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JIROの独断的日記
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2009年06月24日(水) 「ドクターヘリ 救急車より入院4〜18日短縮」←へえ、これほど違うものですか。

◆記事1:ドクターヘリ 救急車より入院4〜18日短縮(6月24日10時56分配信 毎日新聞)

交通事故で重症となった患者をドクターヘリで搬送すると、救急車で運んだ場合に比べて入院日数が4〜18日短縮し、

医療費も5万〜116万円安くなるとの調査結果をNPO「救急ヘリ病院ネットワーク」(略称・ヘムネット)がまとめた。

ヘムネットの村田憲亮事務局長は「ドクターヘリは、救命の可能性を大きくするだけでなく、

医療経済的にも十分見合うことがはっきりした」と話し、ドクターヘリ普及の重要性を訴えている。

調査したのは、

日本医科大千葉北総病院(千葉県)

▽手稲渓仁会病院(北海道)

▽久留米大病院(福岡県)

▽東海大病院(神奈川県)の4病院。

ドクターヘリ導入(01〜05年)後、07年12月までの間に救急車で搬送された患者と年齢や重症度をそろえて比較した。

千葉では四街道、富里、八街の各市から運ばれた68人(うちドクターヘリ搬送25人)で調べたところ、

ドクターヘリで運ばれた患者の平均入院日数は21.3日で、救急車で運ばれた患者より平均17.8日少なかった。

医療費の平均額も救急車が約249万円だったのに対し、ヘリは約133万円だった。

このほか、北海道でも8.3日、福岡では5.9日、神奈川で3.8日短くなっていた。

医療費もその分、約5万〜99万円安くなっていたという。

ドクターヘリを導入しているのは全国16道府県にとどまる。ヘムネットは今回の結果を受け、改めて全国配備を呼び掛けていく。

ドクターヘリは01年から国が年間経費(1機当たり約1億7000万円)の半額を補助する制度がスタート。

今年3月末からは、さらに自治体負担分の半分が特別交付税で手当てされることになった。


◆コメント:大変結構なことだが、運航には十分注意して頂きたいのと、ドクターの過大な負担が心配だ。

「ドクター・ヘリ」は、ちょうど1年前、フジテレビ系列のテレビドラマ、コード・ブルー(まだ公式サイトが残っているんだね)で、

その存在が一躍知られるようになった。あれは、勿論お芝居であって、実際には、助かる患者ばかりでは無かろうが、

このデータが厚労省ではなくて、特定非営利活動法人「救急ヘリ病院ネットワーク」(最近、全然更新されてないが)

から発表された、とのことであるから、信頼性があると考えて良かろう。


「ドクター・ヘリ」が、救命救急医療の開始までの時間を短縮させるであろうことは、素人でも想像に難くないが、

これほど具体的なデータ、

交通事故で重症となった患者をドクターヘリで搬送すると、救急車で運んだ場合に比べて入院日数が4〜18日短縮し、

医療費も5万〜116万円安くなる

が発表されたのは初めてだろうし、その医療(治療)効果、医療経済的効果が大きいのに驚く。


それ自体は大変結構なことであろうが、ヘリは固定翼機に比べると、墜落事故を起こす確率が高い

(何処かにデータがあった筈だが、あいにく、今見つからない)筈で、危険が伴うことは言うまでもない。

日本では、ドクター・ヘリの運航は、有視界飛行(日没まで)に限られるはずだが、

ウィキペディアを見ると、
アメリカでは夜間飛行が全飛行時間中の1/3を占めている。そのため飛行条件が一般的なヘリコプターの飛行条件よりも悪くなりがちであり、

事故も多くなる傾向がある。 「1998年から2005年までの8年間に89件の事故」があり、「うち31件が死亡事故で、死者は75人」発生した。『日本航空新聞』2007年9月20日

との事で、これは誠に悲惨である。日本ではドクター・ヘリの死亡事故は起きていないが、

今年3月、緊急着陸する事態が発生した。何と、バード・ストライク(鳥との衝突)が原因であった。

同じウィキペディアの記事によると
2009年(平成21年)3月18日、浜松市の遊園地「浜名湖パルパル」駐車場にドクターヘリが緊急着陸するという事態が発生した。

副操縦席側の風防(アクリル製)が直径約30cm破損したが、乗員5人(機長、整備士2人、医師、看護師各1人)に負傷者はなかった。

ヘリは中日本航空所有で、聖隷三方原病院のヘリポートを飛び立って、市内の90歳代の男性を搬送するために現地へ向かう途中だった。

副操縦席にいた整備士の話では、風防を突き破った鳥は体長約40cmのトビだったという。

なお、男性は救急車で病院に搬送された。中日本航空では「ヘリと鳥が衝突して風防に穴が開き、

緊急着陸するのは国内初ではないか?」とコメントしている。

救急車で搬送された患者がその後どうなったかは分からないが、ヘリに関して書くならば、

このケースでは、墜落は免れたけれども、昼間の飛行でもこのように思いがけないことが起きる。



折角救命の為に飛んだのに、患者搬送の為に現場に向かう途中、或いは患者搬送中に墜落したのでは、元も子もない。

無論、患者の生命も大切であるけれども、ドクター・ヘリに搭乗する救命救急のドクターは、

高度に専門的な知識・技術と経験を積んだ貴重な人材であり、一朝一夕に養成できるものではない。

もし墜落でもして、ドクターが事故によって失われることは、それ以降、「助かるかも知れない命が減る可能性」を高めることになる。

だから(こんな事は私が書かなくても、医療、救命救急、ドクター・ヘリ運航の当事者が一番よく分かっていることだろうが)、

ドクター・ヘリを普及させるのは良いのだが、慎重を期して頂きたいし、無理に増やすことにより、ただでさえ激務で疲弊しているであろう、

医師、特に救命救急に携わる医師たちに過大な負担がかからぬよう(既にかかっているだろうが、)に、

厚労省はありとあらゆる愚策を思い付くので悪名高いが、予算の配分を考える時、こういうところに使え、と言いたい。

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