JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:新卒採用、TOEICは730点以上…武田薬品(読売新聞 1月23日(日)3時5分配信) 製薬国内最大手の武田薬品工業が、2013年4月入社の新卒採用から、 ◆コメント:「滑稽」の一語に尽きる。 最近、この手のニュースをよく読む。 社内の公用語を12年中に英語に完全に切り替えると発表した。 のである。 私は、その決定を「下らん」、と書いた。 2010年07月02日(金) 「楽天 英語を12年中に社内公用語化」←アホか?(ココログ) 今も、その考えは、全く変わらない。 日本の大企業は、何十年も前から世界各国に進出している。 しかし、どの会社にも 「我が社は国際的に取引を行っているから、社員全員が高度な英語な運用能力を持つべきだ」 と、考えたアホな経営者はいなかった。 いくら、取引先が英語圏にいると言っても、その業務に会社全体が携わるわけではない。 また、英語が通じない国との取引の為に、商社やメーカー、石油会社、金融機関などは、 それぞれ、各国語を専攻した学生を採用したり、或いは社員で見込みのありそうな者、又は 希望する者に対して語学留学させたりして、必要な人材を確保してきた。それで十分である。 日本の会社が日本国内で、国内業務に関して日本人社員同士が英語で会議するなど、 「滑稽」(はっきり書くなら、「バカ」)の一語に尽きる。全く必然性が認められない。 仮に実行に移したところで、大抵は文法が間違っているが、日本人同士だから「デタラメ英語」 いや、「英語もどき」で話しても、通じてしまい、本気で英語力を向上させようとしたときには かえって障害になる。 ◆TOEIC至上主義のバカらしさ。 日本ではTOEIC何点が、最早、学生や社会人の「ステータス」になりつつ 2010年04月06日(火) 「読書日和:注目です「毎日15分」を続ける」(毎日新聞夕刊)←NHKラジオ「英会話」の正しい使い方。(ココログ) に書いた。 TOEICの満点は(私が知っている限り)990点である。 この為、帰国子女でもなく、国内だけの勉強で900点以上獲った者は たとえ、顔に出さなくても得意の絶頂となり、中には「英語を征服した」かの如き 錯覚に陥る者がいる。 TOIECで高得点を獲った人は確かに努力しただろうが、 「TOEIC=英語の全て」では、絶対に、ない。 更に、人事部やマスコミは、語学を良く理解していない。 冒頭に転載した記事の中に、 730点以上は「通常会話は完全に理解できる」水準とされ という記述がある。 日本では語学力の程度を表すときに、 「あいさつ程度」<「日常会話可」<「商談可」 というスケール(ものさし)を用いるが、「目盛り」自体が間違っている。 日常会話、雑談を外国語で行うほど難しいことはないのである。商談は、何の話をするか 分かっているし、お互いが業務に通じている場合、専門用語の意味は固定されており、 誤解が生じる余地はなく、むしろ、外国語で会話が「易しい」状況である。 一方、日常会話は、何が話題になるか全く予想が付かない。 TOEICで900点を取った人。そのまま成田からヒースロー行きの飛行機に乗り、 ヒースローからロンドン市内に向かい、どこでもよいから「パブ」という 英国人同士がビールを飲みながら、談笑する場所で、英国人同士の会話を聞いてごらんなさい。 多分、一言も何を言っているのか分からないだろう。 TOEICの試験会場のような静かなところで、 テープから流れてくる、アナウンサーのような明瞭は発音を聴き取れることと 実際のネイティブが、普通に話す英語を理解するのは、また、別の次元の話だ。 それは覚えておいた方がいい。 ◆何よりも人には「天分」というものがあるだろう。 新卒採用基準に、英語のテストの点数を含めることが如何に馬鹿げているか。 「日本人は中学1年で英語を習い始めて、大学卒業まで13年かけても、満足に挨拶すら出来ない」 と言われている。 しかし、話したり書いたりすることは、訓練を重ねればさほど難しいことではない。 何故なら、あまりにも当然だが、「話す」「書く」は 「自分が知っていること、理解していること」に内容が限定されるからだ。 知らないこと、つまり、日本語でも話せないことは英語でも話せない。 一方、「読む」「聞く」は、自分の知らない事を理解しなければならない。 インターネットでは情報の80パーセントは英語によるものだという。 読む能力が不足しているが為に、日本人は日本の新聞が「国際面」で 記事にすることしか、分からない。これでは、ダメだ。 ◆結論 企業の全員が「高度な英語力」を身につける必要は毛頭ない。
2010年01月23日(土) 「今週発表された経済指標・出来事」/「小沢会見」
JIRO
|HomePage
|