飽きを打ち消す為の、 術だろうか。
日々の慣れに、 僅かでも変化をもたらす様な、 工夫だろうか。
其れとも。
額面通り。
自身の利益無しには、 事が運ばぬのか。
形だけの。
いや、 中身だけの贈物が。
眼前に、 散蒔かれた。
「はいこれ。」
「有難う。」
「箱はちょうだいね。」
「箱?」
「そう。」 「中身はあげるから。」
「中身だけ?」
「文句ある?」
自身の為の毒味役に、 仕立てられた訳でも無く。
安価と言う価値観に、 支配された選択肢でも無く。
無論。
想いを秘めた、 聖なる甘味で在る訳でも無く。
姫からは。
剥き出しの甘味が、 贈られた。
---------- References Feb.14 2008, 「高価な物では無いのでしょうか」 Feb.13 2007, 「値段の分からぬ雄でしょうか」 Feb.14 2006, 「味覚が狂っただけでしょうか」
|