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2004年03月08日(月) |
「パソコン製造で1台の資源消費1・8トン 国連大学調査」地球温暖化は大変なことになっているのですよ。 |
◆記事:パソコン製造で1台の資源消費1・8トン 国連大学調査
パソコン1台の製造には燃料や水、化学物質が計約1・8トンも必要で、コンピューターの大量生産、大量廃棄は地球環境に重大な影響を及ぼすとの調査報告書を国連大学(本部・東京)の研究グループが7日発表した。
調査をしたエリック・ウィリアムズ研究員は「パソコン販売台数は各国で急増しており、政府や企業が長寿命のコンピューターの製造と普及に取り組まなければ、パソコンブームは地球温暖化や化学物質汚染を深刻化させる」と警告した。
グループは日米のコンピューターメーカーからの聞き取りや、企業が公表した資料、研究論文などを調べ、コンピューター関連製品の製造から廃棄までに使われる資源の量を計算した。
その結果、17インチのディスプレーを持つパソコン1台を製造するには、240キロの化石燃料と1500キロの水、22キロの化学物質が必要であることが明らかになった。(共同通信)[3月8日8時8分更新]
◆コメント:「地球温暖化を防ぐにはもはや手遅れであることを、諸々の兆候はしめしている。(国連環境計画、クラウス・トップファー博士、1999年9月15日)
と、いうわけで、PCがどんどん進化して、メーカーは一台でも多くのパ製品を売りたいし、新し物好きの消費者は次々に買い換えているわけだが、それが調査を行った国連大学も驚くほど、地球環境の悪化、とりわけ、地球温暖化を加速させているというのである。
地球温暖化に関しては何度も、この日記で触れたのだが、1999年に国連環境計画という組織が発表した「地球環境概況2000」は、死にたくなるほど、絶望的だ。「地球環境概況2000」は、いいかげんな週刊誌のセンセーショナリズムとは次元が違う。日本を含む100カ国以上から30研究機関、約850人の専門家が「概況」の取りまとめに参加しており、「これから人類が直面する環境問題についての最も権威ある報告書」と評価されているのだ。
◆国連環境計画「地球環境概況2000」のポイント
- 地上の淡水資源は、今後数十年間の需要増には対応できそうにない。
- 温室効果ガス排出増による地球温暖化の防止はおそらく手遅れだろう。
- 京都議定書の目標も達成が難しい。
- 熱帯林の破壊はすでに取り返しが付かない状態になっている。失われた森林の回復には多くの時間が必要で、森林とともに失われた文化は永久に回復できない。
- ほ乳類の1/4が絶滅の危機にあるなど、かつて地球上に存在した生物多様性を保つことは既に手遅れの状態。
- 2050年には20億人が極度の水不足に悩むことになり、世界の二酸化炭素の排出は2.4倍になる。有害物質の排出は地球全体では現在の3倍、途上国では5倍近くになると予測される。
- 天然漁業資源は乱獲の影響で、現在年間8800万トンで頭打ちだが、2050年の需要は1億7000万トンに達すると予測される。
- 目先の経済的な利益のためにしばしば無視されてきた環境問題を財政、貿易、農業、投資、研究開発などに関する意思決定の中心に置くことが重要。
というものである。これほど、絶望的な内容も珍しい。もちろん、予想である以上、このとおりにならない可能性はゼロではないけれども、実際に起きていることを見ると、「地球環境概況2000」が早くも、的中しつつあるようで、恐ろしい。
◆氷河が溶けて、未知の細菌やウィルスが撒き散らされる可能性がある。
北極、南極、グリーンランドの氷河は、今、この瞬間も、前例の無い速さで溶け続けている。米国地球物理学協会の概算によると、北極の氷床は40年前に比べて、40%薄くなっている。また、ロシアのヤクーツクにある永久凍土層研究所は、50年足らずのうちにシベリアの各都市は溶けた地面に沈んで壊滅するだろうと予測している。
グリーンランド、北極、南極の氷河が溶けることの恐ろしさは、他にもある。何百万年も氷に閉じ込められていた、まだ、現代の科学では知られていない細菌やウィルスが、海に溶け出すことである。私はSARSや鳥インフルエンザは、そのたぐいかと思ったが、鳥インフルエンザは、地球温暖化が問題になる前、1918年に世界中で流行して少なくとも4000万の生命を奪った(どちらにしても、恐ろしいが)ということなので、数十万年前のウィルスではないのかもしれない。
◆政治家はぜんぜん分かっていない。
温暖化は手遅れだと、これほど権威がある報告書が警告しているのに、各国首脳の取り組みはあまりにも、お粗末で、要するに、これは、政治家というのが、皆文科系であることと無縁ではないだろう。科学的思考の訓練を受けていないのである。
わが国で環境問題がまるで重要視されていないのは、環境相にはいつも初めて大臣を務める人間(今は、小池百合子)が任命されることからも分かる。「大臣練習用大臣」ぐらいにしか思われていないのだ。
地球温暖化の原因となる「温室効果ガス」の最たるものはCO2で、世界中で排出されるCO2の4割はアメリカから出ているのにも関わらず、馬鹿なブッシュは、温室効果ガスを各国が削減しようとして定めた京都議定書を無視しているし、ロシアのプーチンも国際会議の席上で地球温暖化について、「オーバーが要らなくなって、ちょうどいい」という恐るべき無知蒙昧(むちもうまい)ぶりを晒して、大恥をかいた。
いまの状況が放置されて、「地球環境概況2000」の予想が現実化するとしたら、我々や子供たちは、あとわずか数十年後に「水をくれー」と苦しみながら死んでゆくことになるのだ。恐ろしいことだが、自覚しなければならない。見て見ぬフリをするのが一番、良くない。
「地球環境概況2000」は、ここで読むことができる。
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