経験の無い感性に、 突然、 触れて了った時。
半ば強制的な覚醒は、 其の感性に、 如何なる附箋を貼り付けるのだろう。
弁別も、 吸収もされずに。
圧倒的な質量を保った儘、 内側へ、 流れ込む感性は。
何を誘導するのだろう。
到底理解には至らぬ事柄に、 宿る神秘性だけは。
辛うじて、 感じ摂ったのだろうか。
気圧されて。
唯、 反芻を繰り返すだけが、 精一杯なのか。
其れとも、 仲間外れを嫌ったのか。
或いは。
自身にも出来る事だと訴える、 単なる、 競争心なのかも知れない。
此れ迄の歩みを。
一冊に、 綴りながら。
「此れが。」 「お腹の中に居る時の写真だよ。」
未だ人像には程遠い、 姫の、 胎内の画を。
娘に語ると。
「おなかのなかに。」 「ぱぱのこどもがいるんだよ。」
鱈腹喰らった昼食で、 腫れ上がったお腹を摩りながら。
娘は、 必死に主張した。
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