確かに、 其の存在は。
自身に多くの栄養を取り込んで、 成長すると同時に。
注がれる想いの大きさに、 呼応するかの様に、 育ち進むのかも知れないけれど。
もしかしたら。
互いの想いを削り取って、 食する事で。
自身の成長の、 糧にして居るのだろうか。
其れ故に。
互いの幸せが、 鎹に、 削られて行く事も。
許容されるのかも知れない。
其の、 見るからに健康的な姿が。
其の、 貪欲な食欲に由来するのだと、 十二分に理解しながら。
「あのね。」 「美味しそうに食べてたんだよ?!」
姫の悲鳴に、 思わず苦笑する。
一年の区切りに、 姫に、 贈った花束を。
さも旨そうに。
娘は、 跡形も無く、 毟って喰らって了った。
---------- References Dec.07 2006, 「埋もれて了う日でしょうか」
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