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JIROの独断的日記
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2009年02月12日(木) 「首相の郵政見直し発言、小泉氏『笑っちゃう』」←小泉君。貴方のことは笑って済ませられない。

◆記事:首相の郵政見直し発言、小泉氏「笑っちゃう」(2月12日21時41分配信 読売新聞)

自民党の小泉元首相は12日夕、党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」であいさつし、

定額給付金事業を盛り込んだ2008年度第2次補正予算関連法案について、

「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

と述べ、政府・与党の再可決の方針に異議を唱えた。

また、小泉氏は麻生首相の郵政民営化見直し発言に対し、

「怒るというよりも笑っちゃうぐらい、ただただあきれてしょうがない」と述べた。

首相と10日に電話で会談した際、「首相の方針に若手が批判的な意見を出すと『後ろから鉄砲を撃つな』と抑え込みがかかるのに、

衆院選でこれから戦おうという人に前から鉄砲を撃っているじゃないか。発言には気をつけてくれと伝えた」ことを明らかにした。

また、「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」と語った。


◆コメント:小泉君ね。あんたのやったことは笑うどころか呆れてものが言えないほどなのだよ。

小泉批判を一から始めると、私ですら、一冊の本が書けそうな気がする。

それほど、指摘したいことがあり、キリがないから、この記事に基づいて所感を書く。

定額給付金の是非は、この際、取りあげない。問題は小泉発言である。

「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

日本国憲法では、第五十九条に法律案の可決に関する条文がある。
第五十九条  法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

○2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

○3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

○4  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

小泉内閣の「郵政民営化法案」は、2005年7月5日、衆議院本会議で、僅か5票差ではあるが、賛成が反対を上回り、可決されたが、

同年8月8日、参議院本会議においては否決された。

憲法の規定に従うならば、同法案に関して、通常は両院協議会を開催し、意見の調整を行い、それでも意見の一致に達しなければ、

再度、「衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決する」べきだったが、当時の小泉首相はこの手続きを踏まず、

参議院本会議で法案が否決されたら、いきなり衆議院を解散したのである。この時、故・後藤田正晴氏が痛烈に批判した。
「代議制民主主義だよ、日本は。立法府で通らなかった法律案を、(衆院解散によって)実質的に国民投票に掛けるのと同じような手続きになりつつあるのは、

代議制の上からみて、行きすぎではないか。憲法改正のように、国民投票の手続きが憲法で決まっているならよいのだけどね」(8月21日の民放テレビで)

全くその通りである。民主主義政治においては、憲法に定められた手続きを無視してはいけない。しかし、小泉は無視した。

その張本人が、
「(衆院再可決を規定した憲法の)3分の2(条項)を使ってでも成立させなきゃならないとは思わない。もっと参院の意見と調整し、妥当な結論を出してほしい」

と、いけしゃあしゃあと発言したのである。

「笑っちゃう」のはこちらのセリフだ。


色々、あげつらうと本当にキリが無い。もう一点、読売の記事の中から。
「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」

そういうこと、言う資格があるの?小泉さん。

8月8日に衆議院を解散してから、9月11日の投票日まで、小泉(当時)首相は、

「この選挙は、郵政民営化の是非だけを問う選挙だ」

と言い続けた。先日、指摘したばかりだが、実は、この選挙期間中から今に至るまで、自民党のサイトには、

自民党 政権公約2005というページがあり、120の約束が掲げられていて、「郵政民営化だけ」どころか、ありとあらゆる事が書いてある。

例えば、2007年、自民党は、所得税を引き下げ、住民税を引き上げ、定率減税が廃止され、実質増税を断行したが、

それは、この、120の約束の、009. 歳出・歳入一体の財政構造改革を実現7に、
税制の抜本的改革

引き続き聖域なき歳出改革に果断に取り組みながら、国民の合意を得つつ、新しい時代にふさわしい税体系を構築する。その中で所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない。なお、18年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。(注:太文字は引用者による)

「税体系の抜本的改革」っていったら、増税に決まってますよ。減税なら、皆喜ぶからはっきり減税と書くでしょ?

だから、選挙前私は、2005年09月07日(水) 【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。ココログ) で、
◆「小泉首相の任期中は、消費税を上げない」2007年から上がる

と書いた。その通りになったでしょ?小泉はこういう狡い奴なのだ。

その他にも、120の約束には、
012.医療制度改革の断行(安心で質の高い医療提供体制、持続可能な医療保険制度の確立)

国民皆保険制度を堅持しつつ、効率が良く、質の高い適切な医療の提供を確保するため、医療制度の改革を断行する。

新たな高齢者医療制度の創設、地域の医療機能の適切な分化・連携を進めるための医療計画制度の見直し、小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等について、年内に改革案をまとめ、次期通常国会に法案を提出する。(注:太文字は引用者による)

の記述があり、明らかにこの時点で、「後期高齢者医療制度」の構想を練っていたことが分かる。

また、小泉は選挙前テレビCM(キャンペーン)で
郵便局員は警察官よりも自衛官よりも多い。公務員を減らさなくて良いのですか?

と繰り返した。郵便局員の数については嘘はついていないが、日本郵政公社は独立採算で、郵便局員の給料は税金から出ているのではなく、

ハガキ・切手の売り上げなどから、自分で稼いでいる事を言わなかった。実に狡猾である。

そういう、ペテンのような事ばかりしてきて、日本を弱者イジメの格差社会にした張本人である。

郵政民営化とて、何故、あれほどムキになったかといったら、アメリカの年次改革要望書という大「内政干渉」文書に書かれていたからである。

アメリカの要望に忠実であれば、自らが首相として安泰でいられる。残念ながらそう言う構造になっている。これは憶測ではなく、

2005年7月22日付毎日新聞で、平沼赳夫元経産相がインタビューに答えてはっきり証言しているのである。私も記事にした。

それは、2005年08月28日(日) 小泉首相が、郵政民営化にあれほどムキになる理由。ココログ)をご覧頂けば、分かる。

小泉首相は、日本の郵政事業を株式会社化して、ゆくゆくはアメリカにプレゼントするつもりだったのだろう。

こういう人物が麻生首相に
「首相の発言に信頼がなければ、選挙が戦えない」

と言う。

こちらは笑えない。呆れてものが言えない。

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