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JIROの独断的日記
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2008年12月07日(日) 「米就業者数、53万3000人減=1974年以来最大−失業率は6.7%に悪化」←これでもし、ビッグ3救済法案が否決されたらおしまい。

◆記事1:米就業者数、53万3000人減=1974年以来最大−失業率は6.7%に悪化(12月5日22時57分配信 時事通信)

米労働省が5日発表した11月の雇用統計によると、非農業部門就業者数は季節調整済みで前月比53万3000人減少し、

1974年12月以来約34年ぶりの大幅な減少を記録した。これで11カ月連続の減少。労働市場が一段と悪化していることが確認された。

失業率は6.7%と、前月から0.2ポイント上昇し、93年10月以来の高水準となった。

米国では先にリセッション(景気後退)入りが確認されたが、雇用情勢の悪化で消費者の心理がさらに冷え込み、

景気を圧迫する可能性がある。市場予想の中央値(時事通信調べ)は失業率が6.8%、就業者数が32万3000人減少だった。


◆記事2:150億ドル規模で合意=ビッグ3支援法案、来週採決へ(12月6日7時49分配信 時事通信)

米議会多数派の民主党指導部は5日、ビッグスリー(3大自動車メーカー)の支援法案を取りまとめ、

来週中の採決を目指す方針を表明した。ロイター通信などによると、支援規模は150億ドル(約1兆4000億円)前後

とする方向で同党指導部と政府が合意したという。支援が実現すれば、月内に40億ドルのつなぎ融資を必要としている

ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻(はたん)は回避される見通し。

ただ同日までの2日間にわたり上下両院で開かれた公聴会では党派を問わず慎重論が根強く、採決は大詰めで難航する可能性もある。


記事3:<ビッグ3救済>当面の「延命策」 次期政権に丸投げ(12月6日20時46分配信 毎日新聞)

米政府と議会民主党は5日、米自動車大手3社(ビッグ3)救済のため公的資金150億ドル(約1兆4000億円)を

緊急融資することで合意したが、救済法案がすんなり可決されるかは予断を許さない。

民主、共和両党内には依然、救済に難色を示す議員も多いためで、仮に法案が可決されても

当面の危機を回避するための「延命策」に過ぎず、本格的な経営再建につながるか懐疑的な見方も強い。

米政府と民主党首脳が合意した緊急融資150億ドルは、ゼネラル・モーターズ(GM)が「1月末までに必要」と訴えていた80億ドルに、

クライスラーから支援要請のあった70億ドルを加えた額と一致する。

フォード・モーターは米上院での公聴会で「当面の資金繰りには困っていない」(ムラリー社長)と答えており、

支援策はまさに「1月末までの運転資金の手当て」に過ぎないとみられる。

「3社の再建には最大で1250億ドルが必要」(ムーディーズ・エコノミーのマーク・ザンディ氏)との試算には遠く及ばず、

GMやクライスラーが抱えている構造問題に踏み込むには不十分な支援規模だ。販売店やブランドの統廃合、

工場閉鎖や人員削減といった抜本再建策を実行に移すには追加的な資金支援が不可欠で、

オバマ次期米大統領は来年1月の就任直後に改めてビッグ3支援問題という難問を突きつけられる可能性が高い。

ビッグ3救済については、米CNNテレビの世論調査で6割超の回答者が「支援に反対」と答えている

一方で、ビッグ3の背後にはさまざまな既得権益を持ち、民主党の強力な支持基盤でもある全米自動車労組(UAW)が控えており、

ブッシュ政権からビッグ3の処理を丸投げされた形のオバマ氏は厳しい調整を迫られそうだ。 (注:太文字は引用者による)


◆コメント:これが、今週の世界の最大懸案事項と言っても過言ではありません。

毎月、第一金曜日、米国東部時間の朝8時半(今は冬時間なので、日本だと金曜日夜10時半、夏時間なら9時半)に

米国の雇用統計が発表されます。失業率そのものよりも、非農業部門雇用者数(nonfarm payrolls。payrollとは「給与台帳」の意味)が注目されます。

何故、「非」農業部門かというと、農業部門の就労者数は景気の変動に関わらず、あまり変化しない。

一方、その他の産業、製造業とか、金融業とか、サービス業では、アメリカでは会社の業績が悪くなるとすぐに

レイオフ(layoff=一時解雇)しますから、景気の動向を最も早く、顕著に反映するからです。


日経のサイトに過去の米雇用統計データが載っています。

過去5年間のデータが載っていますが、ご覧のとおり、今年の1月分マイナスになり(5年9ヶ月ぶりでした)、それから

今年はずっと減少の一途を辿っています。若干の変動はありますが、概ね、時間の推移と共に悪化しています。


私ども、このようなデータをウォッチしている者は、7月に発表された6月分のnonfarm payrollsの減少数が2桁、つまり

10万人を超えた時から「ヤバい」な、と強く感じ始めていました。

とにかく、ずっとマイナスが続いているのは、2007年にサブプライムローンのバブルがはじけて、景気が悪化したのが、

今年になって雇用情勢に現れていることが明らかなのです。


◆ビッグ3のうち、一社でも破綻したら、300万人が失業します。

先週、4日(木)、5日(金)の二日間、ビッグ3のトップに対する公聴会が、それぞれ、上院と下院で行われました。

その時の模様をテレビで見ましたが、どうも、いまだに反対意見を述べる人が多いのです。

また、記事3の中で太文字で強調しましたが、アメリカの一般しましたが、世論調査でも一般国民は反対する人の方が多い。

民主党がまとめたビッグ3支援法案は、今週中、多分8日、9日に上院・下院で採決されるようですが、これを否決したら、

大変なことになります。


11月分の非農業部門雇用者数がマイナス53万人というすさまじさで、私も長年こういう数字を見ていますが、

ここまでひどい状況は初めてだ、と思ったらそれも当然でした。1974年以来のマイナス幅だ、というのですから

(当時、私は中学生でした)。

ビッグ3支援法案の150億ドル(1兆4000億円)でも、実は「その場しのぎ」で、年末の資金繰りを何とかする、

という程度なのですが、それでも資金繰りに行き詰まったら、その瞬間、その会社は破産法の適用を申請するしかありません。

3社のいずれかが倒産したら、関連企業も含めて、あっと言う間に300万人が失業します。

雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比マイナス300万人を超えることになります。

アメリカの一般国民は、税金を用いて私企業を支援することにこだわっているようですが、アメリカの就労人口のうち、

約10人に1人は自動車関連産業で働いています。ビッグ3を潰したら、自分も失業するかも知れない、ということが、

アメリカ人は分からないのでしょうか?

また、日本の自動車メーカー、トヨタなどは、ビッグ3と同じ部品メーカー(所謂「下請け」ですね)から部品を調達しているので、

ビッグ3のどれかが潰れたら、現地で自動車を生産できなくなり、業績が大幅に悪化するでしょう。

そうしたら、日本国内でもコスト削減の常套手段、人員削減(リストラ)が断行されるでしょう。

自動車に限らず、日本でも製造業を中心に工場などの非正規労働者を解雇する、というニュースが毎日の様に報じられています。

それに拍車がかかるでしょう。


とにかく、世界同時不況は、各国内の事情もありますけど、引き金になったのは9月15日のリーマン・ブラザーズが破綻です。その結果、

サブプライムローン関連の金融商品、証券化された商品の相場が暴落し、これらに投資していた銀行や事業会社が多額の評価損を被ったことが

大きな要因です。

紛れもなく、あれは米国金融当局の失策で、そのおかげで世界が迷惑をしているのです。

アメリカの議会、政府、金融当局、そして一般市民は、ビッグ3のいずれかでも潰したら、自分たちが困るばかりではなく、

世界中に再び大迷惑をかけるのだ、ということを良く認識して貰わないとこまります。

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2007年12月07日(金) 「米産牛肉、輸入制限緩和へ=「30カ月未満」を米に提起」←月齢21ヶ月のBSE感染牛が確認されたことがあるのですが。
2006年12月07日(木) 8日はシベリウスの誕生日。「カレリア組曲」ってのがあるんです。
2005年12月07日(水) 私事で恐縮ながら、「たまには良いことがあるものだ。」という話。
2003年12月07日(日) 要するに「イラク復興支援特別措置法」は「アメリカ支援法」だ。
2002年12月07日(土) 「・・・だから清の墓は小日向の養源寺にある」(続)

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