想いに、 馬鹿な物など無く。
想いに、 恥じる所など無い。
一つ、 一つ、 鏤められた想いは。
内実の伴わぬ、 紛い物では無くて。
全てが、 真摯たる意志で、 構成されて居るのに。
飽く迄。
其れ等は、 単体の想いに過ぎないから。
噛み逢う事の無い、 想いの。
個々の、 想いの深さが。
余計に。
自身を、 苦しめるのだろうか。
何故か。
「泣いちゃった。」
僅かな言葉の欠片を、 俺の前に零して。
応えを、 待って居るのだ。
自身の想い人を。
決して、 振り向く事の無かった、 自身の想い人を。
俺に、 重ね逢わせて。
「似てるんだ、小坊主。」 「怖いよ。」 「でも絶対に藪をつつかないぞっと。」
警戒心を、 露わにして居る筈なのに。 |