神木に手斧を打ち込む、 其の姿を、 ぼんやりと眺めながら。
事の顛末を、 少しずつ口にする。
「一昨年だっけ?」 「そうだったな・・・。」
幼い頃から馴染み深い、 此の街に。
如何に断ち切るかのみを考えて、 アイツと共に来た時から、 二年。
立場を入れ替えて、 結局想いは、 自身に戻り来たのか。
自身の活力を取り戻す為に。
只、 相槌で調子を合わせる、 他人を求め。
想いを言葉として、 次々と外へ取り出し、 削除し、 挿入し、 並べ替え、 整理し。
他人の口を借りて、 再び取り込む。
其の一方で。
只、 他人を遠ざけたいと言う、 想いも真。
反動の大きさも、 理解の範疇。
如何に足掻こうと、 其れは必ず、 付いて回る症状。
そう想っても。
「本当は。」 「会うの止めようと思ってたんだよ。」 「帰ったあと寂しいんだよ。」
出掛けに、 君が口にした言葉が。
石段を登る度に、 一段一段、 増幅されて行く。
---------- References Jan.06 2002, 「今日は帰ってくれませんか」 Dec.31 2003, 「二度目は何を想って居ますか」 |