春を待ち侘びる、 花の、 蕾の様に。
一つの、 区切りの瞬間を、 迎える迄。
じっと、 堪え忍んで来たから。
まるで、 弾け飛ぶ様な、 勢いを。
其処に、 宿して居たのだろうか。
ずっと、 籠の中に押し込められた、 小鳥でさえ。
眼前で、 開かれた扉へ注がれる、 外気を。
慎重に、 確かめながら。
そっと、 一歩を踏み出すのに。
未だ。
完全には、 元に戻らぬ身に。
無理矢理。
短めで、 引き締まった服を、 重ねて。
「早く行こうよ!」
「ちょっときついかなぁ・・・。」
「準備まだ?」
「お腹きつい・・・。」
燥ぎ、 大騒ぎをする、 姫へ。
娘は。
呆れた様に首を傾げ、 寝た振りをする。
飽く迄。
今日は、 一ヶ月検診で。
主人公は、 姫では無いのに。
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