DiaryINDEX|past|will
2005年05月16日(月) |
「記者会見冒頭、カカクコム経営陣が謝罪 」←どう考えてもおかしい。 |
◆記事:「ソフト、ハード、運用の全てを刷新」価格.com、23日をめどに復旧 。(internet watch impress)
「今回の攻撃は、レベルの高いものだったという感触を得ている。23日をめどに復旧を目指す価格.comの新しいシステムでは、ソフト、ハード、運用の全てを刷新する」。カカクコムの穐田誉輝代表取締役社長兼CEOは16日、同社の価格比較サイト「価格.com」が不正アクセスに遭った事件についてこうコメントした。
◆記事:価格.comの不正アクセスは原因は解明されたものの、被害規模の把握にはいたらず(RBB)
価格.comが不正アクセスの被害を受けた事件だが、同社の代表取締役社長兼CEOである穐田誉輝氏は「昨日(15日)に、原因は解明している」と明らかにした。しかし、被害の規模はまだ把握できていないようだ。
この不正アクセスにより、ユーザに与えた可能性がある直接的な被害は、ウイルスの感染と、メールアドレスの流出の2点。しかし、ウイルスの感染は「トレンドマイクロ、シマンテック、マカフィーからの感染報告はない」としている。メールアドレスの流出についても、「調査中」としているため、流出の件数や確定はできないとしている。(中略)
最後に、「(ウイルスをばらまくなど)加害者になったことを深くお詫びします。このような犯罪が再び起きないように、警察には100%協力していく」とした。 (RBB TODAY) - 5月16日20時12分更新
◆コメント:被害者が謝らなければならない国、日本。
どう考えても、おかしい。
先日来、JR西日本の脱線事故についてコメントしているので、読者の方から、多くのメールを頂戴する。
まだ、返事をお出ししていない方があって、ここで非礼をお詫びします。必ず、書きます。
ただ、とても興味深いというか、さもありなん、というメールを頂いた。
その方はフランス語が堪能でいらしゃる様子で、今回の事故について、知り合いのフランス人に感想を聞いたところ、彼の国の考え方からすれば、「現時点でJR西日本社長が謝る必要は無い。何故なら、事故の原因は不明だからだ。また、事故現場の献花台に立っているJR職員に罵声を浴びせたり、ましてや暴力を振るうことなど、絶対にあり得ない」といわれたとのこと。これは、もう説明の必要も無いだろうが、JR西日本の他の社員は事故に関して責任は無いからである。
私は、フランス人が特に好きでも何でもないが、客観的に考えて、フランス人の論理に共感を覚える。
フランスばかりではない。
BBCは虐待されたJR職員のために相談窓口が開設されたという長い記事を書き、日本では「Kigyo Sekinin」(企業責任)と言う言葉があり、有る組織で誰かが問題を起こすと、その組織の従業員全員の責任となる、不思議な慣習がある、と紹介している。皮肉である。
日本には、日本の精神風土に基づく社会的慣行があるわけで、何でも全てを欧米に合わせる必要はさらさら無いが、こと、この問題に関しては、私はフランス人や、イギリス人の感覚と、ほぼ同じだ。
◆何でも謝るのは、やめにしませんか。
不正アクセスでサイト閉鎖を余儀なくされた価格.comの社長が記者会見を開いたが、冒頭深々と頭を下げて謝罪している。
この光景はJRよりもさらにおかしい。
価格.comは被害者である。
悪いのは、同社のサイトに不正にアクセスして、サイトを改ざんした人間に決まっている。
勿論、私も日本企業にずっと勤めている人間だから、この場合、「結果的に、価格.comのサイトにアクセスした利用者がウィルスに感染したから頭を下げる」、という「日本的倫理」が存在すること自体は、百も承知である。
だが、価格.comが犯人で有るかの如く、頭を下げなければならないという習慣は、不合理だ。こればかりは何十年経っても、私は納得できない。
価格.comの社長は、JR事故のあとだから(全然事故の種類はことなり、死者の一人も出していないのだが)、「とにかく謝っておかないと、まずい」と判断したのであろう。
◆「謝罪の大安売り」をするから、「謝罪の価値」が低くなるのだ。
変な言い方だが、日本人社会では理屈ではおかしいと分かりつつもとにかく、「事実の全貌が分からなくても、何かあったら、とりあえず頭を下げる」という習慣が出来ていて、それが当たり前になっている。
だから、JR脱線事故の様な惨事が起きたときにもすぐに謝るのだが、謝るのが当たり前になっているので、「死者を出したような会社はただの謝り方では許されない」、という感覚が、日本人の遺伝子に組み込まれているのではないか。
いくら何でももう少し論理的になるべきではないか。
JRならば、原因はまだ、分からない。従って、誰に責任が有るのかは、特定できず、謝る必要はない、と言う考え方が出来ないものだろうか?
価格.comも、勿論、同様である。
2004年05月16日(日) 「陸自撤退につながる解釈 サドル派で内閣法制局が報告」 「戦闘行為の定義」のバカらしさ。
2003年05月16日(金) 「国税庁、高額納税者番付公示」 プライバシーの侵害という以上に、生命の危険がある