其の地、 其の地、 其れ其れに。
彩や、 謂われや、 想いが、 在るのだから。
其の、 一つ一つの華には。
明確な差異が、 在る筈なのだけれど。
飽く迄。
華は、 一つしか無くて。
唯、 想い入れの深い、 其の華が。
眼前に、 在り続けるのかも知れない。
ずっと。
眼前の華に、 視線を預けながら。
「やっと一緒に花火を観られたね。」
「非道いよね。」
「俺?」
「別の人と観るんだもん。」
「彼氏居たじゃん。」
「彼女居たじゃん。」
「音信不通にして。」 「何時の間にか千葉に居なかったの誰だよ。」
「彼女居たのに。」 「別の子と観に来たんでしょ?」
「良く覚えてるよなぁ・・・。」
何故か、 数年前の別の華へと、 意識を注ぐ。
傍の、 温感を感知しながら、 眼に焼き付ける。
初めての華は。
結局は。
嘗ての、 暫く途絶えた互いの糸を、 結わえ直した。
其の、 切っ掛けの華に。
掻き消されて了うのかな。
---------- References Aug.02 2008, 「想いは華を化かすでしょうか」 Apr.29 2013, 「もう一度逢える道中でしょうか」 Mar.02 2013, 「次は無い湯煙でしょうか」
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