JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:シリア化学兵器で新証拠公表へ=米(時事通信 8月30日(金)23時52分配信) 米国務省は30日、ケリー国務長官が同日午後0時半(日本時間31日午前1時半)にシリア情勢に関して声明を出すと発表した。 ◆コメント:2003年のイラク戦争のときにもアメリカは証拠がある、と断言し、後で「あれはウソ」と言ったのです。 シリアが、化学兵器を保っていようがいまいが、それは米国が単独で軍事行動を起こす正当化事由になりません。 ◆国連憲章と日本国憲法は非常に似ていて、武力の行使は原則として違法です。 国連憲章を日本語に訳したサイトが幾つもあります。ご自分で検索して頂きたいですが、 国際連合憲章 こう書いてあります。 第1条 「目的」 そして、「原則」に対して「例外」は第7章「平和に対する脅威」なのですが、これも先制攻撃は許していません。 能動的に武力を使用するのは国連安全保障理事会が平和維持軍か多国籍軍の派遣を決めた時なのです。 受動的に防衛的に武力を行使して構わんと言うことは51条に書かれていますが、集団的自衛権はアメリカとラテンアメリカ諸国があとから 無理矢理、追加させたのです。 第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動 7章全部を逐条的に(1条ずつ)説明しませんが、国際社会の平和に対する脅威にはまず、経済制裁など、 「非軍事的措置」をとり、それでも国連の勧告に従わない場合は、国連の決議に基づいて多国籍軍なり平和維持軍を送ります。 その典型は1991年、イラクがクウェートに攻め込んだことに対して多国籍軍を派遣した「湾岸戦争」です。 国連の決議がなくても武力を用いて良いと定めているのが51条ですが、自衛権。国際法と国内法を一緒にしてはいけないのですが、 敢えて分かり易いように述べるならば、日本の刑法で正当防衛が「違法性阻却事由」になっているようなものです。 国連加盟国は全て国連憲章に従わなければなりません。 国連憲章を全部読んでも、「アメリカ合衆国は例外で、好きな時に好きなところで、好きなだけ武力を行使して良い」などと 書いてありません。他所の国が大量破壊兵器や化学兵器を保有している証拠をアメリカは、握っているそうですが、 それも武力行使を正当化しません。大量破壊兵器を持っている国を攻撃して良いというのなら、世界で一番核兵器やらなにやら 保有しているのはアメリカ合衆国自身なんですから、世界中の他の国々が、アメリカを袋だたきにしても構わないことになるはずです。 そして、アメリカは、平気でウソをつきます。イラク戦争のときにも、当時のパウエル国務長官が、 「アメリカはイラクが大量破壊兵器を保有している確証を得ている。」と言いましたが、 数ヶ月後、ラムズフェルド国防長官が「あれはウソだった」と言いました。私は激怒して記事を書いたのを覚えてます。 2003年07月11日(金)「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。 証拠があってもなくても、国連憲章に反して戦争を始めたこと自体、アメリカのアホのブッシュの暴挙ですが、 恥ずかしいことに、こんな簡単なことも分からず、無条件にアメリカの武力行使を世界で一番早く支持したのが小泉純一郎のバカです。 小泉がさらに開いた口が塞がらないのは、後に「大量破壊兵器の証拠はウソだった」ことが明らかになった後も 「あの時、アメリカを支持したのは正しかったと今でも思っている」と言い続けたことです。こういうバカを首相に選んでから、 日本はガタガタになりはじめたのです。日本人の殆どは、イラク戦争開戦のいきさつなど忘れていると思います。 しかし、イギリス議会がシリアへの武力行使を否決したのは、イラク戦争のときの「アメリカの嘘を」覚えていたことが一因だ、と報道にありました。 日本人は、今度こそ、もしアメリカが勝手に武力行使を宣言し、実行し、それを安倍首相が「支持し」たら、何も分かっていないし、 過去の経験から学んでいないバカであることを認識しなければなりません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2011年08月30日(火) 「菅氏は日本政治の犠牲者、首相退陣は能力の問題ではない―SP華字紙」←全部ではないけど同感です。
JIRO
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