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2009年03月08日(日) |
【経済】「米失業率、8.1%に悪化=就業者数は65万1000人減」「英ロイズ、実質国有化」「邦銀 <証券化商品>損失額が微減」 |
◆記事1:米失業率、8.1%に悪化=就業者数は65万1000人減(3月6日22時49分配信 時事通信)
【ワシントン6日時事】米労働省が6日発表した2月の雇用統計によると、失業率は8.1%と前月から0.5ポイント悪化し、1
983年12月以来、25年2カ月ぶりの高水準に達した。非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比65万1000人減少。
14カ月連続のマイナスを記録した。
就業者数は2008年12月、09年1月分が大幅に下方修正され、12月は68万1000人減と、減少幅は1949年10月以来最高。
2月は、ほぼすべての主要産業で雇用は落ち込んだ。景気後退が始まった2007年12月以降の雇用減少は
14カ月間の累計で過去最大の440万人となり、このうち半分以上が過去4カ月で発生した。
◆コメント:ちょっと気味が悪くなるぐらいの米景気後退速度
アメリカの雇用統計は毎月第一金曜日の東部時間午前8時30分に発表されます。世界中が注目する指標です。
失業率と、非農業部門雇用者数(non-farm payrolls)が発表されますが、後者が特に注目されます。
農業部門の雇用者数は景気の良し悪しの影響を受けにくいけれども、それ以外はアメリカは景気が悪くなったり、
企業の業績が悪いとすぐにレイ・オフ(一時帰休)をやりますから、景気が尤も端的に反映されやすい訳です。
日経の米国指標(2)に時系列で非農業部門就業者数と、
前月比、それに失業率が載ってます。
非農業部門就業者数が前月比マイナスになり始めたのは、昨年に2月に発表された、昨年1月分の雇用統計から、です。
それからは、表を見るとわかりますが、非農業部門就業者数の前月比マイナスが段々大きくなり、3月発表の2月分から、
早くもマイナス幅が10万人を超えました。
そして10月発表の9月分でいきなり前月比マイナス30万人台に跳ね上がりました。2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻したことと
無関係ではない、と思います。
それいらい、加速度的に非農業部門就業者数は減り続け、12月発表の11月分ではついに50万人を超えて、背筋が寒くなる思いでした。
尤も、この頃には、当分(多分、何年、という単位でしょう)米国景気は回復せず、失業者が増え続けるだろうと言うことに
慣れてしまいました。今月はもしかすると、前月比マイナス100万人を超えるかも知れないなどと悪い噂を流す人がいましたが、
まだそこまではいかない。しかし、GMが潰れそうです。シティ・グループという世界最大だった銀行が政府の管理下に入りました。
世界で100万人を超える従業員を持つAIGという保険会社は政府支援を受けたのに、まだ、潰れる危険があります。
これらのいずれかが潰れたら、本当に米国の雇用統計はすごいことになり、非農業部門就業者数の減少がが前月比100万を超える可能性は、
十分にあります。
◆記事2:英ロイズ、実質国有化…住宅金融会社買収で財務悪化(3月7日22時55分配信 読売新聞)
経営難の英銀大手ロイズ・バンキンググループは7日、英政府保有の優先株が普通株に転換されると発表した。
政府の出資比率は65%に上昇し、実質国有化される。今後77%まで高まる可能性がある。
さらに、返済が滞っている貸し出しなど約2600億ポンド(約36兆円)の不良資産について、
将来生じる損失の一部を負担してくれるよう政府に申請した。
具体的には、ロイズは250億ポンド(約3兆4500億円)の損失までは自分で処理する。
それを上回る損失については9割を政府が肩代わりする。
実質国有化されたロイヤルバンク・オブ・スコットランドも、3250億ポンドの資産の損失肩代わりを申請し、受理されている。
ロイズは、経営危機に陥った住宅金融最大手HBOSを救済・買収したことで、財務内容が悪化していた。
◆コメント:イギリスもものすごくヤバいですね。
アメリカと同じように不動産価格が下落し続けているイギリスでは、銀行の不良債権が増え続けています。
既に、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が実質国有化されているのですが、
英国有数の大銀行ですから、それだけでもショックでしたけど、ロイズもイギリスで5番目ぐらいの大銀行ですから、
地方銀行見たいのならまだしも、日本で言ったらメガバンクに相当するような銀行が次々と国有化されざるを得ない、
という事実に戦慄を覚えます。イギリスの新聞を読むとこうときかならず、
「Taxpayer(納税者)が納めたカネが潰れそうな銀行の救済に使われるそうだ」
という書き方をする。それだけ、納税者の目が厳しいけれど、ロイズやRBSが潰れたら、そこに投資している世界中の投資家が、
大損失を被るし、世界の金融システムが混乱することは目に見えているので救済しないわけにはいかない。
イギリスなんて、本当に「自己責任」の国なんですけど、それでも論理、市場原理に任せておいたらどうしようもない、というのが、
今、世界中共通に起きていることなのです。
◆記事3:<証券化商品>損失額が微減 大手行中心に損失処理進み(3月6日20時54分配信 毎日新聞)
金融庁は6日、銀行や信用金庫など国内669の金融機関が計上した 昨年12月末時点の証券化商品にかかわる損失額(評価損も含む)が
9月末比微減の3兆2380億円だったと発表した。売却や減損処理による損失額は同比23.0%増の2兆1670億円。
大手行を中心に損失処理を進めたため。(注;色太文字は引用者による)
◆コメント:ちょっと分かり難いですね。損失処理したので、処理額は多かったけど、そのおかげで含み損は減った、ということです。
毎日新聞の記事を読むと、一瞬「???」となりませんか。
昨年12月末時点の証券化商品にかかわる損失額(評価損も含む)が9月末比微減・・・
と書いてあるのに、次のセンテンスでは、
売却や減損処理による損失額は同比23.0%増
と書いてあって、邦銀は損してるのか、損が減ったのか、どちらなの?という印象になります。
これは、含み損を抱えていたサブプライムローン関連商品などを、もう、どこまで下がるか分からないから、売ってしまおう、
ということで、実際にある程度売ってしまったわけです。そうすると、簿価(買ったときの価格)より、これらサブプライムローン関連商品は、
殆ど全て値下がりしていますから、その差額が実損として計上されるわけです。それが「売却や減損処理におる損失額が増えた」ということです。
しかし、その結果、「ケチのついた」サブプライムローン関連商品(を証券化したもの)の保有額は減ったので、評価損(買ったときの価格と今の価格(時価)の差)は
減っている、と、こういうことです。評価損はもうすぐ3月末で本決算ですから、決算書に「有価証券評価損」として計上しなければならないでしょうが、
少しでも決算前にそれを減らしたかったということで、3メガバンク中心に、処理したのでしょう。しかし、米国や英国に比べると、
売却損や評価損が出ても、メガバンクで資本注入が必要と思われるところはありませんから、相対的にマシです。
ただ、3月末の株価の終値で、保有株やその他有価証券の評価損が決まりますから、まだ、完全に安心は出来ない。
昨年、リーマン・ブラザーズ破綻以降の株価の急落を見ているといつ、また、大暴落が起きるか分かりませんから。
私の個人的な勘(根拠はないです。ただの勘です)では、邦銀は、とりあえず、今度の決算は大丈夫だと思いますが。
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