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2010年12月07日(火) |
昨日、書き損ないました。自殺者のかなりはうつ病が関係してます。うつ病かもしれない、と思ったらどうするか。 |
◆昨日、書き損ねたことがあります。自殺とうつ病との関係。
昨日、
「13年連続3万人超の公算=自殺者、2万9000人に―前年比では減少・警察庁」←書き手、読み手ともどういう気持なのですか?(ココログ)
を書きましたが、「自殺者3万人超の公算」という見出しで腹が立ち、冷静さに欠けていました。
自殺者の全てがうつ病患者ではありませんが、かなりの割合の人が、うつ病に罹患していた、と思われます。
うつ病に関しては以前よりも理解が広まったように思いましたが、どうもいい加減な情報が多いようです。
自分が遷延性うつ病患者なので、気になります。
◆うつ病かも知れないと思ったら、カウンセリングより精神科。
うつ病というのは、厳密に言うと、「精神病」(Mental disease)ではなくて、
「気分障害」(Mood disorder)という範疇に属します。
そうは言っても、病院で治そうと思ったらやはり、精神科の治療対象です。この「精神科」という言葉が
何とも人聞きが悪い。それで初期治療のチャンスを逃して悪化させてしまうように思います。
ネット上をざっと見回すと、ほぼ明らかにうつ病または、うつ「病」までいかなくても慢性的「抑うつ状態」なのに、
なんとか精神科に行かないで、「カウンセリング」で治したい、と思っている人が多い。
経験的に申し上げると、「精神科」(開業医なら最近は「メンタル・クリニック」でしょう)へ行くのが確実です。
カウンセラーにも勿論優秀な人はいますが、皆、精神科を可能な限り避けようとするので、
東京だと、多分、どこに電話しても最初のカウンセリングまで、1ヶ月待ち、2ヶ月待ち、がザラです。
カウンセリングは医療行為ではありませんから、保険が利きません。1ヶ月待たされて30分面談して5,000円も1万円も取られて、
次の面談がまた1ヶ月先、など、普通です。もしも本当にうつ病に罹患していたら、その間に症状が悪化します。
うつ病の症状とは、「持続する憂鬱感」「不眠」など様々ですが、「希死念慮」(自殺願望)も、
うつ病の「症状」の一つなのです。
しばしば言われるのは、うつ病の急性期といって、いきなり重いうつ病になったら、起き上がれませんから、
自殺することすらできませんが、自殺する気力・体力が残っているうつ病初期と回復期の患者がむしろ、
自殺に関しては要注意なのです。
従って、早い段階で治療を始めることが肝要です。
マスコミ、特に毎日新聞は、何故か昔から「向精神薬の濫用」に異常なほど関心を示し、ネガティブなイメージを
流布するので困りものです。濫用で暴れたり廃人になったりすることは滅多にありません。
副作用とか濫用を問題にするばかりではなく自殺者数を本気で減らしたいならば、
専門医の監督の下で正しく向精神薬(注:狭義の向精神薬とは精神科医が処方する薬の総称。
統合失調症の治療薬である「抗精神病薬」と混同しないこと)を服用した場合の「主作用のメリット」について
正しい情報を伝えるのが、マスメディアの使命だと私は思いますが、そういう新聞を見たことがありません。
とにかく、本当にうつ病だったら、カウンセリングで治ることもあるけど、時間も費用もかかりすぎるし、
カウンセラーと相性が悪いと、余計頭の中が混乱します。医者に診て貰った方が早く、確実です。
その理由を次に書きます。
◆心の病気は身体の病気なのです。
うつ病は、脳内神経伝達物質のうち主に「セロトニン」のバランスに異常が起きるのが原因と言われます。
膵臓のランゲルハンス島から分泌されるべき「インスリン」が十分に分泌されないと糖尿病になる。
同じようなことが、お腹の辺りで起きるか、頭の中で起きるか、の違いであり、うつ病は心の病気と思われていて、
実際、そう言えないことはないけれど、心とは脳内の化学変化によってもたらされるのですから、
心の病気は身体の病気なのです。
なにも恥ずかしい事ではない。薬でセロトニンのバランスを戻すことが可能です。
自殺なんて、自分は縁がない、と大部分の人は思っていることでしょうが、そんなことは分からない。
何故なら、自殺者のかなりの割合はうつ病に罹っていたと思われ、そのうつ病になる可能性は、誰でもあるからです。
「自分は、精神力があるから。」「明るい性格だから」「プラス思考だから」等々。全く関係ありません。
うつ病には、肉親の突然の死など、明らかに外的・環境的要因による「外因性うつ病」とともに、
まったく、特別な出来事がないのに、突如、抑うつ状態になる「内因性うつ病」があります。
それがどうして起きるか、は、まだ解明されていないそうです。遺伝は関係ない。
親兄弟、先祖まで溯っても1人もうつ病患者はいない、という方も、それは絶対的な安心材料には
なりません。
これが、唯一でも絶対でもありませんが、簡易的に自分の抑うつ状態がどの程度であるか知りたかったら、
ベックのうつ病調査票を試すといいです。多くの方がネットで使えるようにしてくださっているので、
リンクを貼らせて頂きます。ひとつのサイトに集中するとご迷惑かも知れないので、いくつか載せます。
どれも内容は同じです。
抑うつ度チェック - ベックのうつ病調査表 (BDI テスト)
医療法人社団 松伯会 山王クリニック
抑うつ度チェック
抑うつ度チェック(BDIテスト)
澄んだ眸
繰り返しますが、これで「21以上=うつ病」ではありません。あくまでも目安の一つ。但し、
中程度のうつ病なら、まず、精神科に行った方がいいです。
心療内科という診療科がありまして、これは「精神科」より響きがマシなので、
良いだろうという方がいます。しかし、心療内科でよく分かっているドクターも大勢いますけど、
精神科に行きにくい患者を集めようと、本当は内科で、精神科のことはよく分かっていない、謂わば、
「なんちゃって心療内科」もいますから、この際、あまりにも気分が滅入るなら、精神科に行きましょう。
あまりにも、ゆううつで辛かったら入院するといい。怖いところじゃないです。夜の歌舞伎町の方が余程怖い。
入院のメリットは外界のストレスから遮断されることです。
また、通院では使えない薬があります。一般名クロミプラミン、商品名アナフラニールという抗うつ薬は、
唯一、点滴で使える抗うつ薬です。静脈に直接抗うつ薬を点滴で入れるので、経口投与よりも早く血中濃度があがり
この薬と相性が良い人なら(薬と患者というのは「相性」があり、ある人には効果があっても別の人には全然効かない
ということが、しばしばあります)、数日で、ウソのように気分が楽になると思います。
経験者(私)が書いているのですから、かなり信頼性が高い情報だと思います。
頭の悪い人は、いくら説明しても「そうは言っても要するにうつ病患者はキチガイだろ?」となりますが、
ここまで説明しても分からない人は、お気の毒ですがどうしようもありません。
「JIROの独断的日記」は私がうつ病になって、入院し退院した後に書き始めたものです。
今だに2ヶ月に一度、通院しています。
私が「キチガイ」かどうかは、私の日記の全てをお読みになって、ご判断下さい。
風邪だろうが、うつ病だろうが、何だろうが、病気は早く治療を始めれば、早く治ります。
自殺者を本気で減らしたいならば、こういうことを啓蒙するのが自殺対策で、
国の仕事ではないかと思いますが、見当たらないので、書きました。
ご参考になれば幸いです。
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