果たして、 如何なる理由を以て。
大切な想いを、 伝えず。
自身に、 貯蔵するのだろうか。
時機や、 手段を、 欠くのかも知れない。
内容や、 対象が、 不的確なのかも知れない。
或いは。
互いの関係と、 互いの能力不足が。
伝達を望む想いの、 其の正確性を、 損なうからかも知れない。
何方かと問えば。
否定的な理由が、 其処に並び勝ちだけれど。
本当は。
真に響く、 掛け替えの無い、 想い故に。
誰にも触れさせず。
唯、 心の奥底に、 沈め。
自身の芯に供えたいと、 希うからなのだ。
何時の間にか。
「大切にしたいものって。」 「心の深いところにしまっておきたい。」
「こんな遣り取りも?」
「ええ。」
俺の知らぬ、 俺の息遣いを。
坂の街の人は。
そっと、 奥底に閉じ込めて居た。
---------- References Nov.28 2006, 「離れて居ても見える物でしょうか」
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