は正しいのに。
あの人の求める距離が、 俺には難しい。 |