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2010年12月08日(水) |
「<あかつき>日本の惑星探査に暗雲 軌道投入に失敗」←あかつきプロジェクト予算は250億円。国会運営費は1,300億円。 |
◆記事:<あかつき>日本の惑星探査に暗雲 軌道投入に失敗(毎日新聞 12月8日(水)11時48分配信)
探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入は失敗に終わった。
98年打ち上げの火星探査機「のぞみ」の失敗に続く再挑戦も実らなかったことで、
今後、日本の惑星探査計画に暗雲が垂れこめる事態は避けられない。
日本初の惑星探査を目指して98年に打ち上げられた火星探査機「のぞみ」は、通信機の電源系統が故障し、軌道投入を断念した。
後継機には、通信機器の電源を2台積んだり、姿勢が乱れても機能するアンテナに改良するなど、過去の失敗の原因を分析し反映させた。
「数々の失敗を乗り越えた小惑星探査機『はやぶさ』の生還がその好例」と、関係者はあかつきの成功にも自信をのぞかせていた。
あかつきは6種類の観測装置を搭載。厚さ約90キロもの硫酸の雲を透過して地上の火山の活動状態を調べるなど詳しい観測を行う予定だった。
自転より速い秒速100メートルの東風が吹く「スーパーローテーション(超回転)」と呼ばれる謎の現象の解明が期待されていた。
政府の事業仕分けなどで宇宙事業はやり玉に挙がっている。
あかつきは開発と打ち上げで約250億円を投入しており、「成果がない」との批判が出ることは必至だ。
JAXAの管理体制など独立行政法人の見直し論に発展する可能性もある。中国など新興国の追い上げは著しく、
「宇宙先進国」の座からの転落を招くおそれもありそうだ。
◆コメント:「あかつき」とは如何なるプロジェクトか。
私は、しばしば書いている通り、骨の髄から「文科系」人間なので、「あかつき」の失敗がやむを得ないものか、
或いは何らかの準備不足によるものなのかは、判断出来ない。しかし、「金星探査機」と聞くだけでワクワクする。
太陽系で地球のすぐ内側(太陽寄り)を回り、大きさ・重さが最も地球に近いのが金星である。
世界的には、金星探査は1960年代から既に始まっており、1967年にはソ連がのベネラ4号が
投下したカプセルにより、金星の大気は殆どが二酸化炭素であること、高度100kmより下には濃硫酸と思われる
厚い雲の層があり、温度が500℃近くに達することも分かっている。金星は灼熱地獄(?)である。
地球とほぼ同じ大きさ・重さで太陽からの距離が地球に近いにも関わらず、金星の環境が何故そうなったかを
解明することにより、地球温暖化など、地球環境の変化の原因究明にも役立つと考えられている。
金星の大気をより詳細に解明するためのプロジェクトが「あかつき」である。
たまたま、今回失敗したが、マスコミはつい先日、「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」の粒子採取に成功した快挙を打ち消すように
「あかつき、失敗。」を繰り返す。普段、宇宙の「う」の字も、金星の「き」の字も考えたことも無いクセに。
文科省はJAXAに「あかつきの失敗原因を徹底的に究明するように厳命を下した」らしいが、五月蠅いよ。
JAXA(=Japan Aerospace Exploration Agency:宇宙航空研究開発機構)の技術者たちはそんなことは分かっている。
政治家もバカだ。
一度失敗した→成果が上がらない。→予算を削減する、という。失敗したなら、今度はもっと資金をつぎ込むべきではないか。
菅直人は、東京工業大学理学部応用物理学科卒。我が国で初めての「理科系」総理である。理解を示したらどうだ。
(【訂正】アップした直後に読者からご指摘を受けた。前総理、鳩山由紀夫も理科系であった。)
◆成果が上がらないのを理由に経費を削減するなら、まず国会運営費1,300億円を減らしたらどうかね?
「政府の事業仕分けで、宇宙事業が槍玉に挙がっている」という。おこがましい。
すぐカネになることだけに予算をつぎ込むのは野蛮で無教養だ。
民主党マニフェスト2010には、「教育政策を充実させる」と明記してあるが、
今年になってから、大学教育への助成措置が相次いでカットされている。大学教員の海外研究に対する補助金が一部廃止され、留学生への補助金が
突然ゼロになった。何を考えているのか分からない。
そしてなにより。JAXAが「あかつき」で成果を挙げられなかったから、予算を削減する、というのなら、
政治家自身はどうなのだ。
「あかつき」プロジェクトの予算は、開発と打ち上げで250億円だという。
国会運営費にはどれほど税金が使われているか?
平成22年度衆議院予算案を見ると、789億4,600万円。
平成22年度参議院概算要求、506億7,800万円。
合計で約1,300億円もの税金を国会議員の給料その他国会運営につぎ込んでいる。しかも毎年。
今年、国会は何か「成果を挙げ」たのだろうか?景気対策ほったらかしで、やれ、誰それの問責決議だ何だかんだと、
政治ではなく、議員どもの党利党略のニュースばかりではないか。
成果が上がらない所から予算を削減するなら、「あかつき」よりも遙かに税金を無駄にしている国会運営費を圧倒的に削減するのが先だろう。
学問をおろそかにしてはいけない。
250億ぐらいどうにでもなる。3メガバンク一行の経常収益の10分の1ではないか。長らく税金を納めていなかったのであるから、
3メガバンクが100億ずつ「あかつき」プロジェクトに寄付したらどうか?毎年ではないのだから。今まで累計で250億なのだから。
銀行に一度に100億円出せとは言わない。年間30億円ずつ拠出したって、経常利益の1%だ。
銀行「だけ」に負担させるのは、あまりにも不公平だから、一部上場企業が数億円ずつ資金を拠出すれば良い。
最近流行の「企業の社会貢献」をアピールする、絶好のチャンスだ。
このように考えれば、「あかつき」プロジェクトに必要なカネなど、大したことではない。
失敗をおそれていたら、また、失敗する。国も国民も「はやぶさ」の快挙を思い出しJAXAを応援するべきだ。
私は、自分が納めた税金が、仕事をしない国会議員に毎月129万円の歳費、100万円の文書交通機密費。年間718万円のボーナスとして
使われる事には我慢ならんが、JAXAの研究や芸術に役立つならどんどん使って欲しいと思う。
太陽系の他の惑星、金星に接近し、その大気の謎を解く。気宇壮大でいい。
サイエンスはロマンティックだ。
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