DiaryINDEX|past|will
2010年08月03日(火) |
「<熱中症>9週間で2万超を病院搬送 98人が死亡…消防庁」←生命の問題だ。本来国が予防・対処法を啓蒙すべし。 |
◆記事:<熱中症>9週間で2万超を病院搬送 98人が死亡…消防庁(8月3日20時13分配信 毎日新聞)
熱中症で病院に搬送された人が5月31日から8月1日の計9週間で2万1032人に上ることが総務省消防庁のまとめで分かった。
うち98人が搬送直後に死亡した。
死者は08年(7〜9月)47人、09年(同)16人で、今年は異例。
入院後の死亡を含めると死者はさらに増加するとみられ、同庁は「熱中症は環境要因が大きく予防は可能」と注意を呼び掛けている。
搬送されたのは、65歳以上が9994人で半数近くを占めた。842人は3週間の入院を要する重症だった。
10万人あたりの都道府県別搬送人数では愛知が28.01人と最多。群馬、埼玉、三重、栃木、岐阜、福島各県も20人を上回った。
週ごとでは7月19〜25日が9895人と最も多く、前週(同12〜18日)の1853人から急増。
同26日〜8月1日は5460人で2番目に多かった。
◆コメント:注意を呼びかけているといっても、年配の方はネットなど見ない。
熱中症に関しては、かつて、
2007年08月11日(土) 「群馬・館林38・3度…猛暑列島、熱中症・水の事故相次ぐ」←熱中症と熱射病と日射病 (ココログ)
に書いたが、概念的なことを述べただけで、予防とか対策に関しては触れていないので、改めて記す。
環境省のサイトの中には、環境省熱中症予防情報サイトがあり、その中に、熱中症環境保健マニュアルに詳しい記述があるが、
「わかっていないな」と思う。
今年の暑さは、私の半世紀の人生でもちょっと記憶にないほど、一種の「不気味さ」を覚える。
毎年熱中症で亡くなる人はいるが、これほど、毎日、熱中症で人が死ぬ、というニュースを見た記憶が無い。
多くは年配の方であるという。だとすると、インターネットのこのような見つけにくい所に小さい文字で、
くそ真面目に「熱中症とは何か?」から細かい字で書いても、お年寄りが読む訳がない。
参院選の前には与党も野党も盛んにテレビ、新聞を使っていたが、そんなことより、
今年の暑さは人命に関わるのであるから、熱中症予防・対処の要点を出来るだけ少ない項目に絞り、
誰にでも理解出来る言葉で、テレビや新聞を用いて国民に知らしめるべきである。
国がやらないから、わたしがやる。
NHKの朝の情報番組あさイチで熱中症の特集を組み、
杏林大学高度救命救急センター、山口芳裕教授を招き、説明を受けていたことが分かった。
こういう大事なことは番組サイトに文字情報として保存するべきだと思うが、気が利かないことに
それをしていないので、NHKオンデマンドにカネを払ってネットで見た。その音声の一部を添付する。
恐縮だが、中途半端なところから録音を開始してしまったが、
「熱中症とは」をドクターが説明するところから始まる
NHK「熱中症予防・対処」
NHK 7月30日「あさいち」熱中症予防・対処
著作権云々と言っている場合ではないと思う。
ただし、これはこの番組の2日前から視聴者に熱中症の体験談や質問をつのり、それに沿ってアナウンサーが
質問して、ドクターが答える、という形式になっており、少々まだるっこしい。
私が認識出来る限りの要点を記す。
【熱中症とは何か】
熱中症とは、暑さや熱で体温の調節が上手く機能しなくなり、体温がどんどん上がってしまう。或いは大量の汗をかいたことにより、体内の水分や塩分を失って起きる色々な症状の総称である。
【熱中症の症状】
軽度= 軽い立ちくらみや眩暈、こむらがえり(←血中のナトリウム濃度が低下することで筋肉が痙攣することで起きる)。
中程度=激しい頭痛、吐き気、身体の非常なだるさ、
重症= 痙攣、意識の混濁、昏睡状態
【喉の渇きは目安にならない。】
(喉が渇いていなかったのに、熱中症になった、という視聴者の体験談あり)
人間が喉の渇きを明確に覚えるのは、血液中の水分の10パーセント以上を失ったときである。
しかも、喉の渇きには個人差があるし、年を取ると段々、渇きを感じる感覚が鈍くなる。
したがって、喉の渇きを目安にして水分摂取を考えるのは危険である。
【熱中症発症の危険が高まる温度】
30℃が目安。32℃を超えると発症が急激に増える。
【子供(幼児)は特に注意】
子供は身体が小さいので、大人よりも簡単に暑さにより身体が温まってしまう上に
発汗による体温調整機能が未発達なので、ただでさえ危険である。
加えてベビーカーに乗せて歩いていると、ベビーカーの位置は低く地面に近く、
舗装道路の照り返しが強いので、子供が感じている温度は、母親より3〜4℃高いと言われている。
陽射しが強いときに赤ん坊をベビーカーに乗せて長時間移動することは極めて危険である。
【水分補給頻度・摂取量等】
熱中症予防には「こまめな水分補給を心がけよ」というが、具体的には、
家庭で屋内で普通に家事をしているような場合は、30分ごとに一口。
買い物に出たり、庭の草取りをするような屋外作業時は、30分ごとにコップ一杯。
ポイントは、「30分ごと」であり、喉が渇いていなくても飲むことが大切だ。
高齢者は飲みたがらない人も多いので、周囲が気を付けて、半ば強制的に飲ませることだ。
【効率的な飲み物】
真水に近いほど、すぐに尿となって排泄されやすい。
薄い塩水や、少しレモン汁を垂らすとか、梅干しを入れると大分違う。
【ビールなどアルコール飲料は水分補給にならない。】
(釣りに行き、ビールで水分補給すれば良いと思って飲んだら、帰りに39℃も熱が出たという視聴者の体験談)
アルコールは、それを分解するために水分を必要とするため、身体の水分を使う。さらにビールには利尿作用があり、
尿として水分を排泄してしまうので、結果的には、脱水に近づく。
ビールを飲んだら、寝るまえに別途水分補給する必要がある。
【扇風機も熱中症予防の効果がある】
(エアコンを嫌う年配の人が多いが、という視聴者の質問に答えて)、
熱中症の原因は主に温度と湿度だが、風通しも関係する。
温度が高くても、空気の流れを作ることにより、身体にまとわりついた非常に湿度の高い
空気の層を吹き飛ばすことで、新たに汗が気化しやすくなる。その意味では、扇風機も効果がある。
【熱中症になってしまった場合の対処】
(視聴者から、「息子の野球の応援に野球場に行った帰りに熱中症になった。コンビニで氷を買って
首の後を冷やしても効果がなく、家に帰ってから水風呂に入ってもだめで、結局病院で点滴を受けるハメになった」
との経験談が寄せられた。)
兎に角冷やすという考え方は間違っていない。特に体温が40度を超えている場合は、
如何に速く冷やすか、が、生命を救うポイントになる。
ただし、冷やすのは、首の両脇、脇の下、足の付け根など、太い血管が身体の浅いところを
通っている場所が効果的である。
水風呂は効果がない。冷たい水に接触した体表面の血管が収縮してしまうからである。
その結果、却って身体から熱が逃げにくくなり、身体に熱がこもる。逆効果である。
冷たいタオルや霧吹きやシャワーなどで身体をぬらし、扇いで、水分を気化させ、
その気化熱で身体を冷やすような方法を取るべきである。
【予防には、朝食をしっかり摂ること】
朝食には、水分、塩分、暑さに対抗するために必要なビタミンC、ビタミンB1、各種ミネラルが含まれている。
これらを十分補給してから出かけることが極めて大切である。
以上、全て、ドクターが番組で話していることである。
私は熱中症になったことがないけれども、「水風呂は逆効果」など、言われてみれば理屈はわかるが、
如何にも素人が間違えて、やってしまいそうな「対処」である。
やはり、専門家の話を聞くことは良い事だ。
全くの受け売り。音声を文字に起こしただけだが、お役に立てばなにより。
それでは。
【読者の皆様にお願い】
是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年08月03日(月) 「<裁判員裁判>立証、視覚に訴え 法廷の新しい形」←新しければ良い、というものではない。裁判員制度の意義が今だに分からない。
2008年08月03日(日) 8月3日、日中、気になるニュースを読んで書いたコメント。たまに、こういう形式にしてみます。終身刑・熱中症、その他
2006年08月03日(木) 「サヴァリッシュ 管弦楽名曲集2」これは、贅沢なCDですね。
2005年08月03日(水) やや、easiness(安易さ)に傾きすぎている日本。/偽造カード法は不公平だ。
2004年08月03日(火) 「アジア杯ブーイング、国際問題に発展か」←発展させるべきだ。
2003年08月03日(日) 「鶴折り広島に送る運動…男子学生放火の関西学院大」人間の悪意と善意