アイツは何故、 この日を選んだのだろう。
年賀の便りを何故、 この日に届けたのだろう。
偶然か。 思い過ごしか。
それとも意図的か。
「明けましておめでとう」
少なくともこの言葉で、 アイツの事を思い浮かべた。
少なくともアイツの言葉で、 俺は訳を探った。
アイツと最後に会ってから、 丁度一年。
俺がその事を認識した時に、 アイツの目的は、 充分達成されたのだろうか。
何の躊躇も無く、 年始の挨拶を返信した。
何の躊躇も無く、 振り切った事を自覚出来た。
「おめでとう」 「忙しいながらも楽しく過ごせています」
元彼女としてアイツを扱い続ける事。 もう過去だと書き続ける事。
拒絶ではなく、 これが正解だと信じていたい。 |