蟻の一穴は。
大河を支える大きな堤を、 簡単に、 突き崩すのだと。
何れ程の想いを、 其処に、 積み重ねて来ようとも。
一つの疵が、 只一つの失策が、 全てを、 壊して終うのだと。
俺に、 言い続けて来たのだから。
立場を入れ替えた、 其の刻に、 同じ想いを抱く事は。
飽く迄、 必然なのだ。
俺を想う、 数々の行動が。
僅か一つの行動で、 吹き飛んだとしても。
其れは嘗て、 俺に、 姫自らが口にして来た事を。
其の儘、 姫自身へ向かわせる事に、 他ならない。
「何で怒鳴られなきゃいけないの?」 「私の気持ちは通じてないの?」
姫は、 必死に泣き叫ぶけれど。
例え、 其の想いが届いて居ても。
俺は、 怒鳴って悪かったなどと、 言わないよ。
其れが同時に、 姫の正しさを証明する事。
分からない?
---------- References Mar.02 2005, 「想いの前に常識は無いのですか」 Mar.01 2005, 「祝うのが当たり前でしょうか」 |