好と、 悪と。
其の、 一方のみを内に抱く事は、 稀だから。
大抵は、 両者を天秤に諮るのだけれど。
好奇と、 逃避と。
天秤は、 其の何方に重きを置くのだろうか。
本当は。
例え一時でも、 居たく無い場所なのかも知れない。
飽く迄、 此処は過去の残骸なのだ。
久々の、 息子の家。
久々の、 黒猫。
望んで居た筈の、 再会から。
一瞬で逃げるかの様に。
「さ。」 「帰ろ?」
姫は、 帰り支度を始める。
そうね。
此処に、 住んでは居なくとも。
此処は、 元旦那の家なんだよね。
---------- References Jan.03 2008, 「想いの入口が開いて居ますか」 Aug.15 2006, 「針が進んだ証拠でしょうか」
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