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2009年06月05日(金) |
【音楽・映像】アルゲリッチの誕生日。別府アルゲリッチ音楽祭での伝説的名演(チャイコフスキー)。 |
◆アルゲリッチみたいな人を「天才」っていうのです。騙されたと思って一度聴いて下さい。
マルタ・アルゲリッチというピアニストがおります。1941年6月5日生まれです。
アルゲリッチに関する詳しいことを書き出したらキリがない。いくらでも調べられますが、
ウィキペディアにリンクを貼っておきます。
嬉しいことに、アルゲリッチは日本びいきでして、特に大分県別府市を訪ねた時に気に入ったらしく、毎年、
アルゲリッチが音楽監督を務める、別府アルゲリッチ音楽祭が毎年開催されます(今年は11回目でした)。
何だか当たり前になっているけど、私は初めて、「別府アルゲリッチ音楽祭」なるものが開催されると言う話を聞いたときには、
まるで夢のような気分でしたね。世界中の超一流オーケストラからソリストとして引っ張りだこのあの人が、
毎年日本に来て、自らの名前で「音楽祭」をやってくれるとは・・・。唖然とするほどの話でした。
話を端折りますが、兎に角ね。「天才ピアニスト」というのは、こういう人をいうの。こういう人なら「奇跡の〜」とか
呼んでいいですよ。
今日は、2001年の第3回別府アルゲリッチ音楽祭で、アルゲリッチ自らがソロを弾いた、
かの有名なチャイコフスキー作曲ピアノ協奏曲第一番を、見て聴いて下さい。
兎にも角にも、あんまりクラシックに興味が無い人も、一度、騙されたと思って聴いて下さい。
画面に字幕で出ますが、伴奏のオーケストラは東京芸術大学の学生です
(但し、コンサート・マスターは清水高師さんという芸大の先生。プロです)。
芸大ってのは、こういうレベルなの。演奏終了後のアルゲリッチのインタビューも載せますが、
この天才が絶賛しています。それもよく聞いて下さい。
◆チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23
YouTubeですから、例によって楽章の途中でファイルが分かれてしまう部分があります。
全曲が4つのファイルになっています。悪しからず。
Part1 第一楽章冒頭から途中まで。
冒頭のホルンの音、実に見事ですね。繰り返しますが、学生ですよ。
Part2 第一楽章の途中から終わりまで。
0分42秒から、両手でオクターブで弾くところがあります。これ、非常に難しいと思います。アルゲリッチは特に
この日は調子が良かったのか、すさまじい速さで弾き切ります。神業のようです。
5分25秒辺りからカデンツァが始まりますが、鬼気迫るものがあります。
アルゲリッチ、非常に機嫌が良いですね。機嫌が悪いと怖いんですよ。
Part3 第二楽章全体。
この楽章はピアニッシモの弦のピチカートで始まりますので、ボリュームを大きめにしないと、
何も聞こえないかもしれません。録音ミスではありません。
アルゲリッチのソロも全体としてピアノからメゾピアノぐらいですが、音量が弱くても、極めてはっきりと
音が透ります。実に美しいピアノの弱音です。
Part4 第三楽章(終楽章全体)
これはすごいですね。アルゲリッチ、ますます絶好調です。すごいテンポ。
5分30秒付近から、終わりにむかって、どんどんアッチェレランド(段々テンポを速くすること)がかかります。
興奮します。5分54秒。両手ですさまじい勢いで音階的に駆け上がっていくところ。この迫力!
これは文句なしに「ブラボー!!」ですねえ。天下の名人による、名曲の名演です。
なかなかこれほどの名演には遭遇しないものです。
◆本番終了後、アルゲリッチのインタビュー。
この演奏は、アルゲリッチ本人も会心の出来だったようで、上機嫌です。
芸術家は気むずかしい人が多くて、機嫌が悪いと、とりつく島もないのですが、
アルゲリッチとしては、稀に見るぐらいの機嫌の良さです。
オーケストラ(東京芸術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラ。プロも若干混じっているかも)の
前奏を聞いて、音の素晴らしさにハッとした、という意味のコメントがあります。この人、お世辞なんか言わないです。
この天才に認められるぐらいですから、東京芸術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラも大したものです。
Martha Argerich - Interview in Beppu, 2001
嬉しいですね。
くどいようですけど、こういう人を「天才」というのです。「本当に上手いピアニスト」というのです。
真に優れた演奏に接することは、大変重要です。
「優れたもの」と「そうでないもの」の区別が付くようになります。
なお、この演奏会の全てではないようですが、一部をNHKが今月放送するらしいです。
別府アルゲリッチ音楽祭のサイトに放送予定が書いてあります。ご参考まで。
それでは、皆様、良い週末をお過ごし下さい。
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