外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2006年06月05日(月) 村上ファンドのことを「時代の寵児」扱いしていませんでしたか?後付けの批判なら誰でも出来る。

◆記事:東京地検 村上世彰代表を逮捕(NHK)

村上ファンドを運営している村上世彰代表が、ニッポン放送株をめぐってインサイダー取引をしていた疑いが強まり、東京地検特捜部は証券取引法違反の容疑で村上代表を逮捕しました。

逮捕されたのは、旧通産省出身で村上ファンド代表の村上世彰容疑者(46)です。

特捜部は午後4時40分すぎから、証券取引等監視委員会と合同で東京・港区の六本木ヒルズにある村上ファンドの国内の拠点となっている会社や村上代表の自宅などを捜索しています。

これまでの調べによりますと、村上代表はおととし11月、ライブドア側からニッポン放送株を大量に買い占める計画を聞いたうえで、

村上ファンドとしても去年1月下旬までにニッポン放送株あわせて193万株を買い進めたとしてインサイダー取引の疑いが持たれています。

村上代表は5日昼前、東京証券取引所で記者会見して『インサイダー取り引きと言われてもしかたがない』と認めました。

特捜部はその後、村上代表の取り調べを始め、夕方、証券取引法違反の容疑で逮捕しました。

村上ファンドは去年1月の時点でニッポン放送株の18.6%を保有する大株主でしたが、ライブドアによる買い占めで株価が高騰したあとにその多くを売却して30億円余りの利益をあげていたということです。

特捜部は、ニッポン放送株を大量に買い占めるというライブドアの動向を知ったうえで、村上代表が値上がりを見込んで不正に株を買い進めたとみており、

村上ファンドが行っていた株取り引きの実態の解明を進めるものとみられます。 6月5日 19時3分


◆コメント:子どもの頃から新聞の株価欄など読まなくて良い。

周知のとおり、村上世彰氏は、台湾の華僑である父親から、100万円を渡されて、

「これを好きなように運用(という難しい言葉を使ったかどうか分からないが)して、儲けろ。今後一切小遣いはやらない」と宣告され、株の「勉強」を始め、サッポロビール株を買ったそうだ。

感心しませんねえ。



想像してご覧なさい。

朝、電車の中で、小学生が日経の株式欄とか企業の決算のページを食い入るように見つめる・・・・不健康だ。

子どもはそんなことは知らなくて良い。

確か今評判になっている、藤原正彦氏の「国家の品格」でも同じ事を書いていたが、別に私は真似ているのではない。この点に関して思想が一致しているだけだ。


◆子どもに「金融教育」をすべきだと日本政府は考えているみたいですよ。

金融庁のサイトの報道発表を見ると、金融経済教育懇談会という諮問機関の存在が分かる。

メンバー表を見たら、生島ヒロシとか、野中ともよとか、何だか危ねえなあ。

ただでさえ、子どもの学力が低下しているときに、余計なことを国家が主導して子どもに教える必要は全く無い。



株など、どうしてもやりたければ、大人になってから自分で覚えればよい。

学校は全ての分野の基礎となる、基本的な学力、単純化して言えば、知識と思考力を養成する場所である。



役所はなにをかんがえているのやら・・・。

子どもの頃から株なんかやっていると、こういうセコい人間になりますよ、という見本(村上世彰)が目の前を歩いているというのに・・・。


◆私は、昨年12月28日に「株式売買への熱狂」に対して、警告を発する文章を書きました。

私は、今はすっかり落ちぶれたホリエモンや村上世彰氏を「時代の寵児」扱いすることは、とんでもない勘違いだ、

という主旨の文章を昨年12月28日に書いた。



「株式」或いは、「株式投資」自体が、「悪」なのではない。

株式に「投資」する人がいなければ会社の資本(商売の元手)が集まらない。資本主義が成り立たない。

「投資」は長期的な資金の運用である。

松下幸之助氏が云っているように「ある企業を応援したい」と思ったら、その会社の株式を買えばよい。

そして、時間をかけて企業の成長を見届ける。こういう人が本来の株主であり、会社の経営に意見を述べても良かろう。


◆村上世彰氏は所詮、「相場屋」なのだ。

これに対して、村上氏は、ある会社の株式を大量に買い付け、その会社の株が上がりさえすればすぐ売ってしまうのである。

これは、「投資」ではなく、「投機」という。誰もが村上ファンドの真の目的が投機であることを知っていた。

にもかかわらず、彼は、あたかも、自分が大株主として、その会社の将来を心配しているのだ、というポーズだけをとり、株主総会であれこれ注文を出す。

彼は会社が心配なのではない。「株価」が心配なだけだ。



村上ファンドは、何の製品も作り出さない。公益に帰するようなサービスも提供しない。自分ではなにもやったことはない。

だから、財・サービスを提供する会社の従業員や経営者の苦労など、知らないし、知りたくもない。それで、文句だけ付ける。

これで、世間の尊敬を得られると思っていたならば、勘違いも甚だしい。


◆今日、村上ファンドを叩きたがっているマスコミだが・・・。

朝日新聞及び関連雑誌の過去の見出しに、次のようなものがある。

●2005年10月14日「週刊朝日」「『村上ファンド』銘柄で儲ける方法 阪神電鉄株の次は? 投資先リストはこれだ」


まるで、「コバンザメ」ですな。さらに遡ると。、
●2005年9月12日「AERA」「村上ファンドが組む大物 次なる標的はTBS」

株式市場でいま最も注目を集める村上世彰氏がTBSに照準を合わせた。ライブドア騒動の余韻も冷めやらぬ中、新たなメディアの攻防が始まった。

「公共的な報道機関の経営者って、いったい誰が選んでるんですか。ナアナアで身内で選んでいるんじゃないですか」炸裂する「村上節」に、詰めかけた報道陣は苦笑せざるを得なかった。


まるで村上氏に迎合している。こういうやり方はけしからんという論評がない。いい加減なものだ。


◆結論:日本人が偉大なのは、良質の製品やサービスを生産するからだ。

もしも、日本人が、全員、株の短期売買で食おうとしたら、どうなるか?

電力会社、ガス会社、NTT,携帯通信各社、水道局、農家、畜産業者、貿易に携わる人々、医師、看護士、流通業、運送業の社員が、

「仕事なんか馬鹿馬鹿しくてやっていられるか」と辞表を提出し、株の売買で暮しを立てようとしたら、これらのサービスは一瞬にして麻痺する。

電気もガスも水も得られない。食い物もスーパーにならばない。郵便や宅配便は永遠に届かない。病人、けが人は放置されて死ぬ人も出るだろう。

実際にモノやサービスを提供するために、毎日朝から晩まで働く人々が日本を支えてきた。

今も支えられている。これからも支えられてゆく。

株の売買は何も支えられない。


2005年06月05日(日) お奨めCD 「ショパン:12の練習曲」(マウリツィオ・ポリーニ)
2004年06月05日(土) 年金掛け金を5.6兆円流用しておいて、年金改革法もへったくれもないだろう
2003年06月05日(木) 「大量破壊兵器に関して、アメリカで政治問題化」 だから、前から言っているだろう。

JIRO |HomePage

My追加