雲間の朝日に想うこと


< 想いは別に在るのですか >


浮付いた邪心を、
俺は未だ身体に宿しているのだろうか。

本気の想いを、
俺は未だ奥底に隠しているのだろうか。





出る筈の無い名前。

自身の心には、
存在する筈の無い名前。


心の底に蓋をして、
想いに目を背けて来た心算など、
皆無なのに。














何故だろう。


目の前に居る雌とは違う名を、
雄が口にする時。

其の理由は、
真の理由は。


いや、
理由より言い訳より。





貴女に突き刺したこの矢を、
どう始末したら良い?

貴女が負ったこの傷を、
俺はどうやって癒したら良いんだ?
























あの人。


想いの一欠片も無く、
ただ憧れに似た幻想を一時抱いた、
其れだけの人。










貴女に触れながら、
どうして俺は、
あの人の名前を口にしたのだろう。


2003年03月03日(月)


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