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JIROの独断的日記
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2007年06月24日(日) 「野党各党、政府責任を一斉に追及 年金記録紛失」←NHK「日曜討論」視聴後所感。

◆記事1:野党各党、政府責任を一斉に追及 年金記録紛失

各党党首が出演した24日のNHK報道番組で、野党側は年金記録紛失問題をめぐり政府の責任を一斉に追及した。

民主党の小沢一郎代表は、安倍晋三首相が記録訂正について第三者委員会と国民が「記録を一緒に捜す」と述べたことに対し、

「国民に半分責任を負わせている」と批判。「政府が全面的に責任を持ち支払わなければ解決にならない」と強調した。

与党が参院選の公約に掲げる「年金カード」導入に対しても「カードでは本人に直接見えない」と指摘し、民主党が主張する「年金通帳」の有効性を訴えた。

また、与党側が29日の成立を目指す社会保険庁改革関連法案については

「看板の掛け替えで実質的には何も変わらない」と述べ、

同法案の採決に合わせて内閣不信任決議案を提出する考えを示した。

共産党の志位和夫委員長は、すべての加入者と受給者への記録送付を優先するよう要求。

社民党の福島瑞穂党首は、社保庁のオンラインシステム上のデータと紙台帳などとの照合作業を急ぐべきだと指摘。

国民新党の綿貫民輔代表は、年金制度改革のさらなる論議を求め、新党日本の田中康夫代表は年金通帳の必要性を訴えた。

(6月24日22時22分配信 産経新聞)


◆記事2:厚生年金記録、83万件を廃棄=法令違反認める−社保庁

社会保険庁は22日、1950年代までの「旧台帳」と呼ばれる厚生年金記録のうち83万件を、

マイクロフィルムなどに保存しないまま廃棄していたことを明らかにした。

全国の社会保険事務所に別途、被保険者名簿を保管しているため、

記録漏れがないかどうかを調べる照合作業に支障はないとしているが、

厚生年金保険法に違反していることは認めた。ずさんな記録管理に、国民の批判がさらに高まるのは必至だ。

 同庁によると、83万件の記録は、59年から77年にかけて社保庁が裁定(支給決定)手続きをした後に、順次廃棄された。

当時は加入者が提出した裁定申請書にはさみ込むなどしていたために、

申請書の保管期限である5年が過ぎた段階で一緒に捨てられてしまった可能性が高いという

6月22日21時32分配信 時事通信


◆コメント:行政権は内閣に属し、内閣の過半数は国会議員で構成される。国会議員を選ぶのは有権者である。

この記事で書かれている「NHKの報道番組」とは、日本時間6月24日午前9時からNHK総合で放送された「日曜討論」である。

各党首にNHKの影山日出夫解説委員が質問する。影山解説委員は経歴を調べたら1976年入局でずっと政治部にいた大ベテランだけあって、

質問する口調は淡々としているが、内容は核心に迫っている。核心に迫るとは、それぞれの党首が一番訊かれて困るような質問を見事にぶつける、

という意味である。

上に転載した産経新聞の記事は、概ね正しいが、やはりこういう番組は見ないと分からない。答えるときの政治家の表情などから、

文字では分からない、ニュアンスが分かる。

安倍総理は相変わらずだ。

年金記録を紛失した受給者は、第三者委員会と本人が一緒になって、記録を探し、話に整合性があれば支払うという。

記事2をご覧頂きたい。

「記録を探す」というが、記録は捨てたのでしょ?

捨てたものをどうやって照合するのか。相談して「本当らしい」とか「こいつはウソを付いている」とか、

そんなことが、有識者に分かるのか?刑事や検事じゃあるまいし。それに、たった10人の有識者会議で、5000万件とも1億件とも2億件とも言われている

「宙に浮いた年金」を裁ききれるわけがないでしょう。


◆一番、共感した発言。

各党の政策をいちいち論評すると長くなりすぎるので、一つだけ挙げると、民主党小沢代表が

「このような杜撰な事を平気で続けてきた社会保険庁職員の、モラル・使命感・責任感のなさが信じられない」

という趣旨の発言をしたが、これが私も今回の一連の事態の発覚で、衝撃を受けた事である。

少なくとも民間の日本人の勤勉さ、仕事の正確さは世界に冠たるものである。

だからこそ、製造業を例に取れば、あらゆる分野で、日本の製品は信頼できるという評価を世界中で得て、よく売れるのだ。

社会保険庁の役人は、信じがたいことだが、いまだに事の重大さを良く分かっていない。

新聞か週刊誌かソースは忘れたが、年金記録紛失問題が大問題になってからも、平気な顔で夕方5時に帰るのだそうだ。

同じ日本人でありながら、これほど怠惰で無責任な集団が存在し放置されていたということが、私にはものすごいショックだ。



◆究極的には、歴代有権者にも責任はある。

行政府たる内閣の過半数は国会議員から選ばれる。与党の国会議員が行政府となり、行政府がきちんと仕事をしているかを

監視するのは、国権の最高機関たる国会である。

国会議員を選出するのは、主権者である国民である。

勿論、直接的には年金記録をこともあろうに廃棄した社会保険庁がまず、一番悪いのだが、

行政の怠慢を監視できないような政党を与党にしてしまった国民にも責任がまったくないとは言えない。


◆よく考えずに選挙で投票をすることにより、不利益がもたらされる典型例「郵政民営化」

今、衆議院では連立与党が圧倒的多数議席を確保しているが、これは2005年9月11日の「郵政民営化選挙」の結果である。

私は、衆議院が解散されるよりもずっと前、2005年6月に小泉内閣の郵政民営化プランには、緊急性、必然性が認められない。

という稿を上げ、同年8月8日に衆議院が解散されてから、投票日の9月11日まで、

繰り返し、郵政民営化の問題点を指摘したが、残念ながら与党が大勝した。

その結果、こういうことになっている。
◆記事:郵政、民営化で手数料改定 値上げでも「民業圧迫」

日本郵政公社は22日、10月の民営化で郵便貯金を引き継ぐ「ゆうちょ銀行」が発足するのに伴い、

口座振り込みなどの送金・決済サービスの手数料を改定する、と発表した。

民営化に伴い一連のサービスに民間金融機関と同様の印紙税が新たに課税されるため、税負担分を転嫁する。

大半の手数料が値上げとなるが、民間の平均的な水準よりは安く抑えており、規模を背景にした民業圧迫の批判を招きそうだ。

窓口での現金による口座振り込み手数料は、現行は振り込み金額に応じて

100円(1万円以下)、150円(10万円以下)、250円(100万円以下)の3段階に分かれているが、

120円(3万円未満)と330円(3万円以上)の2段階に改定。20円〜180円の値上げとなる。

ATM(現金自動預払機)での振り込み手数料も同様に2段階にし、最大180円の値上げとなる。

それでも、民間に比べると、窓口で200円〜300円、ATMで100円〜200円安いという。

 一方、利用者が少ない小額送金である「定額小為替」は、一律10円から10倍の100円に値上げ。

住宅積立貯金や国際ボランティア貯金などの一部商品については、

利用者の極端な減少や類似サービスとの統合を前提に9月末限りで新規契約を廃止する。

また、メガバンクなどに対抗するため、ゆうちょ銀の口座間でのATM振替手数料を10月から1年間無料にするキャンペーンも実施する。

民営化後の持ち株会社となる日本郵政の高橋亨執行役員は22日の会見で、

「送金サービスは年間900億円の赤字だが、10月以降は自助努力などで年63億円の収支改善を見込んでいる」と述べた。

(6月23日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ)


郵政民営化とは、要するに郵便局が「商売人」になることだから、採算の取れない過疎地の局はなくなるし、

儲からないサービスは止めることになるのは、火を見るよりも明らかだったのだが、これは、国民の選択したことだから、

民営化によるデメリットは、「甘受すべき不利益」なのである。

要するに、有権者が行政や国会を「監視する」意識がないままに、感情の赴くままに投票すると、

このような結果を招く、ということは、はっきりと認識するべきである。



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2006年06月24日(土) 「福井総裁、金融資産は2億3170万…妻名義で阪神株」←論点がずれている。
2005年06月24日(金) 炎天下5時間…拉致被害者家族らの座り込み1日目終了←小泉、お前はそれでも人間か?
2004年06月24日(木) 道路公団民営化法案、参院で可決し成立 中身はひどい。小泉は「民営化」の三文字だけが欲しかったのだ。
2003年06月24日(火) 「<過労度診断>アクセス殺到でダウン 中央労働災害防止協会HP」 如何に皆が疲れているか・・・

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