強く強く願いながら、 何れ程深く、 自身の奥底へ刻み込んで蔵おうと。
案外簡単に、 其の記憶が消え去り行く事も、 在るけれど。
強く強く、 消える事を希う記憶は。
決して、 消え去っては行かぬのだ。
其れ故に。
幼気な其の身体へ。
深く深く刻まれて了った、 此の、 忌まわしい疵は。
きっと、 永久に消える事が無い。
青空へ揚がった花火。
小正月の、 神事の合図の音へ。
「またみにいける?」 「けんかする?」
娘は、 不安そうに反応した。
幼心に刻まれた、 七夕の花火は。
大きな、 大きな、 哀しみを散らす。
---------- References Aug.05 2007, 「約束の華は離れ離れでしょうか」 Aug.06 2006, 「約束の華は待てば届くのですか」 Aug.05 2005, 「約束の華は揚がり続けますか」 Aug.06 2004, 「約束の華は違う色彩でしたか」
|