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JIROの独断的日記
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2007年01月23日(火) 「ホワイトカラー・エグゼンプション 国民の理解得られていない」「共謀罪成立指示」→「トーンダウン」安倍首相大丈夫?

◆記事1:ホワイトカラー・エグゼンプション:安倍首相、法案提出断念(毎日新聞 1.17)

安倍晋三首相は16日、残業の概念をなくす「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度を導入する労働基準法改正案について

「働く人たち、国民の理解が不可欠だ。今の段階では理解を得られていない」と述べ、

25日召集の通常国会への提出を断念することを明らかにした。首相官邸で記者団に語った。

首相は11日には記者団に「私の内閣では、仕事と生活のバランスを見直していこうと考えていく」

と話し、提出を目指す考えを示していた。

しかし、同法案をめぐっては「残業代がなくなる」など、労働側から批判が噴出し、

民主党は導入に徹底抗戦する構えを見せている。与党内でも慎重論が強まり、提出見送りで最終調整していた。


◆記事2:首相、共謀罪成立を指示(産経新聞 1月20日8時1分)

安倍晋三首相は19日、長勢甚遠法相と外務省の谷内正太郎事務次官と会談し、

テロ対策のための「共謀罪」の創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案について、

「日本が組織犯罪に対応する役割を果たす上で大事だ。早期に(国際組織犯罪防止条約を)批准する必要がある」として、

与野党と相談の上で、25日召集の通常国会で成立を図るよう指示した。

改正案は人権侵害を誘発するおそれがあるなどという野党の反発で法案提出を3回繰り返したが成立していないことや、

参院選への影響を懸念して、与党が通常国会での取り扱いを慎重に見極めている段階。

このため、首相が成立を指示したという情報は与党側で波紋を呼び、

慌てた公明党幹部が首相の真意を問い合わせ、成立に向けた動きを弱めようと図る動きもあった。

また、この法案をめぐっては昨年の通常国会の会期末には、与党側が民主党案を「丸のみ」することで成立を模索したが、

民主党が一転して採決を拒否したこともある。

参院選を前に、対決姿勢を強める野党と修正協議などで合意できるかどうかは不透明なままだ。


◆記事3:共謀罪法案、首相トーンダウン=通常国会成立にこだわらず(1月22日21時1分配信 時事通信)

安倍晋三首相は22日夜、共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案について、

最優先課題と位置付ける教育改革関連法案などの審議状況によっては、通常国会での成立に必ずしもこだわらない考えを示した。

夏の参院選への影響を懸念する与党内の慎重論を踏まえ、先に指示した通常国会成立方針をトーンダウンさせた。


◆コメント:この人は一体何なんだ?

手短に書きます。納豆に3回も費やしてしまった・・・。



記事1で安倍晋三内閣総理大臣は「ホワイトカラー・エグゼンプション」法案提出を断念するとあります。

ホワイトカラー・エグゼンプションそのものの是非を書くと長くなるので省きますが、断念する理由として、安倍首相は、

「国民の理解が得られていない」

ことを挙げています。

今更何をいっているのだ、と云いたくなります。国民の理解?

教育基本法を強行採決したときも、防衛庁を省へ格上げしたときも、

郵政民営化造反組の復党を許可する際に誓約書・反省文を書かせたことに関しても

「国民の理解」など、得られていません。

「何故、今、教基法を改正しなければいけなかったのか」

「何故、国家機密情報を不注意でネットにばらまいたり、北朝鮮に自衛官が無断渡航していた防衛庁を格上げするのか」

「郵政民営化に反対し、自民党から除名された議員の復党を許可する際に、郵政民営化に賛成だと云わせたのは、『思想・良心の自由』を侵害していないのか」



どの質問にも、多分、安倍首相からは論理的・合理的な答えは得られないでしょう。



ホワイトカラー・エグゼンプションに関して「国民の理解」などと言い出した理由は明らかで、

あまりにも支持率が下がってゆくなか、国会開会を前に、さらに参院選を前に、

ホワイトカラー・エグゼンプションを言い出したら、どうなるか目に見えているからです。


◆ところが共謀罪の成立を突如指示した謎。

これは、マスコミもまだ分からないみたいです。

1月始め、自民党はやはり選挙を睨んで、過去7回も廃案になった(ただし継続審議)共謀罪の今国会提出は難しいと、いっていたのです。



それなのに、先週19日(金)、安倍首相が記事3、「共謀罪成立を指示」といい出したのは、

自民党幹部にとっても、「寝耳に水」だったらしくて大いに狼狽したと、色々な新聞が書いています。



大体これは、論理的にはもう無理なことが目に見えています。

どういうことかというと、昨年九月日弁連が、現行法のままで、

つまり共謀罪を新設しなくても「国連越境組織犯罪防止条約」(=国際組織犯罪防止条約)の批准は可能であることを、

完璧に論破してしまっているのです。自民党もどうしようもない。

それに、そもそも条約締結の時に、法務省が国際会議の場で、

「日本の法制度に鑑み、共謀罪は無理だ」

と主張して自民党も同じ意見だったことまでばれてしまっているのですから。


◆19日に成立を指示して、そのまんま知事が当選したら、トーンダウンですか。

そういうことでしょう。

自民党が(民主党もだけど)推していた候補に、たけし軍団が勝ってしまった。

既成政党への不信感ということでしょうけど、安倍政権への風当たりの強さを端的に表しています。



そうしたら、「共謀罪はやっぱり、いいや」となって、それ自体は結構なことですが、

それならば最初から言い出さなければいいのですよ。安倍さん。

コロコロ云うことが変るのは政治家、特に首相のあるべき姿ではない。というか、もっとも信頼されない行動様式です(一般人も同じですけど)。



何だか、安倍さん、あまり首相の座に固執していないようですね(固執しすぎた前総理も困った人ですが)。

親父さん(安倍晋太郎)が就けなかった宰相の座に就いた、ということ自体で、既に達成感があるのではないでしょうか。

だったら、憲法改正とか余計なことを言わないでいただきたいですね。


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