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2010年08月28日(土) |
【音楽】とにかく「上手いっ!」という演奏を集めました。 |
◆休みの最後にもう一回だけ音楽記事にさせて頂きます。
現在、もう日付が変わって8月29日(日)です。
今年の私の夏休みや今日まででして、明日から会社に行かねばなりません。
週明けに日銀が臨時の金融政策決定会合を開き、新たな金融緩和策を検討する
などというニュースが流れていますが、既に何度か書いていますので、今日までは、
世俗を離れた音楽記事を書きます。ご容赦のほど。
◆プロの音楽家は、やはり「上手い」ことが肝心です。
当たり前なのですけどね。日本人は浪花節ですから、音楽の演奏でも、
「テクニック重視」というと「冷たい」「機械的な」というネガティブイメージに結び付け、
テクニックが無くても「心で歌う」(楽器でも「歌う」という言い方をします)と、
「魂の演奏だ」などというヘンな風潮があります(だから、F・H女史が「奇跡のピアニスト」になっちゃうんです)。
しかしそれは、違う。
自分の思う音楽を表現するには、できる限りのテクニックを身につけていなければなりません。
それがプロの音楽家です。ずっと前ですが、自らもヴァイオリンの名手で、かつ優れたお弟子さんを
大勢輩出した、故・江藤俊哉先生が、毎コン(日本音楽コンクール)の後、NHKのインタビューに応じ、
まだ、皆さん(注:出場者のこと)、国際的に通用するにはテクニックが足りないですねえ。
要するに「ヴァイオリンが上手い」ってことが大事ですな。
とおっしゃっていました。素人の私が聴くと、もう既に十分上手いじゃないか、というレベルだったのですが、
江藤先生は「まだまだ」と言うわけです。それぐらい大切なんですね。技術を若い頃に身につけるということは。
今日は、思い付くまま、今までご紹介したアルバムも含めて、
上手いっ!
と、思わず膝を叩きたくなるような演奏ばかりを集めます。
◆リヒテルの「平均律クラヴィーア曲集」から。
リヒテルが弾くバッハの「平均律クラヴィーア曲集」から。
勿論、バッハの難しさは、メカニック的には、後世のリスト、ラフマニノフより易しいでしょうが、
それでも高度な技術を身につけているからこそ、こう弾けるんだ、と思う演奏がいくつもあります。
「平均律」は膨大ですからね。全部聴いた方は意外といないものです。
まずは、2曲目。特にものすごいテクニックというほどではないですが、好きなんですよ。
バッハ:平均律クラヴィア曲集 第1巻 2番 ハ短調 BWV847
Prelude And Fugue No. 02
次は、変ロ長調の21番。これは難しいですよ。
バッハ:平均律クラヴィア曲集 第1巻 第21番 変ロ長調 BWV866
Prelude And Fugue No. 21
いつ聴いても、バッハはいいですなあ。
◆ショパン「前奏曲集」で一番難しい16番。
ショパンには色々難しいのがありますが、前奏曲集(「プレリュード」というと、知ったかぶりできます。
因みに練習曲集は「エチュード」です。)という短い作品を集めた曲集があります。
因みに「太田胃散。いい薬です」のコマーシャルで使われているので有名なのは7番です。
これは別に難しくないけど、載せたことがないから載せましょうか?
引用元は、ショパン:24の前奏曲です。
ショパン:24の前奏曲作品28 第7番 イ長調
Chopin: Preludes, Op. 28 - #7 In A
はい、太田胃散はショパンのプレリュードでした、イ長調と「胃腸薬」を引っかけたのでしょうか。
違うでしょうね。
さて、肝心なのは、次、一番難しい16番です。ポゴレリチの腕が鳴ります。
ショパン:24の前奏曲作品28 第16番 変ロ短調
ChopinPreludesOp28No16
すごいでしょ?
◆ヴァイオリンです。ジェームズ・エーネスのヴィエニアフスキーとサラサーテ。
私が何度もお奨めしている、カナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏。
バッハの無伴奏も素晴らしいのですが、ここでは特にヴァイオリン弾きなら誰でも弾かなければならない、
難しいの。ヴィエニアフスキーもサラサーテも自分が非常なテクニックの持ち主ですから、作曲した曲もむずかしい。
音源はWorks for Violin & Piano です。
まずはヴィエニアフスキー。
スケルツォ・タランテラ
Wieniawski: Scherzo-Tarantelle In G Minor, Op. 16
速い三連符の連続が如何にも難しそうですが、見事に弾いています。
もう一曲。サラサーテですが、この人は「チゴイネル・ワイゼン」だけではありません。
次の曲は今年の毎コンヴァイオリン部門第一予選の課題曲です。第一予選でこんなの弾けて当たり前なんですね。
サラサーテ 序奏とタランテラ
Sarasate Introduction and Tarantella Op.43
この人は、本当に何を弾かせても良いと思いますねえ。上手いもんだ。
◆最後にトランペットを1曲だけ。
トランペットの神様は何と言ってもモーリス・アンドレですが、アンドレに師事したアメリカ人で、
エンパイア・ブラスという金管アンサンブルを率いている、ロルフ・スメドヴィックというトランペット奏者がいます。
この人は師匠に匹敵するぐらい上手いと思います。もっと知られても良いのですけど、アメリカって所は上手いラッパ吹きが
多いですから、目立ちにくいのかなあ・・・。
タルティーニというバロックの作曲家が書いた「トランペット協奏曲」があります。
私は子供のころ、モーリス・アンドレの演奏を聴いて仰天しました。こんな曲を吹いてしまうのは、
後にも先にもモーリス・アンドレだけだろうと思ったのですが、ロルフ・スメドヴィックは、
師匠と同じぐらい上手く吹けるのです。タルティーニの終楽章を聴いて頂きますが、
カデンツァが、アンドレと同じで、ものすごく難しいのですが、実に見事に吹いています。
管楽器で音を区切る為に「タンギング」ということをします。それが実に綺麗なのですね。
音色、テクニックも完璧です。音源は、TRUMPET CONCERTOS です。
タルティーニ:トランペット協奏曲 ニ長調 第三楽章
Giuseppe Tartini Trumpet Concerto in D major 3rd mov
この人は、もっと世に知られて良いと思います。
本当はもっとご紹介したいのですが、朝になってしまいました。
皆様、良い日曜日をお過ごし下さい。
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