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JIROの独断的日記
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2009年05月16日(土) 「国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚−拡大の恐れ・厚労省」←感染拡大を防ぐために抗ウイルス薬の使用を躊躇うな。

◆記事1:国内感染、高校生8人に=神戸2校で、大阪9人濃厚−拡大の恐れ・厚労省(5月17日0時37分配信 時事通信)

厚生労働省は16日、新型インフルエンザ感染が確認された男子生徒が通う兵庫県立神戸高校を含む

2校の高校生7人の感染を新たに確認したと発表した。国内感染はこれで計8人。

大阪府でも高校生ら9人が感染した可能性が濃厚で、同省は関西地方で人から人にうつる

集団感染が始まったとの見方を強め、感染ルートの解明を急いでいる。


◆コメント:1感染ルートも大事だが、拡大を防ぐこと。

新型インフルエンザの感染者が何故、神戸で突如現れたか?

新型インフルエンザ対策の政府の諮問委員会のメンバーで、防衛医科大学校の川名明彦教授によると、

海外への渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染していたことについて、

「今回の新型インフルエンザは比較的症状が軽く、一般のインフルエンザと区別がつかないため、

地域である程度感染が広がった段階で見つかることになってしまったのではないか

と言っている。日本に新型インフルエンザウイルスが入り込んだ時期については
患者が今月11日に発症していることから考えると、大型連休が明けたころには患者の周辺で

局地的な流行が始まっていたのかもしれない。今後、詳しい調査が必要だが、

ウイルスはそれ以前に検疫をすり抜けて国内に入っていたと考えられる。

と述べている。今更言っても仕方がないが、ちょうど新型インフルエンザの患者が増え、

WHOがパンデミック・アラートをフェーズ4に引き上げた(現在はフェーズ5)直後から日本のGWが始まった訳で、

偶然だけれども、日本にとっては最悪のタイミングだった。

神戸、大阪で渡航歴の無い高校生が新型ウイルスに感染したということは、

世界中に出かけていった人がウイルスに感染して帰国したのだろう。

そうだとすれば、今後近畿地区だけではなく、日本中に感染者がいる可能性は否定できず、

大規模感染になるだろう。

感染経路を調査するのも重要だが、国内での新型インフルのヒトーヒト感染がほぼ明らかになった以上、

国内での感染拡大を防ぐことを優先するべきである。といっても、今回の新型インフルエンザウイルスのワクチンが

開発され、製造されるまでにはまだ時間がかかる。このウイルスは季節性インフルエンザと同じH1N1型だが、

WHOに言わせると、豚インフルが変異した、新型のH1N1型は従来よりも感染力が強く、

文字通り、「新型」ウイルスで世界の誰も免疫を持っていないだろう、という。

免疫はない。ワクチンもない。感染を予防するには、手洗い、マスクも良いが、

一番まずいのは、新型インフルエンザの治療にあたる医療従事者自身が感染し、隔離されてしまうことである。

これが頻発するようだと、治療する人がいなくなる、という最悪の事態になる。

ワクチンが無い状態でH1N1型(変異型であっても)の感染を予防するためには、

予め抗ウイルス薬を飲んでおくほかに手はない。

安易に使うと抗ウイルス薬に耐性を持ったウイルスが出現する恐れがあるというが、

医療従事者は、薬を服用するべきである。

なお、タミフルは普通のカプセルで、経口投与だが、リレンザは特別の吸引器を用いて、

錠剤を粉にして吸引するのである。息子が数週間前、季節性インフルエンザに感染・発症し、

内科でリレンザを処方されて、初めて見たが、最初使い方がよく分からない。

この薬を製造・販売しているグラクソが、ウェブサイトで、使用方法をビデオで説明しているので、

自分や周りの人が感染し、リレンザを処方されてからあわてないように、

GlaxoSmithKline くすりの情報 リレンザで予め知っておいた方が良い。


◆記事2:新型インフル 学校や市に中傷殺到 隔離・停留きょう解除

■「帰ってくるな」「謝れ」

新型インフルエンザで、国内初の感染が確認された高校生ら4人に対する「隔離」と、

周囲にいた人たち48人の「停留」措置が、15日夕から次々と解かれる。

これまでの厳しい行動制限がなくなり、日常生活が可能になる。

だが、生徒らの高校がある大阪府寝屋川市などには、誤解にもとづく誹謗(ひぼう)や中傷が殺到。

関係者らは、いわれのない偏見などを危惧(きぐ)している。

隔離の4人と停留の48人のうち32人が、短期留学の関係者。寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、

52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。

「成田から帰ってくるな」「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

寝屋川市の危機管理担当者は「人権を傷つけるような電話もある」と相次ぐ心ない電話に困惑。

その上で「根拠のない批判に対しては、きっちりと正しい情報を伝えて反論するようにしている」と話している。

インターネットの掲示板でも、書き込みが殺到する“おまつり”状態。その多くが「税金使ってウイルス輸入。何やってんの?」

「他人に迷惑かけてるんだ。たかが風邪ひいた問題じゃない」という心ない表現になっている。


◆コメント2:どうして、病人を誹謗するのか。

記事2に書かれていることは、あまりにもひどい。

政府の対応が、とにかく「水際作戦」で感染者を「隔離」することだけにムキになり、

感染者への配慮が足りなかったことも一因であろう。それについては、

「<新型インフル>個室に10日間「停留」会話は内線・携帯で」←もう少し隔離された患者のことも考えてやったらどうです?ココログ)で書いた。

隔離者は、ただ部屋に閉じこめられ、着替えも暫くは与えられず、テレビを見ているしかなかったという。

ハンセン病患者を隔離した「らい予防法」時代を想起させる。「感染した、汚い奴はとにかく閉じこめろ」

という態度である。リンク先の記事で書いたが、新型インフルエンザに感染した生徒は「犯罪者」ではない。

「病人」である。しかもテレビを見るぐらいしか時間を潰す方法がなかったというから、散々自分たちに関する、

過剰な報道を繰り返し見たことにより、ただでさえ精神的ダメージを受けているに違いない。

寝屋川市や学校に寄せられたいわれなき誹謗・中傷を知ったら、どれほど傷つくか。

寝屋川市によると、生徒らが帰国した8日以降、52件の電話が全国から寄せられた。府や学校にも計100件超の電話が寄せられ、

多くが行政や生徒らを批判する内容だったという。「成田から帰ってくるな」

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」といった理不尽な電話や、

「なぜマスクをしなかったのか」「早く帰国させるべきだった」といった留学中の行動にも批判が寄せられた。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」といった罵声(ばせい)を一方的に浴びせるものや、

生徒や教員を個人的に中傷する内容の電話もかかっているという。

「成田から帰ってくるな」インフルエンザウイルスが体内から無くなれば、他人を感染させる危険はない。

「どうしてあんな学校がカナダ留学にいくのか」大きなお世話である。何処へ行こうが自由だ。

「なぜマスクをしなかったのか」マスクをしていれば、感染しなかった事が証明できるか。

「謝れ」「賠償しろ」「バカヤロー」に至っては、馬鹿過ぎて話にならない。

集団感染が国内で起きた以上、自分も感染し、「隔離」されるかもしれないのだ。

海外へ行ったことが「悪い」のならば、GWに、既に新型インフルエンザ感染者がいることが

判明していた国へわざわざ旅行した、全ての日本人が非難されるべきである。

日本人の悪い癖で、弱者を更に痛めつける。匿名のネットが発達してから余計ひどくなった。

統制されないと、人間のメンタリティとは、この程度のものなのだろうか。

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