JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:S&P、米国債初の格下げ 赤字削減が不十分 (日経 2011/8/6付) 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が5日(現地時間)、 ◆コメント:一民間企業の主観的評価に世界経済が翻弄されるべきではない。 もう半年以上前なので、忘れている方が多いでしょうが、 「政府・日銀、国債格下げ契機に財政再建本腰が急務との声」←増税しやすくするための謀略ですか? 格付け会社というのは、ムーディーズとS&Pが最も「権威がある」ことに なっていて、何かというと、この2つの会社の格付け、または、格付け見通しの 変更に翻弄されますが、「格付け機関」という訳し方は良くないです。 「機関」という言葉には「権威」を想起させる語感がありますが、 要するに単なる民間会社です。 そしてその判断が、絶対中立、公正無私であるかというと、全然そんなことはありません。 国債の格付けはソブリン格付けといいますが、格付け屋は、民間企業が発行する債券(社債)にも ランク付けを行いますが、その評価対象から、手数料を受け取って評価を付けて収入にしている。 公平になるわけが無いのです。 今に至るまで世界経済低迷の原因となった、アメリカのサブプライムローンの破綻と、 それが原因となったリーマン・ショック、いずれにも格付け会社に大きな責任があります。 アメリカが不動産バブルで、土地に値段がうなぎのぼりだったころ、本来なら融資を受けられない 過去にローンを返済できなかったり、延滞したような世帯にまで、融資をしました。 2002年から2007年の間にアメリカの金融機関は3兆2000億ドルに及ぶサブプライム住宅ローンを 実行して、その「債権」をモーゲージ担保証券という紙の「債券」として売り出しました。 それは、S&Pとムーディーズの両方が、最高ランクの格付けを与えていたのです。 「この債権に投資すれば絶対安心」ということです。ところが、不動産価格が下がりはじめ、 多くのサブプライムローンが焦げ付き始め、あるとき、一番ひどいのになるとS&Pは、 「AAA」から一挙に18段階も格付けを下げたのですからたまりません。 世界中の投資家が債券価格の暴落で大損失を被りました。 リーマン・ブラザーズは、それが元で資金繰りに窮したのです。 このリーマンだって世界で四番目に大きな投資銀行だったのです。 S&Pは当然、「AAA」を付与していました。 本当は、リーマンの財務内容が悪化していることを知っていたはずなのに、破綻する ときまで、最上位「AAA」のままでした。ところが2008年9月15日にリーマン・ブラザーズは あっけないほど、アッというまに潰れてしまった。 リーマンの発行した債券や株が紙屑になり、世界中の投資家、特に銀行などが 巨大な評価損を計上することになりました。銀行は1つ潰れると、システミック・リスク と言って、ドミノ式に世界中に影響しますから、世界金融恐慌を避けるために、 世界各国の中央銀行が、公的資金を民間銀行に注入して、資本を増強しました。 ヨーロッパ各国や日本や、アメリカは、リーマン・ショック前から財政赤字でしたが、 リーマンショックで、巨額の資本注入を行ったことで、さらに状態が悪化したのです。 スタンダード&プアーズ(S&P)や、ムーディーズは、元はと言えば自分達のいい加減な格付けと、 その急激な変更が原因なのに、日本や、欧州各国や、アメリカの財政状態がよろしくない、 といって、格下げしているのですから、盗っ人猛々しいのです。 S&Pが米国債を格下げした理由に、 米政権と議会が合意した財政健全化計画が、政府の中期的な債務構造の安定に不十分と判断した とあります。その詳しい根拠は言わない。これは、数人のチームで会議を開いて適当に「判断し」ただけなのです。 極めて主観的で、根拠に乏しい。 とにかく私にはサブプライムローン債券にトリプルA(AAA)を付与していきなり、 18段階も引き下げるという(要するに前の格付けが間違っていたのです)ような無茶苦茶な ことをする会社。自分達は何も作らず、何の付加価値を生み出すわけでもなく、 ただ、世界中の国債や社債に格付けして高収入を得ているような会社の活動は制限するべきだ、 と思います。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2010年08月08日(日) 「1面に原爆忌慰霊の灯籠流し=米紙」←ワシントンポストですが、絶対謝らないのが外人です。
JIRO
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