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JIROの独断的日記
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2009年08月30日(日) 「政権交代」で全てがバラ色になる、と勘違いしている人はいませんよね。

◆「政権交代」自体に意味が有るのではない。

衆議院選挙の結果に関しては、皆さんよく御存知だろうから、特に記述しない。ご覧の通りである。


新聞もテレビもバカの一つ覚えのように「政権交代」が確実になったということばかりを強調している。

アメリカで、大統領がブッシュからオバマになってから、政策がガラリと変わったのを見ると、

確かに、政権交代が民主主義の健全な運営には必要なことかも知れない、と思うが、


政権交代自体は、実は国民にはどうでも良い。というか、国民が安心・安全に暮らせるような世の中であれば、

いずれの政党が政権を取ろうが、知ったことではないのである。

別の言い方をすれば、「政権交代=世の中が良くなる」ではない。


◆麻生政権の惨敗の大きな要因は景気後退だろうが、これは、誰が政権を取っても同じことだっただろう。

麻生内閣の支持率が、低迷を続けたのは、麻生首相自身問題も確かに有っただろう。

失言の多さとか、字が読めないとかは、些末なことで、要するに国家をどうしたいか、

という、思想・見識が全然分からなかったことが、麻生不信の原因だろう。

ただ、彼は如何にも運が悪かった。


麻生太郎氏が自民党総裁に選出されたのは、2008年9月22日。内閣総理大臣に就任したのは、2日後9月24日である。

麻生氏が自民党総裁に就任する、ちょうど一週間前、2008年9月15日、にアメリカで、リーマンブラザーズが破綻する、という、

超弩級の事件が起きた。

私は、「米証券大手リーマン、破産法適用申請へ」←三菱UFJか三井住友か、みずほが潰れたようなものです。超一大事です。ココログ)と書いた。

実際、その直後から世界金融が大パニックに陥り、各国中銀が、自国の銀行に公的資金を注入し、自己資本を増強し、

辛うじて、金融大恐慌を寸前で防いだが、非常に危険な状況であった。

今年、1月27日、白川日銀総裁の講演での白川総裁を借りるならば、

リーマン・ブラザーズの破綻以降、世界経済や金融市場の状況は急速に変化しました。

在、昨年第4四半期のGDPや鉱工業生産、輸出等の数字が発表されつつありますが、

崖から落ちるという比喩が正に当てはまるような急激な落ち込みが世界同時に生じました。

景気後退期に、その国の政権の支持率が上昇するということは、普通、無い。

ただの景気後退ではなく、誰も経験したことがないような、ものすごい勢いの景気後退が、世界同時に発生する、

文字通り100年に一度あるかないか、という経済・金融上の緊急事態が起きていた。

その意味で、麻生氏は、最悪のタイミングで首相になったのである。

ほぼ確実に私が言えるのは、この時期に、どの政党が政権を取ろうが、誰が総理大臣になろうが、

日本の景気後退は免れなかっただろう、ということである。


◆不況は続いており、それは民主党政権になってもすぐには解消されないであろう。

政府が月例で発表する、内閣府の月例経済報告や、日銀の金融経済月報を見ると、景気の悪化は

ひとまず峠を越えた、という意味のことが書かれているが、注意すべきは、

景気後退が、その峠を越えた可能性があるが、景気が好転しているのではない。

ということである。大新聞は皆御用新聞で、プラスイメージの書き方をする。

それは、「マイナス幅が縮小」「街角景気○○ヶ月連続で改善」という表現である。ウソではないが、

マイナス幅が縮小しても、まだマイナスなのである。街角景気が改善しているのは事実だが、26ヶ月連続ニュートラルを

下回っているのである。

崖から転がり落ちるスピードが遅くなっただけで、景気が底を打ったとは考えにくい。


◆例として、金曜日に発表された数字(雇用統計、消費者物価指数、個人消費)を見る。

一昨日、28日(金)の朝、重要な経済指標がいくつか発表された。

完全失業率と有効求人倍率(総務省と厚労省)。

◆記事:7月失業率、過去最悪の5.7%=求人倍率0.42倍で最低更新(8月28日9時0分配信 時事通信)

総務省が28日発表した労働力調査によると、7月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント悪化し、

過去最悪の5.7%となった。失業率の上昇は6カ月連続。

一方、厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率(同)は、前月を0.01ポイント下回る0.42倍で、

3カ月連続で過去最低を更新した。失業率はこれまで、「ITバブル」崩壊後の2002年6、8月、03年4月の5.5%が最も高かった。

今回の景気悪化局面で失業率は半年間に1.6ポイント上昇し、急激な悪化ぶりが際立つ。

来年にかけ一層上昇するとの見方が強く、6%台に乗る可能性もある。衆院選後の次期政権にとって雇用問題は最重要課題の一つになる。

続いて、消費者物価指数。
◆記事:消費者物価2.2%下落=マイナス幅、過去最大更新−7月(8月28日9時0分配信 時事通信)

総務省が28日発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が

前年同月比2.2%低下の100.1となった。マイナスは5カ月連続で、比較可能な1971年1月以降で下落幅は3カ月連続で最大を更新した

前年にガソリンなどの価格が急上昇した反動が出た。

マイナス幅が2%以上となるのは初めて。生鮮食品を含めた総合指数は2.2%、

エネルギーや食料を除いた指数も0.9%それぞれ下落しており、デフレ傾向が一層鮮明になってきた。

更に、個人消費。これは総務省の家計調査という項目で発表される。
◆記事:消費支出、3カ月ぶり減(8月28日11時1分配信 時事通信)

総務省が28日発表した7月の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は28万5078円となり、

価格変動の影響を除いた実質で前年同月比2.0%減少した。減少は3カ月ぶり。

エコポイント制度が寄与してテレビへの支出は2倍以上だったものの、

前年の猛暑効果の反動で夏物衣料が不振だったほか、ビールやアイスクリームなどを含む食料も減少した。

勤労者世帯の実収入は0.2%増の57万3821円と2カ月ぶりの実質増。定額給付金が収入を押し上げた。

新聞のの見出しには、
景気底打ちか?

のような文字が散見されるが、毎週、(多くは月次で)官公庁から発表される経済指標を見ていると、

全く、底打ち感が無い。特に消費者物価指数が5ヶ月連続で下がり、今回発表された7月の下落率(前年同月比)-2.2%は、

過去最大の下落率。物価が下がり続けると言うことは企業の儲けが減るということで、企業はそれを補填するために、

コストを削減しようとする。最も標的にされやすいのが人件費だから、人員削減が起きる。

だから、完全失業率は過去最悪の5.7%なのである。


さらに個人消費が若干戻り欠けていたのがまた、マイナスになった。

個人消費が増えない→モノ・サービスが売れない→需要・供給の法則で、物価が更に下がる→それらを売っている企業の収益が減る→

従業員を削減したり、給与を減らす。→個人消費が更に減る。→更に物価が下がる。

となると、デフレスパイラルに陥る。既にそうなりかけている。総需要を喚起するのに、

財政支出をして、需要を増やすと、国の赤字が増える。日銀の金利は既にゼロに近くこれ以上さげられないから、

金融政策で、景気を何とかするのも難しい。

悲観的なのではなく、これは客観的事実であり、政権が自公連立から民主党に移行しても、そのこと自体で、

景気が好転するわけではない。魔法は無いのである。マニフェストで民主党は色々景気対策に関して述べているが、

奏功するかどうかは、やってみないと分からない。

政局が変わったからといって、それによって必然的に経済が劇的に良くなるわけではない。

新しい政権が、何をするか、よく観察し続ける必要がある。

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2008年08月30日(土) サバリッシュ「管弦楽名曲集2」全曲アップロード。/レンタルサーバへアップロード、リンクに成功。
2007年08月30日(木) 森麻季さん リサイタル NHK・FM放送お知らせ/カール・ベーム=ウィーン・フィルDVDお薦め
2006年08月30日(水) 「『日本に戦費求めず』米、イラク戦争開戦3カ月前に通告」 ←カネを払わないで済むから「支持」したのか?
2005年08月30日(火) 郵政民営化の詭弁を検証する。(衆院選前解説シリーズ1)
2004年08月30日(月) 「小泉・竹中不良債権処理」のそもそもの発端は、2002年9月12日の小泉ブッシュ会談ですね。
2003年08月30日(土) 返事を書かないのであれば、「MAIL」を表示するべきではない。

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