家。 園。
ずっと、 ずっと、 一つの集合体で在り続けた、 其の何れもが。
自身と周囲の境界に在る、 差異を感知し。
其の差異に対する理解が、 育ち在る事で。
本当は、 一つでは無い事に気付く。
其の時。
本来の喜びよりも先に、 哀しみが、 誘発される物なのだろうか。
其れとも。
其れも、 様々な応答が存在して、 個性に内包される物なのだろうか。
「おんなのこのおまつり?」
雛飾りを飾り付ける、 其の手を留めて。
娘は、 哀しそうな瞳を向ける。
「大丈夫。」 「パパには男の子のお祭りが在るからね。」
そう応じながら。
端午の節句の頃迄には。
或いは、 子供の祭りを理解するのだろうかと、 想いを馳せた。
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