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JIROの独断的日記
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2011年05月25日(水) <年金記録漏れ>全件照合、断念へ…厚労省検討←こういう時、「どうせ駄目だろうと思った」と言ってはいけません。

◆記事:<年金記録漏れ>全件照合、断念へ…厚労省検討(毎日新聞 5月26日(木)2時34分配信)

厚生労働省は25日、年金記録漏れ問題をめぐり、

コンピューター上の記録と7億2000万件の紙台帳の全件照合を断念する方向で検討に入った。

費用対効果を踏まえた判断で、65歳以上の厚生年金受給者分のみ照合を続ける意向を民主党側に伝えた。

しかし、全件照合は同党マニフェスト(政権公約)の柱で、党内から反発も出ており、調整が難航する可能性もある。

日本年金機構は昨年10月、持ち主が判明している6億件(約8700万人分)の紙台帳から照合を始め、

今年3月末で約220万人分の作業を終えた。11年度予算は736億円。

13年度までに全件を終える目標だが、総額で3000億円程度かかるとされる。

しかし、同機構の抽出調査によると、65歳未満や国民年金のみの加入者の場合、

照合して記録訂正をしても、死亡までの平均の年金増加額が500〜3000円にとどまり、

1人分の照合費用約3400円を下回った。

一方、65歳以上の厚生年金受給者は、平均で生涯2万2000〜7万円増加する。

このため、厚労省は65歳以上の厚生年金受給者分(2000万人)に限り、照合を続ける意向だ。


◆コメント:安倍晋三が2007年5月30日、「1年で全件照合する」と言ったのです。

この話は地震があろうがなかろうが、いずれ言い出すだろうと思ってました。

話が逸れますが、現在の福島原発の問題でも初期対応が遅れたのは誰の責任か、と

野党が与党を追及し、ネット上においても一般人もそれに乗じています。

無論、そういう歴史的検証はいずれ必要でしょうが、今はそれどころじゃないでしょう。

原子炉1号機の核燃料は、圧力容器も格納容器も突き破り、原子炉建屋の床に「あんパン状」に

なって、そこに水が少しある状態なのでは無いかと「言われている」けれども目視できてません。

つまり、核燃料が大気に直接触れている可能性もある。これにどのように対処するのかを

まず考えるべきで、「こうなったのはだれの所為だ?」を「今」話しても、放射能は消えない。

その意味では無駄な議論で、原発事故を政争の具としている。


話を元に戻すと、年金台帳の記録・保管が問題外なほど滅茶苦茶だ、と指摘したのは当時野党だった

民主党の長妻昭衆議院議員でした。


私の2007年12月11日の日記に書きましたが、

2007年5月30日、当時の安倍内閣総理大臣と野党・民主党、小沢一郎代表との

党首討論で、安倍晋三内閣総理大臣(当時)は、

宙に浮いた年金記録5000万件(JIRO注:これが、名義不明の全てではないのだが)を1年で照合する。

といいました。その年の9月安倍首相は辞任し、福田首相となり、翌2008年5月、

「照合が困難で、まだ、終了していない。」と言い、福田首相も1年で首相を辞め、

麻生首相となったのが、ちょうどリーマン・ショックが起きた頃、2008年9月でした。

2009年5月になってもやはり、「まだ、終わっていない」といいました。


この年、2009年8月30日の衆議院選挙で民主党が政権を獲ったのです。

今までは与党で、文句を言っていれば良かったけれども、与党になってしまったので

年金照合作業は民主党政権の仕事になりました。


だから、元来は自民党時代の監督不行届で、旧社会保険庁がデタラメな事務処理を何十年も続けて、

何が何だか訳が分からない状態になってしまったのですが、それは、原発問題と同じく、

問題の「本質」ではない。

問題は、日本国政府が(どの政党であろうが国民にとっては知ったこっちゃないのです)、

国民から、税金を徴収するのは絶対に漏らさない癖に、預かる方の年金はドンブリ勘定だったということです。

問題発覚後、民間の感覚ならば、社会保険庁は年中無休、不眠不休で照合作業を続けるべきですが、

どうせ、チンタラ、45分働いては15分休憩をとり、大量のパートを雇い、毎日夕方5時には帰っていたのでしょう。

そして、ずるずると照合に時間をかけ、やがて国民が、
もう、いいや。どうせ、駄目だろうと思っていた。

というのを厚労省も政府も期待していたことでしょう。

私は、きっとこの「断念」を言い出すだろうと危惧していましたが、地震騒ぎで国民は年金騒ぎを

全くではないでしょうが、「過去のこと」としてわすれつつあります。それが日本人の悪い癖です。

そして、「どうせ・・・」という妙に大人しい所も日本人の悪いところです。

今年は電力が足りないから、エアコンを使わずに扇風機にしてくれ、というと、

素直に従い、今年の扇風機の売上げは、例年の何倍だとかいっているでしょ?


国家権力からみれば、これほど御しやすい国民はないのです。


だから、年金照合断念に対しては、全国民が首相官邸でも厚労省でも民主党本部でもいいですから、

「絶対に断念するな」と猛烈に抗議しなければいけません。暴力は無論いけませんが、

言論で冷静に抗議するのは、納税者として、また年金受給権者として当然の権利です。


今一度繰り返します。

絶対に、「どうせ、こうなるだろうと思っていた」と言ってはいけません。

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