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JIROの独断的日記
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2003年08月03日(日) 「鶴折り広島に送る運動…男子学生放火の関西学院大」人間の悪意と善意

◆記事:
広島市の平和記念公園で約14万羽の折り鶴を焼失させたなどとして、文学部の男子学生が器物損壊容疑で逮捕された関西学院大で、学生らが鶴を折って広島に届ける運動を始めた。大学側も急きょ、受付窓口を設け、6日に学生代表が広島に届けることにした。

 商学部3年の伊藤友紀さん(20)は事件当日の1日夜、「関学生で鶴を折り、広島へ送ろう」とのメールを友人ら約30人に送信。メールはあっという間に広まり、岡山県で合宿中のラクロス部の女子部員55人も折り始めた。

 逮捕された学生が所属する心理学科でも3日、有志が教室に集まって折ったほか、東京在住のOBからは「広島に届けてほしい」と、大学に約40羽が郵送されてきたという。

 すでに100羽を折ったという伊藤さんは「広島の人たちの気持ちをずいぶん傷つけたと思う。同じ大学の学生みんなが、一羽一羽に思いを込めて折ることで、少しでもその癒やしになれば」と話していた。

◆所感:「悪いことをしながらも、善いこともする。それが人間さ」(鬼平犯科帳)

 この記事を読んで、鬼平こと長谷川平蔵のこの言葉を思い出した。

 就職が決まらず、むしゃくしゃして平和記念公園の折鶴に放火した関西学院の話を読んだときは、「実に下らない野郎だ。それぐらいの事で、犯罪に手を染める奴があるか。情けねえ」と、私は怒りの感情につつまれたが、今日のこのニュースで途端に嬉しくなった。

 自分達とは直接関係がないのに、自分と同じ学校の学生がしでかした不始末の償いをしよう、と何百人もの学生が急遽結集した、その純粋な善意に感動したのである。

 人間、絶対的な悪人も、絶対的な善人もいないのであろう。それが鬼平が言いたかったことだ。

 しかし、それにしても、若さというものは素晴らしい。

 かつて、NHKの音楽番組があった。司会をしていたのは作曲家の芥川也寸志氏と黒柳徹子氏であった。あるとき、早稲田大学のオーケストラ(プロ級に、上手い)がゲストで演奏した。それを聞き終えたとき、普段は冷静な芥川氏が、

「いや、若さって言うのはすばらしいね!人生で、もうこれ以上の物ってないね!」と興奮気味に語っておられたのが印象的だった。

 今回の関学の学生たちの行動力の速さに感じ入った私は、思わず、その時の芥川氏の言葉を思い浮かべた。


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