< 退路を蓋で閉じてしまいましたか >
決して前向きでは無い。
後ろ向きの想いを、 負の想いを、 無理矢理正の値に変換させて、 無理矢理前へ歩く時。
人は自身に言い聞かせる。
決して積極的では無い。
後ろ向きでは良くない、 後ろ向きはいけない、 無理矢理消極的な想いを振り払って、 強迫観念から前へ進む時。
人は自身を洗脳する。
人一倍依存心の強い貴女が、 懸命に考え付いた必死の試みを、 俺は一刀両断にしてしまったんだな。
初めから幸福の無い道など、 貴女が選ぶ筈は無い。
例え幻想でも、 結果的に過ちでも、 行為に幸せを映したからこそ、 貴女は選択したんだ。
「壊れると解ってた結婚。」 「最初から解ってた事じゃない。」
貴女が後付けした理由は、 自分を無理矢理進める為の方便。
俺が何度も何度も利用して来た事を、 何故その位の事を、 俺は瞬時に察してやれないんだ。 |
2003年03月31日(月)
---------- History
< 一言でも力が有りませんか >
ふと淋しそうな声が聞こえた。 ふと不安な声だと感じた。
この感覚が、 この想いは、 今迄も証明し続けて来た。
貴女の心が、 俺とは別の方向に漂流している事。
「小さな彼が体調悪くて。」
貴女の支えが、 貴女の活力の源が、 元気を無くして居る今。
小さな彼の代わりを俺が担う事など、 永遠に出来ないから。
「実家に預けたの。」 「こういう時側に居てやれないんだよね。私。」
貴女は自分の意思で、 荒波へ漕ぎ出した。
その荒波の厳しさは、 一度船出をしてからでないと、 決して理解出来ないのに。
不思議な事に、 今迄の様な嫉妬心は無い。
寧ろ貴女を気遣う想いだけで、 身体全域が覆われている。
傍から見たら当然の事だけれど。
半分は、 俺の心が変化して修得した、 信頼感。
半分は、 貴女の想いが築いて来た、 安心感。
小さな彼への嫉妬は、 二人にとって負の力しか持ち得ない物だから。
其れを消し去る努力もまた、 一つの積み上げた歴史。
ただ頑張れと、 一言しか言えないけれど。
前よりは気持ちの籠められた頑張れに、 成長していると確信が持てる。 |
2003年03月29日(土)
---------- History
2002年03月29日(金) 卑怯者ですか
< 何の為の選択でしたか >
貴女への恨み辛みが飛び出そうになるのを、 必死で飲み込んだ。
何故。
貴女の行動が、 貴女の性格が、 憎くて憎くて仕方ない。
何故。
人間など初めから両面性を持った生き物で、 俺が惹かれた貴女の魅力が欠点と成り得る事など、 何も貴女に限った事では無く、 誰でも有り得る極当たり前の節理なのに。
貴女が口にした事が、 もし事実では無いのなら。
きっと俺に気を遣って、 俺を楽にしようとしているに違いない。
「再婚に怖さは無いの?」
「私は・・・怖くない。」
貴女が口にした事が、 もし本当なら。
自然に素直に、 俺と向き合ってくれているんだ。
「結婚に辛さはないの?」
「初めから壊れた結婚だったから。」 「駄目になるの当たり前の結婚だったから。」
初めから壊れた道を、 どうして選んだ?
ただの意地だけで、 どうしてあの男を選んだ?
もし貴女が既婚者じゃなければ、 影に怯えながら進んで来る必要など、 無かったじゃないか。
もし貴女に小さな彼がいなければ、 何の障害も無く、 俺の元に来られたじゃないか。
勘弁してくれ。
何の為に俺は、 神経を擦り減らして来たんだ。
貴女への恨み辛みが飛び出そうになるのを、 必死で飲み込んだ。
俺が選んだ選択肢だろう。
自分で自分の責任が取れない位なら、 初めから俺には、 貴女と向き合う資格など無かったんだ。 |
2003年03月27日(木)
---------- History
2001年03月27日(火) 俺は期待外れじゃなかったですか
< 今度話しても良いですか >
一度破壊した形を、 全く同じ物として修復する事は、 人類には不可能だろうか。
其処に在る歴史や、 其処に漂う感情が、 以前と同一であろう筈は無い。
一度破壊した形を、 全く同じ物として修復しようとする事自体が、 既に過ちなのかも知れない。
一度破綻した形を、 全く同じ物として修復する事は、 人類には不可能だろうか。
一度破綻した形を、 例え違う人と共に修復する作業でも、 苦痛だと想わないだろうか。
一度壊れた理想や、 一度壊れた想い。
俺らはその重みを理解して、 相手の持つ想いを理解して、 初めて対等に、 二人の歩む道を考える土俵に、 二人で上がれるんだ。
手を繋いで。
きっと奴の彼女は、 結婚に対する想いが大きくて、 其処から離れられないんだ。
一緒に居続けたいと結婚したいが、 以前までは同じだったけれど。
彼女は違う形を見てしまったから、 持っていた形を壊したんだ。
「未だ足りないんだよ。」 「足りないのか。」
彼女に充分届いていたとしても、 奴の想いは未だ足りない。
俺の想いは足りているだろうか。
貴女との道を話した事は、 そんなに無いよね。
---------- References
Jan.29 2003, 「何を言えれば良かったですか」 Mar.07 2003, 「不安を口にする権利が有るか」 |
2003年03月26日(水)
---------- History
< 何故後ろ向きの笑顔が見えるのか >
ほら。
貴女の満面の笑みが、 目に浮かぶ。 貴女のはしゃいだ姿が、 また脳裏に浮き出る。
貴女を喜ばせようと、 俺は一生懸命考えて行動出来る。
貴女にとびっきりの笑顔をしてもらおうと、 俺は一生懸命になれる。
そして貴女は応えて笑う。
素敵な事なのに。
何故だろうか。
大好きな人が嬉しそうに微笑んだ時。
瞳の奥に、 切なげな憂いが映し出されるのは。
貴女が嬉しそうに微笑んだ時。
瞳の奥に、 哀しげな憂いを見た気がするのは。
だから俺は、 貴女の笑顔がとびっきりの笑顔であって欲しいと、 そう願うのか。
貴女の笑顔がしわくちゃで、 何も映し出されない様な笑顔であって欲しいと。
そう願っているのかな。 |
2003年03月24日(月)
---------- History
2001年03月24日(土) この迷いは確信ですか
< 本物の春は暖かいでしょうか >
北国に春が近付いて来る毎に、 貴女の住処も、 俺の住処も、 小さな小さな息吹に囲まれる。
極寒の季節は意地悪で、 貴女との距離を更に遠避けるから。
雪や嵐の壁を高く高く積み上げて、 遠くの貴女を更に遠避けるから。
雪解けと賑やかな囀りは、 幸せの季節が近付いて来る合図。
「暖かくて寝ちゃった・・・」
受話器越しに、 貴女の寝惚けた声を聞いた時。
何だか隣に貴女が居る様で、 俺は貴女を腕の中に包んで居た気がして、 寝惚けて携帯電話を握ったんだ。
寝惚け眼を擦りながら、 貴女の寝惚けた声を聞いたんだ。
暖かな日差しを浴びて、 寄り添う様に眠る。
俺と貴女にも、 そんな時が来るのだろうか。
窓越しに見える、 あの一組の猫の様に。 |
2003年03月22日(土)
---------- History
< 矛盾を武器にして良いですか >
例えふと、 一年前を想い返したとしても。
過去を想い返した事と、 過去へ舞い戻る事は、 既に同義では無くなったんだ。
アイツを思い返す事が有っても、 アイツを想い返す事は決して無いんだ。
大丈夫。 人は都合の良い生き物だから。
声を聞いただけで、 貴女が不安を抱いた訳が、 理解出来る。
「ねぇ・・・」
声を聞いただけで、 貴女の問いたい内容が、 何故か理解出来る。
「想い出したの?」
きっと俺の奥底に、 あの男を恐れる気持ちが残って居るから。
きっとあの男の存在が、 俺の奥底で未だ燻って居るから。
だから瞬時に、 貴女の意図を察する事が出来るんだ。
矛盾。
俺の記憶は、 既にアイツを葬り去って置きながら。 貴女の記憶から、 あの男を跡形も無く追い出したいと欲しながら。
貴女の記憶に、 永遠に俺が住み続ける様に願う。
きっと大丈夫だ。
人の記憶なんて好い加減で、 都合の悪い事は忘れる機構を有する、 都合の良い生き物だから。 |
2003年03月20日(木)
---------- History
2002年03月20日(水) 意地だけで凝り固まっていませんか 2001年03月20日(火) 呼び方に拘るのは可笑しいか
< 一年前の傷は治りましたか >
丁度一年前、 貴女は何をしていましたか。
旦那と言う同居人を斬り捨てる行為と、 小さな彼に対する母性愛と、 貴女を取り巻く環境と、 そして俺への想いと。
丁度一年前、 俺は何をしていただろうか。
アイツと言う彼女を斬り捨てる行為と、 アイツに湧く情と、 俺を取り巻く環境と、 そして貴女への想いと。
丁度一年前。
「戻りますか?」 「元の関係に戻りますか?」
貴女が別れの言葉を口にした事を、 未だ覚えているのだろうか。
お互いが深い傷を負い、 必ず誰かを傷付ける事が宿命であった関係には、 違いなかったけれど。
俺は貴女に怒りの刃を向けた。
事の大きさを感じて、 どんなに酷い不安に陥っても。
一線を越えた以上、 決して逃げてはならないんだ。
自分達で踏み出した以上、 言葉や想いに責任を持たなければならないんだ。
ただの弱気で、 単なる不安で、 想ってもいない言葉を口にする事は、 最大の罪なのだ。
きっと俺は、 貴女と繋がっていたいと言う欲望の為に、 理由を創って主張したんだ。
貴女を勇気付ける為でも無く、 貴女を励ます為でも無く、 己の欲望を満たす為の虚言だった。
願わくば。
この一年と言う期間が、 俺の罪で傷付いた人の癒しとなっていますよう。
この一年と言う月日が、 深い爪痕を修復し得る癒しの時になっていますよう。
そう願った俺は、 この一年と言う時で何も変われていない。
そう願った俺は、 未だに偽善者で勝手極まりない。 |
2003年03月19日(水)
---------- History
2001年03月19日(月) 限界を感じてるのか
< 仕掛けに気付きませんでしたか >
大はしゃぎで居る貴女を感じると、 喜びより先に、 やはり不安が頭を擡げる。
素直過ぎる行動に、 単純過ぎる反応に、 不安感が頭を擡げて来る。
未だ俺には知らない事が多いから。
貴女は何が好きか、 貴女は何を好むのか、 網を張ったのに。
未だ俺には知らない事が多いから。
お返しの伏線として、 ちゃんと網を張ったつもりなのに。
鍵に気付きもせず貴女は通り過ぎ、 そして目の前に現れた贈り物に無邪気に喜ぶ。
「毎朝俺を想い出すように。」
カードに記した文字の通りに。
きっと貴女は、 毎朝俺を想ってくれるだろう。
毎朝贈り物を視界に入れ、 その度に俺を想ってくれるだろう。
大はしゃぎで居る貴女を感じると、 嬉しさよりも、 少し残念な気持ちが頭を覆う。
予想通りの反応など要らない。
貴女の突拍子も無い反応が、 俺は見たいんだ。
それで良いんだ。
自然に素直に。 それで良いんだ。
きっと俺が欲張り過ぎなんだね。 |
2003年03月17日(月)
---------- History
2001年03月17日(土) この感情は血迷いですか
< 嫉妬したのは誰の仕業ですか >
愛しい相手を嫉妬で狂わせたいと、 そう願う事がある。
相手を嫉妬させる事で、 自分への想いを確かめる為に。
相手の嫉妬の程度で、 自分への想いを推し量る為に。
想いを確認して、 刹那の安心感を得たいと願う時がある。
後に必ず、 「後悔」と言う言葉が身に凍みる事を、 例え理解していたとしても。
純白の記念日。
「お返しいっぱいもらっちゃった♪」 「倍返しかな♪」
嬉しそうな貴女の言葉に、 俺は子供の様にそっぽを向いて、 嫉妬心を露にした。
貴女の狙い通り。
皆に配り歩いた義理の菓子と、 自分がもらった愛の証。
皆から届いた義理のお返しと、 貴女の手元には、 未だ届いていないであろう俺のお返し。
比較の対象にすらならない事を、 並べて比べて、 俺はますます嫉妬で気を狂わせる。
「ごめん・・・」 「ヤキモチなんか妬かせなければ良かった・・・」
貴女の口から零れ出た、 後悔の弁。
どうして後悔なんてする?
貴女の思い通りに、 俺は嫉妬しているじゃない。
貴女を独り占めしたくて、 それが叶わなくて、 子供の様に地団駄を踏んでいるじゃない。
メールなんてしない、 電話も早く切れなどと、 貴女に八つ当たりしているじゃない。
俺がヤキモチ妬きである事を、 貴女は良く知っている。
小さな彼が母に甘えるその仕草にすら、 俺は嫉妬して来た事を、 既に忘れたなんて言わせないからな。 |
2003年03月15日(土)
---------- History
2002年03月15日(金) あの選択は正解ですか
< 無理矢理電話を切れますか >
五分だけ。 たった五分だけで良いのに。
愛しい人への電話を、 躊躇した。
貴女への電話を、 躊躇った。
貴女の声は、 俺にとって大切な栄養源だけれど。
貴女の声は、 俺にとって麻薬の様な物だから。
五分だけ。
栄養注射の時間は、 それだけで充分だけれど。
貴女の声は魅惑的で、 何時の間にか、 時間が経過している。
たった五分だけ。
そう願っても、 何度抗っても、 何時の間にか時が経っている。
五分で良いんだ。
それ以上の時間になると、 逆に栄養を吸い取られてしまうから。
そして今の俺は、 栄養を吸い取られると、 疲労困憊で動けなくなってしまうから。
貴女にとっても、 俺の声が大切な栄養源である事は、 理解しているけれど。
今日はメールで勘弁してよ。 五分で電話を切る自信が無いんだ。 |
2003年03月13日(木)
---------- History
2001年03月13日(火) まだ逢えないのか
< 千里眼ですか >
お互い良い時に、 お互い良い所だけ取り出す、 都合の良さ。
その居心地の良さを、 俺は肌で感じて理解している。
お互いを高め合う事も、 お互いの精神修養も、 相手への責任も、 全てを放棄すると言う前提の上に成立する関係。
心の隙間を埋める為、 時の隙間を埋める為、 体の隙間を埋める為。
その心地良さを、 俺は既に知っている。
だからと言って、 その場所に戻る気は全く無い。
逃げ込む事が、 脇見をする事が、 何ら生産性を持たない行為であるのも、 同時に知り得たから。
「ところで彼女元気?」
沈黙していたあの子が、 動き始めている。
最近のあの子は、 彼氏の姿をおくびにも出さない。
思い返せばあの子は、 会社の人間関係を俺に話して、 軽い救いを求めていた。
毎年彼岸近くに、 俺とあの子の物理的距離が縮まる。
何時の間にか創られている流れ。
よりによって俺が不安定な時に、 よりによってこんな手紙を寄越すなよ。
今度は何を見透かしたんだ。
---------- References (初めて御覧になる方の為に)
Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」 Dec.18 2001, 「どこまでが本音ですか」 Jan.31 2002, 「思い通りに動いてますか」 May.18 2002, 「俺を見ていたのですか」 |
2003年03月12日(水)
---------- History
2001年03月12日(月) 友達と会うのもだめですか
< 揺らぐのは自分の心が足りないからか >
繰り返される同じ行為。
「心配かけっぱなしでごめんなさい。」 「連絡しないで本当にごめんなさい。」
そう言った後の貴女。
きっと事細かに、 今の自分の状況を報告して来るんだろう。
何をしてます。 何処に行きました。 こんな状況です。
繰り返される同じ行為。
人は確かに、 何度も同じ過ちを繰り返す生き物だけれど。
人はきっと、 学習をする生き物でもあるから。
少しずつ少しずつ、 お互いを学習し合って、 少しずつ少しずつ、 前へ進んで行けば良い。
少しずつ少しずつ、 お互いを理解し合って、 少しずつ少しずつ、 距離を縮めて行けば良い。
時には衝突して、 時には許して。
なぁ。
俺達はちゃんと、 前に進んでいるのかな。
貴女はちゃんと、 俺の怒りの対象を理解したのかな。
「信じて欲しい。」
貴女の言葉が俺の心に響いた事は、 この胸の鼓動が、 この胸の鋭痛が、 確かに証明しているけれど。 |
2003年03月10日(月)
---------- History
2002年03月10日(日) 話を戻して良いのか 2001年03月10日(土) そんなことがあったのか
< 相手を想うとは何なのだろうか >
貴女がどうしていたのか、 そんな事を聞きたいのでは無い。
「気持ち悪い・・・」 「治ったらメールする。」
そう言い残して受話器を置いた貴女の報告を、 確かに心待ちにしていたのは事実だけれど。
貴女が元気なら何の問題も無い。
貴女は今俺どころじゃないから。
貴女の身内の病の方が、 俺の事より重要なのだから。
貴女の事が心配なのは事実だけれど、 俺が心配するしないは俺の勝手で本質では無い。
貴女が元気な事が、 貴女の身内が元気になる事が、 本来の問題なのだから。
俺の疑問符は、 貴女の報告が遅れたから産まれた物では、 断じて無い。
貴女は本当に、 俺の事を想っているのだろうか。
貴女は本当に、 俺の事を考えているのだろうか。
立て続けに届く着信。 震え続ける携帯電話。 鳴り続ける家の電話。
「話せる時間出来たら電話下さい。」
メールにはそう書きながらも、 矢継ぎ早の催促が届く。
貴女に其の時が在る様に、 俺にも其の時が在る。
身の回りの事で、 仕事の事で、 他の事に気の回らない時が在る。
貴女が心配するのは自由だけれど。
貴女が心配するしないは、 貴女の勝手で、 決して本質では無いんだよ。
少し休息を下さい。 心を休める時を下さい。
貴女の想いは「想い」では無くて、 一方的な気持ちの延長だと、 俺は思うんだ。 |
2003年03月09日(日)
---------- History
2001年03月09日(金) 相思相愛だったのか
< 不安を口にする権利が有るか >
結婚と言う形に拘るより、 二人の精神的繋がりを重視するべきだ。
結婚と言う形に拘るあまり、 二人の精神的作業に蓋をして、 二人の精神的作業を避けて通っても、 本当の繋がりは得られない。
極めて受け入れ易い考え方。 俺は正しいと思って来た。
ある例外を除いては。
「ずっと側に居て良いの?」
そう問われても、 解答する権利は問うた相手の方にのみ、 与えられている。
「ずっと側に居て良いの?」
そう問われても、 奴は解答権を有する事すら許されていないのだ。
二人の将来に、 二人の未来に、 幾ら彼女が不安を抱こうと。
奴の年齢に、 奴の若さに、 幾ら彼女が不安を抱こうと。
今も彼女には、 法で決められた相手が居る。
奴はどんなに逆らっても、 時間を戻す事が出来ないのだ。
配偶者と言う見えない敵。 法律と言う見えない敵。
別居している事なんて、 何の根拠にも、 何の力にもならないのだ。
「怖くて何もかも聞けないんだ。」
そう吐き捨てる奴の怖さが、 俺には良く理解出来てしまった。
幾ら精神的に距離を近付けたとしても、 婚姻関係と言う物理的な壁は、 何の変化も無く其処に聳え立ち続けるのだ。
「大人になるしか無いよ。」 「彼女に自分の成長を見せるしか無いよ。」
怖さを跳ね除けるには、 何かに縋って、 何かを信じて、 それに打ち込む事しか無い。
俺もまた、 その位しか答えを持ち合わせないけれど。
幾ら彼女が不安を抱こうと、 二人は対等で無い。
別離を選択していない彼女の方が、 結局立場は強いんだ。
何が不安だよ。 何様なんだよ。
---------- References
Nov.23 2002, 「脅威を感じているのか」 Jan.29 2003, 「何を言えれば良かったですか」 |
2003年03月07日(金)
---------- History
2001年03月07日(水) お帰りが言えますか
< 感謝をしても良いですか >
貴女に毒の矢を突き刺したのは、 他でも無く俺だ。
貴女に刃を向け抉ったのは、 他の誰でも無く、 俺自身なのだから。
僅かな空き時間を利用して、 貴女の声を聞いて、 疲労回復を図ろうなどと言う行為は、 虫が良過ぎたに違いない。
「何であの人の名前を・・・」
貴女の問い掛けは、 極当たり前の行為なのだ。
例え話し合ったとは言え、 一度切りの会話で、 事の収拾を図ろうなどと言う行為は、 虫が良過ぎたに違いない。
言葉に詰まった俺に対して、 無口になった俺に対して、 貴女は同じ言葉を言い続ける。
「何で黙るの?」 「何で黙るの?」 「何で黙るの?」
貴女の問いは正解。 俺の行為が不正解。
貴女の問いは当然。 俺の行為は不自然。
それをどんなに理解していようとも。
事実と想いと行為が噛み合わないのは、 紛れも無く貴女への甘えなのか。
もう話し合ったじゃない。 もう解決したじゃない。
何故疲れ切った今、 その話で俺を追い落とすの?
貴女は俺を支えてくれないの? 貴女は俺の状況を察してくれないの?
交錯する想いが、 開かぬ口をますます閉じる。
もう切らなければ。 もう行かなければ。
こうやって電話を切れなくなるんだったら、 五分だけ声を聞かせようなんて、 そんな想いはやっぱり捨てるべきだよな。
自分で考え、 自分で結論付けて。
自己中心的な想いが、 開かぬ口をますます閉じる。
「考える余裕もない時に言うことじゃない。」 「責めるような事言ってごめんなさい。」
貴女から届いた深夜の手紙。
何も言わなかったのに。 何も言えなかったのに。
貴女はちゃんと、 俺の想いを把握して理解していた。
感謝。
貴女はちゃんと成長しているのに、 俺はちっとも成長していないな。 |
2003年03月06日(木)
---------- History
2002年03月06日(水) 冷静に俺を見ていますか 2001年03月06日(火) 話せない事があるのですか
< 我慢もお遊びに変えませんか >
引き分けに持ち込むのが関の山であり、 分が悪いのは俺の方だ。
「俺だって欲しいんだよ。」
この言葉を既に口にしている俺には、 勝ちを主張する力など、 持ち得ないのだ。
貴女は笑いながら、 勝ちを主張する。
「我慢比べはどうなったの?」 「入って来たのは小坊主だからね!」
俺は苦笑しながら、 分けを主張する。
「俺は欲しいよなんて言って無いけれど?」
「ずるい・・・」
こんな時には、 攻撃は最大の防御なんだ。
自信たっぷりに振舞って、 貴女を不安に駆らせれば良いんだ。
「じゃぁしなくて良かったんだ。」
「なんでよ!」 「私だって欲しかったよ・・・」
「ねぇねぇ、今、何て言ったの?」
「ずるい・・・」
対等の立場にお互いを戻して、 俺と貴女の会話は、 今日は終わりを告げるのだ。
違うよね。
貴女の手紙に書かれた言葉は、 お互いにとって、 とても大切な事だから。
貴女の言う事は、 片時も忘れやしない。
こうして俺が、 貴女と戦っている時も。
もちろん俺が、 貴女を抱いている時も。
貴女の手紙に書かれた言葉は、 お互いにとって、 とても大切な事だから。
片時も忘れやしない。
「お互いがお互いを求め合ってるのに。」 「我慢比べはないよね・・・」 「勝った負けたじゃないもんね。」
貴女がこの言葉を俺に届ける前から、 貴女の気持ちは伝わってる。
貴女がこの言葉を俺に届けなくても、 貴女の気持ちは伝わってる。
だから今は、 二人の楽しく甘かった時間を想い出して、 二人で満喫しよう。 |
2003年03月05日(水)
---------- History
2001年03月05日(月) ちゃんと楽しんでいますか
< 想いは別に在るのですか >
浮付いた邪心を、 俺は未だ身体に宿しているのだろうか。
本気の想いを、 俺は未だ奥底に隠しているのだろうか。
出る筈の無い名前。
自身の心には、 存在する筈の無い名前。
心の底に蓋をして、 想いに目を背けて来た心算など、 皆無なのに。
何故だろう。
目の前に居る雌とは違う名を、 雄が口にする時。
其の理由は、 真の理由は。
いや、 理由より言い訳より。
貴女に突き刺したこの矢を、 どう始末したら良い?
貴女が負ったこの傷を、 俺はどうやって癒したら良いんだ?
あの人。
想いの一欠片も無く、 ただ憧れに似た幻想を一時抱いた、 其れだけの人。
貴女に触れながら、 どうして俺は、 あの人の名前を口にしたのだろう。 |
2003年03月03日(月)
---------- History
2001年03月03日(土) 同じ朝日が見えましたか
< これが神が与え賜う褒美ですか >
もう誰にも邪魔されない時間なのに、 もう簡単に作れる瞬間では無いのだろうか。
僅か二日で良い。
三月の内で、 僅か二日で良かった。
たった二日を捻り出すのに、 たった二日を貴女と過ごすのに、 此処まで大変な想いをしたのは初めてだ。
貴重な時間。 今迄で最上に貴重な時間。
「べそ子は禁止な。」
制約ばかりで済まないけれど。 約束ばかりで悪いけれど。
今回だけは、 笑顔で再会しようよ。
もう切ない恋愛では無いんだから、 笑顔で再会しようよ。
そう貴女に伝えたばかり。
たまたま起きたシステム異常が、 たまたま今日起きただけだ。
怒りを覚えても何も解決しない。
今はただ貴女を想う事が、 積極的で前進的な思考である事も理解している。
「本日は使用いたします機の到着が遅れており・・・」
何故今日だ。
貴重な二日を捻出出来た俺に、 神は褒美を用意しないのか。 |
2003年03月01日(土)
---------- History
2002年03月01日(金) 今日がそんなに守りたい日ですか 2001年03月01日(木) 日記はおのこもするものですか
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