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2013年03月08日(金) |
「実質GDP、3期ぶりプラス成長 10〜12月改定値 」←デフレの最中に「実質」を見ても仕方が無い。 |
◆記事:実質GDP、3期ぶりプラス成長 10〜12月改定値 (日経電子版)(2013/3/8 8:54)
内閣府が8日発表した2012年10〜12月期の国内総生産(GDP)改定値は、
物価変動の影響を除いた実質で前期比0.0%増だった。2月14日発表の速報値(0.1%減)から上方修正された。
年率換算では0.2%増(速報値は0.4%減)で、プラス成長は3四半期ぶり。
民間企業の設備投資や公共投資が速報段階を上回った。
生活実感に近い名目GDPは0.3%減(速報値は0.4%減)、年率では1.3%減(1.8%減)だった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期と比べマイナス0.7%(マイナス0.6%)だった。
◆コメント:実質GDPが前期比プラスなのに名目GDPがマイナスなのは、デフレが止まっていない、ということです。
何度も書きましたが、また書きます。
ごく大雑把にいうと、実質GDPは「量」で、名目GDPは「金額」です。
日経の記事は実質GDPばかり強調していますが、あまり意味がありません。
実質GDPが意味を持つのは、物価が上昇を続けるインフレ局面において、です。
例えばある会社が7月から9月の四半期(3ヶ月)に100個、製品を作ったとしましょう。
製品の価格が1万円だったら、売上げは100万円です。
今、仮に日本がインフレで、次の四半期(10-12月期)に同じ製品の値段が2万円になっていた。
すると会社の生産量が同じ100だったとしても、売上げは200万になります。
実際には経済活動(量)は拡大していないのに、物価が上がっているから売上げ(金額)は倍になる。
こういうときには、実際の経済活動が拡大しているかどうかを知るために名目GDPを物価上昇率で割るのです。
すると、実質GDPは全然成長していないことが分かった。そういう風に「実質」を使うのです。
今、日本は全体としてのものの値段(物価)が下がり続け、企業の業績が伸びないから困っている。
だから、実質GDPよりも名目を見るべきなのです。
すると、名目は前期比マイナスです。実質はプラス。
「量」は増えているのに「金額」はむしろ減っている。最悪の状況です。
今日発表されたのは、昨年の第4四半期(10-12月)の数字ですから、安倍首相の就任前ですから、
何だか流行り言葉になっている「アベノミクス」の効果うんぬんとは、関係ありません。
次のGDPから一年ぐらい、名目がどのように変化していくか。
そしてまいつき発表される、消費者物価指数や個人消費がどのように変化してゆくか、注視する必要があります。
本来、このような解説は、経済専門紙である日本経済新聞のみならず、マス・メディアが行うべきです。
分かっているクセに、「実質GDPが3四半期ぶりにプラスになっ」たといって、ヨイショしているようでは、
まるで「大本営発表」です。新聞の発表の上っ面だけを見て、喜んではいけません。
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